BOOK INFOMATION

単行本 『 片付けられない女魂 』 発売中です。
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(扶桑社 / 全503頁 / 書き下ろしアリ)





普段から基本的には家庭内別居だが、夏は特に親と一緒に居られなくなる。
暑さに滅法弱い夏目父が野菜室並みに冷やしたリビングから出なくなるのとは対照的に、暑さに強いあたしはテンションが上がって活動的になるからだ。

さて。
午前中に気温が30度を超えた週末、あたしは朝から汗だくで動いていた。






資源ゴミの回収日だったため、まずは新聞を捨て、




(友人Oよ、お米をありがとう!)



ダンボールや紙を捨て、風呂で汗を流してから、近所のスーパーマーケットの開店時間に合わせて家を出て、脳内メモにあった物を漏らさず買って家に戻ったら、






食料品を冷蔵庫に収め、エコバッグと、エコバッグに入りきらない時用のレジ袋をたたんで、休日持ち歩くバッグに仕舞う。






ちなみに。
レジ袋を持ち歩くようになったのは、一緒に食料品を買いに行った時、手ぶらの義兄がレジ袋を断っていて、「どうすんだ?」と思っていたら、ジーンズのケツポケットから三角に折りたたんだレジ袋を出したのを見て以来。
つうかその時、エコバッグもレジ袋も持っていなかったあたしが3円出してレジ袋を買ったのを見た、倹約家の義兄に、



「 あ ー あ ・ ・ ・ ・ 」



と言われたのがきっかけ。
「ンなこと言われたかねーし」と思わないこともないが(こら)、それより何より、「たとえ3円でも、あたしは自分に対して「あーあ」と思うんだ!」と気づいたことが大きい。
これまで散々意味の無いことに金を使ってきたあたしが、3円で買ったレジ袋を捨てるにも幾許かの金がかかるのだと意識して「あーあ」と思うようになるなんて、自分の変わりようにびっくりする。

閑話休題。

そういえば、6年ぶりくらいで砂糖を買った。




(1袋消費するのに6年くらいかかる)



料理らしい料理をしない我が家で最も使わない調味料なのだが、それでも時々は欲しい場面もあるので、どーんと1kg。
で、すぐさま、調味料入れ(うちにもあります)に補充。




(未だに、恐ろしいほどよく切れる、20年モノのキッチンばさみ)
ステンレスキッチンばさみ/20cm

続けて、賞味期限を1週間ほど過ぎていた卵を茹で・・・・ようと思ったのだが、






未だに我が家には鍋がないのでこれはちょっと後回し。
キッチンから離れ脱衣所へ行き、この日買った物の中で最もテンションの上がるブツを使ってみることに。
どこにでも売っているただの柔軟剤で、ダウニーとかゲインとかではない。



我が家では長年ハミングフレアを、



このボトルに詰め替えて使っていたのだが、




(10年モノくらいのボトル)



TVでCMを見たり店頭で実物を見るたびに、「欲しいなあ」と思っていたパッケージの柔軟剤があって、この日ようやくそれを買ってきたのだった。











か 、 か わ え ぇ ・ ・ ・ ・ 。



かつて我が汚部屋にあったマンガ・ 『 永遠の野原 』 のみかん(犬)がニンマリした時みたいな顔がツボなんだよなー。(註:いい歳です)



つうわけで、古いボトルは洗って捨て、新しい柔軟剤を使ってニンマリしながら洗濯をしまくる。
で、夕方。
賞味期限の切れた生卵8個と皿を持って出掛け、義兄宅で茹でる。




(10年ぶりくらいに卵を茹でました ←本当)



鍋とガスを貸してもらったお礼に、賞味期限の切れた生卵で作ったゆで卵を2個、そぉーっと義兄宅の冷蔵庫に入れ(たがすぐバレ)、鍋がないことを不憫に思った義兄が、「その鍋あげるから」と言うのを丁重に断って(なぜ!)、ゆで卵を持って帰宅した。




(坂東英二が、新大阪→東京で平らげる量)



という具合に暑さも何のそので元気よく動くあたしを見て夏目父が言った。

「毎年思うけど、何で暑っっっい日を選んでフットワーク軽くなるのかね」
「さあ」
「食欲も、衰えないどころかむしろ旺盛に拍車かかってるよね?」
「まあ、例年夏は肥えるから、俺」
「夏バテには縁がないしねえ」
「おうよ」
「まあでも、基本は変わらないっつうか」
「ん?」
「いや、さっき出掛けてる時、DVD借りに君の部屋に入ったんだけどね」
「・・・・ちゃんと返してね」
(スルーして)「部屋に入った途端、笑ったもの」
「あ?」
「あんなん、俺でもやらない」
「あんなのって何」
「まあ部屋に行って布団の上、見てみなよ」
「・・・・?」
「最近で言う「女子力」っての?それがゼロってのがよく判るモンがあるから」
「へ?」
「我が娘ながら、あれはどうかと思うよ」



親から「女子力ゼロ」なんて言われるとは思わなかったが、夏目父が言う、「布団の上にある物」が見当つかなかったので、反論は後にしてとりあえず自分の部屋に行ってみた。
そこにあったものは、女子力どころか、



大 人 力 を 疑 う よ う な も の だ っ た 。









(脱ぎっぱにしてもこれは酷い)





とーちゃん。





こ ん な 娘 で マ ジ ご め ん 。





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 こ、更新がんばれ、俺。


我が家において、「鍋を焦がす」「皿を割る」「好きなもんは全部食う」というのは夏目父の専売特許だったのに、生まれて初めてあたしが、ヤカンの空焚きをしちまった。
しかも、ヤカンを火にかけてちょっと目を離したらすっかり忘れちゃって・・・・とかいう、あるあるぅー!な空焚きではなく、水の入っていない空のヤカンを火にかけ、それが変色する様子を2分間眺めていたという、ツッコミどころ満載な空焚きをした。










火に近いほうは煤のような焦げつきで、上部は、常にコンロ付近に出しっぱなしにしているせいでついた油汚れが焦げ始めたって感じか・・・・。
んー、フタも取っ手も綺麗なのになあ。






ほとんど料理をしないからキッチン用品には全く執着がないのだけれど、これだけは惜しい。
なぜならこれは、親友の結婚披露宴で貰ったカタログギフトのものだから。
しかも、離婚率が異様に高いあたしの友人知人の中で、彼女は、数少ない「続いてる人」だから。




この友人が結婚。出産。家事。育児・・・・)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
こうして書くと「だから何」という気にならないでもないが、あたしの中では思い出深いモノだったわけで、だから、磨いてみようかと思い立った。
だって、ほれ。
片付け掃除ブログ界ではさ、写真を載せるのも憚るくらい汚いモンを洗って磨いてピカー!っとするのはお約束だもの。
あたしも世のステキな奥様たちみたいにメラミンスポンジとか使っちゃって、



このヤカンをピカー!っとしてやろうじゃないのー。のー。






思い出深いという以外にも、このヤカンが惜しい理由はある。
まず、取っ手が熱くならない。
それから、容量が2.4リットルなのにアルミ製だから軽くて、本体とフタの境に段差がないのとで、とにかく洗いやすい。
それと、表面のアルマイト加工が影響しているのか、とにかく汚れが落ちやすい。
ヤカンをピカー!っとしようなんてことは、年に1度か2年に1度くらいしか思わないが(少な!)、どれだけドロドロになっていようが、普通のスポンジと普通の食器洗剤で洗えば経年を感じさせないくらい綺麗になる。
口が広いから、手ぇ突っ込んで内側を洗うのもラクチンだ。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ラクチンとか言ってるわりに汚れてね?と自分で自分にツッコミつつ、その汚れは置いといてまずは、ステ奥御用達のメラミンスポンジを買う必要があるか否かを検討すべく、食器を洗う普通のスポンジで擦ってみることにした。
そうそう、内側の汚れは置いといて、ね。




(おや?)



・・・・こここここれは、みみみみみ見なかったことにして、外側を普通のスポンジで擦ってみ・・・・る前に底をちょろっと撫でてみた。
するとすぐに。



ピ カ ー ! っ と な っ た 。






(穴です)



・・・・って。



こういうピカー!を目指してたわけじゃねえんだけど。



一瞬、アルミ溶接しようかとも思ったのだが、穴を見てうな垂れているあたしの傍にいつの間にか立っていた夏目父の言葉をきいて、溶接は諦めた。



「やったー!ようやく穴が開いた!
あのさ、すごく綺麗なヤカン見つけたんだよー」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ああ、萎える。
すげー萎える。
夏目父の購買欲は、必ずあたしを萎えさせる。

そもそも、夏目父はヤカン使わないじゃないか。
あたしがコーヒー淹れる時に使うだけだもの、お前好みのヤカンである必要がどこにある。

夏目父のテンションの高さに萎えつつ、ヤカンを捨てるのならついでに、ボロくなった調理器具を全部捨てちゃおうと思い立ち、元の色がまるで判らないほど黒くなった18センチのフライパンも、場末の大衆食堂が似合う28センチのフライパンも、






買って早々フタが壊れたのに使い続けていた片手鍋も、






フタは無事だが取っ手がヤバい片手鍋も、






我が家に、少なくとも15年前からあった調理器具をどーんと捨てた。






「え、全部捨てるの?」と夏目父。
「うん」とだけ言う娘。

タイミングがタイミングだっただけにヤケを起こしている風に見えてもおかしくなかったが、あたしとしては全然そういうんじゃなくて。
場末の大衆食堂にありそうな鍋やフライパンはみんな前から買い替えたいと思っていたけれど、月に1、2回しかフライパンも鍋も使わないあたしに(本当)、欲しい鍋などあるハズもなく。
つまり、コーヒーミル同様、選ぶのがメンドウだから買い替えることを考えただけですげー億劫なわけで。
だから、先に「チーム・場末」を捨ててしまえば、否が応にも買うことになるんじゃないかと思ったのだ。
ちなみに。
これらを捨ててうちのキッチンに残っている鍋は、小さいホーローのミルクパンと圧力鍋のみで、フライパンはゼロになる。
でも、どーんと捨てた。



さて。
チーム・場末を捨てた日から夏目父は、ヤカンヤカンとうるさくなった。
「綺麗なヤカンなんだよ」と言っているうちはまだ良かった。
が、そのうち、「ヤカンって一生モンだよね」と言いだしたあたりから、徹底抗戦することにした。

「一生って、あたしの?それともそちらさまの?」
「俺のに決まってる」
「つっても、ヤカン使わないじゃないの」
「使ってるよ」
「・・・・見たことねえんだけど」
「そうかもしれないけど、毎日使ってるよ」
「お湯沸かして何してんの?」
お湯は沸かしてないけど使ってる!
「あ゛?」



「ベランダの花に水やる時にヤカン使ってるっ!」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





ジ ョ ー ロ 、 使 え や 。



「つうか、一生モンとか言ってるんだからお高いのがいいんでしょ」
「高いのかなあ、やまだこーみんでざいんだと」
「は?」
「ん?やまだこーみんのステンレスのヤカンって高いのかなあ?」
「調べてみましょか」
「よろしくどーぞ」






(確かに綺麗)





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





ジ ョ ー ロ 、 使 え や 。





というわけで。
夏目父の、ヤカンより熱い、暑苦しい購買欲は未だ冷めていないようだが、薄情な娘は毎日シカトし続けている。
ちなみに。
「チーム・場末」を捨てたのは、1ヶ月半前の5月5日。



我が家には未だにヤカンもフライパンも鍋もない。



だから、ヤカンでベランダの草花に水をやっていた夏目父は今、



小せぇミルクパンを手に、台所とベランダを何往復もしている。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





ジ ョ ー ロ 、 使 え や 。





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 こ、こ、更新頻度を上げねばっ!ねばっ!



我が家で1ヶ月以上前から繰り返し交わされてきた会話が二つある。
ひとつめは、

「これで全部?」
「他にもある、と思う」

で、ふたつめは、

「これ何?」
「知らね」

である。
それぞれ、質問ひとつに答えもひとつ。
続きはない。
一見すると完結しているように見えるが、繰り返し交わされているということはつまり、どちらも解決していないまま1ヶ月ちょっとが過ぎたということである。

ひとつめの会話については、互いが省略している言葉を書けばすぐに意味は通じる。

「これで(今年度の領収書は)全部(出した)?」
「(いや、)他にもある、と思う(けど探してない)」

夏目父は超小企業の経営者なのだが、誰から見ても会社経営には向いていない性格なので、金が絡むこと全般と申請や届け出は創業時からあたしがやっている。
幸か不幸か超小企業なのであたしが日々やっている仕事量は大したものではない。
が、領収書に絡んだことでは決算時、毎年大いに揉めている。
何故なら会話の通り、夏目父が領収書を逐一あたしにくれないからで、くれない理由は、




仕事には関係ないモンを買ったとき、あわよくば会社の経費で落としちまえと思って領収書を貰ったものの、それを見せたら鬼娘が速攻で却下することが判っているから。





で、ある。
もちろん、「却下されんのが判ってんなら自腹きる覚悟決めろよ!」とは思うし、一般企業のように「領収書がなければ清算できません」と切り捨てるのは簡単だが、厄介なことに過去の経験から、夏目父が「仕事には関係ないモン」と思っているものの中に、「仕事に関係あるモン」が入っている確率が高いということも判ってしまっている。
納付する各種税額に影響が無いともいえないので、バッサリ切り捨てるわけにもいかない。
なので毎年GWちょい前くらいから、「締め切りますよー」「後から出しても清算しませんよー」「無駄に多く税金払うことになるかもしれないんですよー」「それで我が家が窮したら、納豆が買えなくなるかもしれないんですよー」とやんわり言うのだが、夏目父はそれを聞いたところで慌てるような経営者でもないし、あたしはあたしで、「お前が出さないっつうんなら、あたしが引き出しン中、全部ひっくり返してやる!」なんつうこともしない。
つまり。




毎年この時期は、物凄く意味のない根比べをしている。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
こうして書いてみると、どんだけ精神衛生上よろしくないことをしているか改めて気づかされるし、決算時にそんなことになるくらいならいちいち催促すればいいということくらいはあたしでも判るが、毎日毎日家に帰ってまで、仕事や金の話をしたくないのだから仕方ない。
とにかく、夏目父が「これで全部」と言ってくれるまでは決算確定が出来ないので、それとなく催促しつつ、「せめて6月第1週には会計事務所に確定データ送りたいなー。夏目父、いつくれるのかなー。少しだといいなー。現金残で賄える額だといいんだけどなー。もしも足りなくなったところで預金残は動かせないから役員借入れ立てないといけないのかなー」と、頭の中が決算一色になり、他にどれだけ優先順位の高いものがあろうとそれらは先延ばしになってしまうという、悪循環な状態が毎年1ヶ月続く。
だから、そんな中であたしが、自動車税を期限前に払ったのは奇跡に近い。(夏目基準)





(当然のことをミラクル視するのがダメ人間の証)




(コンビニ納付ばんざーい)





結局、夏目父が「これで全部」と言ってくれたのは5月末日。
「よっ!待ってました!」とばかりに処理を始められればいいのだが、月末月初は他にもすることがあるため、隠し領収書の処理に着手できたのは6月2日の夜だった。
それにしても今回は、夏目父が隠し持っていた領収書の量がヒドイ。





(収拾がつかず、とりあえず月別昇順でクリアファイルに入れてみた、の図)





靴とか靴とか鞄とか服とか服とか靴とかの領収書(ゴルァ!)は躊躇することなく捨て、「なんでこういう判りやすいモンまで隠し持ってるかなあ」と首をかしげたりもしつつ、





(社用車に関係する領収書に、どんなやましいことがあるんだぃ?)





3晩かかって全データの入力やら照合やらが終わった。



そう、たった3晩の話なのだ。
でも、決算処理終了直後、その嬉しさを誰かに伝えたくて書いたコメントへの返信にあったカリノさんの言葉をもじると、「完全三夜漬けだったけれど、重圧だけは1ヶ月以上前から続いている」状態だったから、それを終えたときの開放感は尋常じゃあない。
どんくらい尋常じゃないかというと、翌日呑みに行った店で、待ち合わせていた友人が来る前に、ひとりで3人前のモツ鍋を平らげちゃったくらいハイテンション。(実話)





(店員に「お連れ様がいらっしゃってからにしますか?」と2回も言われたのに注文。そして完食)





土日は部屋に篭って、時間も何も気にせずに長編小説を再読しまくり、

(敢えて報われない系をチョイス)

1ヶ月半ぶりにようやく、心ここに在らずな状態から抜け出した。



さて、あたしの頭ん中が決算一色だった間、夏目父はどうしていたのかというと。
決算とか領収書とか金とかとは別の世界、つまり、いつもと概ね変わらない毎日を過ごしていた。





(「2日で11パック。絶好調だなオレ」って、おうこら)





ただし。
毎年そうしているように、春先からはベランダに出ることが増えてきた。
移植ゴテで植木鉢の土を掘り返したり、肥料らしきものを遣ったりしているようで、そのうち、「クレマチスに蕾がついた」とか言うようになった。
やがて、「ホームセンターに行きたいなあ」と呟くことが増えたので、「勝手にお行きなさい」と言いたくなるのを我慢して連れて行くと、肥料を買ったり、小さい鉢植えを買ったり。
で、暫くすると、「あの時買った花をデカい鉢に植え替えたら収拾がつかないくらい増えちゃってさー」と嬉しそうに語る。





(収拾がつかない花・その1)


(収拾がつかない花・その2)





そうこうしているうちに、少なくとも10年前からこの時期に必ず咲いている2種類のクレマチスの蕾が開き始め、花を見ては「去年よりデカい」と大喜び。





(手のひらサイズ)


(同じく)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



ん な こ と や る 前 に 領 収 書 出 せ や 、 ゴ ル ァ 。





と、言いたい気持ちも無いではないが、あたしが領収書を待っているあいだ夏目父が草花を愛でるのに熱中するのは毎年のことなので、ここまではまあなんとか目を瞑ることができた。
だが、今年はこの後がかなり厄介だった。

話は随分前、去年の春まで遡る。
夏目父が会社近くを歩いていると、民家の庭先に生い茂っている草花が目に入った。
その時点ではまだ花は咲いていなかったがやたらデカい蕾がボッコボッコついている。
改めてよく見てみるとそれは庭のいたるところに生えていて、繁殖力の強さから「雑草か?」とも思ったらしいが、花壇は綺麗に手入れされているからこの雑草だけを放置してるとも考え難い。
いずれにせよ、蕾が開くのはもうすぐだろう。
夏目父は、どんな花が咲くのかを心待ちにしていた。

花は、夏のあいだずっと咲き続けた。
そして、どんどん増え続けた。
民家の庭を飛び出て、道端や向かいの空き地に芽を出し花をつけた。
夏目父は、「待ってました!」とばかりに道端のそれがつけた種を1粒だけ採り、いや、盗り、今年になって然るべきタイミングでベランダの鉢に蒔いたのだった。
で、その花が咲いたのと同時期に、最初に書いた会話が始まったのである。




「 こ れ 、 何 (っていう花) ? 」





「 知 ら ね 」
(花の名前をご存知の方、コメント欄にて教えて下さると嬉しいです)
( 『 ニゲラ 』という花だそうです!あやむ。さん、Akeさん、ありがとうございましたー)







(直径4〜5センチ。うちのは水色だが、「白いのもあった気がする!」とは種泥棒談)






(花びらが落ちると、ツッコミどころ満載の姿になる。
「この膨らみに種が出来てた気がする!」とは、種泥棒談)





そりゃあもう、「知らね」と言うのが億劫になるくらい何度も訊かれた。
質問している風でなくただの独り言に聞こえることもあったが、「種をとってきて蒔いて望みどおりの花が咲いたけど、ところでこれ何て花?」と思い続けているあたりが可笑しくもあり、こっちの気分次第でイラっとすることもあって、つまり、夏目父が「これ、何?」と言うのを聞いたときの自分の感情は、その時の精神状態を表しているのかもしれないと気づき、だから感情のままでなく、いつも同じトーンで「知らね」と答え続けた。
というのも。
一社会人として客観的に見ようが、家族として贔屓目に見ようが、経営者には全く向いていない夏目父が会社を続けるということには、あたしみたいなサラリーマンにはないジレンマやストレスが大いにあるハズで、だからせめて家では、そういうストレスを感じることなく好き勝手に暮らすべきだと思うから。




「あ、今日冷凍室にあったハーゲンダッツ、2個食べた」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



好 き 勝 手 し 過 ぎ な ん じ ゃ 、 ボ ケ !
(やっぱり鬼娘)




兎にも角にも。
例年通り、自分の会社の決算なんてものは気にも留めず、会社の金がいくらあろうと無かろうと意に介さず、好きなモンを食べ好きなことをし続けているうちに夏目父の会社の平成20年度決算が確定した。




お つ か れ ー 、 あ た し ! ! !



ああそうだ、夏目父。




DSのゲームソフト代は経費で落とせねえって、何回も言わせんな。






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 見事に落ちております!!


(4畳半の続きをお待ちの奇特な方はもう暫くお待ちください)



アメブロのインタビューでもちょっと触れたけれど、汚部屋を片付けていて、買ったまま開封すらしていない物を発掘することがちょくちょくあった。
服や雑貨やコスメグッズなど、新品未使用の物をゴミとして捨てるのは罪悪感との戦いだったが、でも、人よりだいぶ長い時間をかけ、胸に手を当てて考えた末にそれらを捨てたことはその後の生活に多大な影響を及ぼしている。
一番大きな変化は、本当に必要な物と本当に欲しいものしか買わなくなったということなのだが、本当に必要かどうかを見極めるのにやたら時間がかかってしまうので、最近は買い物をする時の自分が鬱陶しくてたまらない。
が、先日、イレギュラーな買い物をしなければならない事態が起こってしまった。



経緯はこうである。
愚痴る相手が口の悪い女の部下しかいない、という可哀想な上司と酒を呑んでいると、これまで30回は行ったであろうその居酒屋で嗅いだことのない香りが漂ってきた。
平日の夜で閉店時間が近いこともあり、あたし達以外の客は1人だけだったのだが、その香りを上司と二人で思いっきり吸い込み、声を揃えて「美味しそー」と言うと、店主ではなくその客があたし達を見やり、「飲みますか?」と声をかけてきた。
少し酔い始めていたあたし達は遠慮もなしに「はい!」と答えてご相伴にあずかり、美味しい美味しいと喜んで飲んでいたら、思いがけずそれを戴けることになった。






店に居た男性客はコーヒーの自家焙煎屋さんで、その居酒屋にランチ用のコーヒー豆を納めているとのこと。
そのコーヒーをご相伴にあずかったのだったが、家ではインスタントコーヒー、会社ではユニマット、外ならもっぱらドトールっス!なあたしにとってそれは、飲んでしまうのがもったいないくらいの美味しさだった。
家で美味しいコーヒーを飲みたくないわけではもちろんないのだが、何しろたくさん飲むくせに超モノグサなので、淹れるのもメンドウなら洗い物とゴミが増えるのもメンドウで、だからインスタントコーヒーばかり飲んでいる。
しかも。
瓶を傾けてマグカップにインスタントコーヒーを入れてお湯を注いだらかき混ぜることなくゴクリという、コーヒー屋さんにはとても言えないような飲み方だ。
そんなあたしが、美味しいコーヒーを戴いてしまった。





豆 で 。







コ ー ヒ ー ミ ル が な い の に 豆 で 。




(一瞬「このまま食ってみっか?」と思った俺。アラフォー、独身、彼氏ナシ)



コーヒー屋さんは、「豆は冷凍室で保存して、飲む都度挽くのが一番美味しいよ」と笑顔で言った。
「この味が気に入ってくれたなら(居酒屋の)ご主人に言ってくれればいくらでも持ってくるよ」とも。
更に聞けば居酒屋のご主人は、店で出すのとは別に賞味期限ギリギリのコーヒー豆をタダ同然の値段で譲り受けているらしい。

うー、それ魅力。

居酒屋のご主人曰く、「賞味期限ギリでも過ぎちゃっても、風味は落ちるけど充分美味しいよ」。

ううーん、それも魅力。



「しかもこの豆、有機栽培なんだって!」



・・・・・・・・・・ふむ。
(そそられないらしい)



という具合で。
味と値段には相当の魅力を感じたのだが、インスタントコーヒーにお湯を注いだ後、かき混ぜることすらメンドクセと思っているこのあたしが、コーヒーを飲む都度豆を挽いてドリップするなんてことができるのだろうか、いやできない。(反語フル表記)
でも。
改めて考えてみると、いや、改めて考えるまでもなく、あたしは大人になってからずっと、時間に余裕があろうとなかろうとプライベートのほぼ全てを手抜きして暮らしていたわけで、未だに万年床生活から抜け出せてないし雑な性格はこれからも変わらないだろうけれど、好きなコーヒーを淹れる時間をも楽しむような豊かさには憧れる。
よし。



か、か、か、か、買うか、買っちゃうか。
(己の決断に激しく動揺)




(当方、雀荘と釣具屋とヨドバシが好きな独身女です。どーぞよろしく。 ←何が)



買うことを決めるまでに丸3日、商品選定に丸1日。
煎りたてのコーヒー豆の風味が損なわれるのに充分な時間をかけ、でも、あたしにしては超高速で、コーヒーミルを調達した。

事前にネットで入念に(夏目基準)調べ、店舗の在庫をWebでチェックし、現物を見て決めようとヨドバシへ行ったのに、シルバー・白・茶・黄・赤の5色のどれにするかで2時間超も迷う自分はやっぱりだぶ鬱陶しかった。
で。
2時間かけて選んだ色は、やはりこれ。




(カーテン下部の引き攣りは、ベランダにきた雀に飛びかかろうとした)


(自堕落番長(猫)が爪を引っ掛けた跡。その後、閉まっていた窓に顔面激突)


(全部欲しい)



手動ではなく電動というのだけは決めていて、もっと安いものはたくさんあったけれど、もしデバイスタイルでミルを出していたならそれが欲しいとは思っていた。
まさか色で2時間迷うとは思ってもみなかったけれど、どの色も欲しかったからどの色を買っても後悔しなかったんじゃないかと、今は思っている。

早速コーヒー豆を挽いてみる。




(ドキドキ)



スイッチを入れ、聞き慣れないミル音におののきながら30秒経つと、会社で見慣れているレギュラーコーヒーが出来上がった。




(ちょっと感動。いや、ちょー感動)



次はドリップ!ドリップ!・・・・と調子に乗ったところで姪から電話がきた。

「はい」
「あ、夏目ちゃん」
「おうよ」
「あのね、今週のMステ、録ってちょーだい」

最近あたしは、頼まれたTV番組を録画して編集してDVD-Rに焼いて渡すという、姪専用録画マシーンと化している。
あたし自身が興味のないことは、たとえば「一緒にゲームしよう」とか「ケーキを作ってみたい」とかいう誘いはバッサリ斬り捨てる。
つまり、姪の誘いやお願いはほとんどバッサバッサ切り捨てる鬼叔母なのだが、あたしが興味のあることならばトコトン付き合うことにしている。

請けたからには、うっかり予約し忘れたりしたくない。
姪と電話で話しながら自分の部屋に行き、TVをつけた。
そういえば数ヶ月前からあたしの部屋のTVは、電源を入れて3分くらいしないと映像が出てこなくなっているので、それを待つ間、姪と雑談をする。

「夏目ちゃん、『 ROOKIES 』 、いつ観にいく?」
「6月中旬の週末」
「わかった」
「ハンカチ忘れないようにしないと」
「どうして?」
「泣く気満々だから」
「泣けるの?」
「知らないけど、ドラマは毎週泣いてた気ぃするから」
「チチ(夏目父)も一緒に行くんだよね?」
「ああ、行かないんじゃないかなあ。父、ドラマ見てなかったし」
「そうなの?」
「今いるけど訊いてみる?」
「うん!」

なんつう話をダラダラしているうちにTVがついたので、とりあえず録画予約を済ませた。

「予約完了」
「よろしくー」
「はい」
「あ!そうだ!夏目ちゃん!」
「ん?」
「今度の月9、山Pなんだよね!」 ←山Pが好きなわけではない姪。小学6年生。
「おお!」 ←山Pが出るドラマは概ね好きな叔母。アラフォー、独身、彼氏ナシ。
「で、チチ(夏目父)は行くって?」 ←叔母の好きな話を振るも長話はできない仕様
「あ、訊いてみる」

受話器を耳に当てたまま部屋を出ると、廊下にはコーヒーのいい香りが漂っていた。
料理をしない我が家に漂う美味しい香りはごはんの炊き上がる匂いくらいで、だから、コーヒーを挽いた香りはとても新鮮だった。
・・・・ん?



コーヒーを「挽いた」香りか?これ。



いやーなムード漂うリビングのドアを開けた。
するとそこには案の定、湯気の立ったマグカップを口元に運ぶ夏目父の姿があった。
そしてキッチンのシンクには、同じく湯気の立ったドリッパーが置いてあった。



飲 み や が っ た な 、 オ ヤ ジ 。
(註:良い子は親にこんな言葉を吐いてはいけません)



「・・・・父は 『 ROOKIES 』 観に行かない」
「え。どーして?ドラマ観てなかったから?」
「いや」
「じゃあどーして?」



「 今 か ら 親 子 喧 嘩 が 始 ま る か ら 」



「え゛」
「また後で電話する」
「け、け、喧嘩が終わったら?」
「おう」
「あ、あ、あんまり喧嘩しないでね」
「おうよ」

そう言って電話を切ったものの、あたしの声が聞こえているハズの夏目父はこっちを見もせず、小指を立てそうなくらいゆったりとコーヒーを飲んでいる。
静かに深呼吸をした。
気持ちを落ち着けて、感情的にならず、あくまで冷静に。



「あの」
「このコーヒー、美味しいよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「コーヒーミルもいいもんだねえ。なんかここんとこ、アレでもないコレはどうだって迷ってたみたいだけど、買って良かったじゃない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「そういえば最近はヨドバシに行っても、絶対使わないようなモン買ってこなくなったんじゃない?でもひとついいかな」
「あ゛?」
「コレの売り場とパソコン売り場って、離れてる?」
「別の階」
「ふーん」
「なに」
「パソコン買うの?」
「買わねーけど」
「ふーん」
「だから何」
「せっかく吟味してコーヒーミル選んで、いつもみたいに余計なモンは買わなかったのに」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」 ←話の先がようやく見えた
「なんでこういうモン持ってきちゃうかねえ」






(カタログ2種。大人の事情対策済)





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





き 、 綺 麗 だ っ た か ら で す が 何 か 。



こういうことを改めて親に突っ込まれるとかなり恥ずかしいと気づいたあたしはコーヒーの文句を言う気が失せてしまい、いつも通り、横取りしたモン勝ちのままで話は終わってしまった。
が、それから数日経ったある日のこと、まるでそれが納豆か缶ビールかみたいな調子で言った。



「 今度ヨドバシ行ったら、山Pのdynabook買ってきて 」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
つうわけで、姪よ。



『 ROOKIES 』 は二人で観るぞ。
(決定)


お正月まで前じゃないけど、2月にはもうここにあった気がする。
つうことは、4ヶ月近くか。
こうやってぼーっと暮らしているうちにどんどん歳くって萎れて枯れていくのね、俺。






(タイツを4ヶ月干し続ける女。アラフォー、独身、彼氏ナシ)




(外してみた)





あ れ ・ ・ ・ ・ ?






(女友達からの誕生日プレゼント)




(毎日ウエストや腹回りを測っては、その都度見なかったことにしている)




(今日は腹回りではなく股下を測ります)











す げ ー 伸 び て る し 。
(捨てました。タイツも。女も)



なんてことは未だ日常茶飯事で、「片付けられる女」にも「片付け好きな女」にも成れていないダメ人間のインタビューが、超有名ブロガーにこっそり混じり掲載されています。






11回目までは超ウルトラ有名ペットブログや絵日記ブログが続いているので、そこにあたしが入っちゃあ明らかに場違いなカンジなんですが、気後れせず、ここのコメント返し並みのまったり感で答えております。
つうわけで、是非ちょろっと覗いてみてくださいませ。



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 一方的に好意を抱いているブログが久しぶりに更新されテンション上がりまくり中。


(熱く語っていますが、全くもってどうでもいい話です)




「やっと巡りあえた。しかもパーフェクト。俺、今すげー幸せ」
「・・・・うちに息子はいないハズだが」
「すげー幸せ」
「うちの娘の言葉遣いの悪さは一生直らないのかね」
「すげく幸せ」
「・・・・何語よ、それ」
「とても幸せです」
「お前の幸せはいつでも安いねえ」
「お金の問題じゃないんです」
「ふーん」
「人生に光が射したっつうか、道がぶわーっと開けたっつうか」
「これまでの人生、どれだけ暗かったのさ・・・・」
「お父様、ここまで育ててくれてありがとうございます」
「・・・・このタイミングで感謝される意味が判りません」
「あたしも判りません」
「そんなに喜んでる意味も判んないけど」
「だってマジでパーフェクトなんだもん。これであたしのストレスの9割はなくなるよ」
「・・・・大したストレスもなく生きていらっしゃるようで」
「地球に生まれて良かったよ、俺」
「織田裕二か」
「ううん、山本高広」



・・・・と、夏目父には全く理解して貰えなかったし他の誰にも理解して貰えない可能性大だが、それでもあたしは今とても幸せだ。
だって、長年思い描いていたものをようやく手にできたのだから。
具体的には。



理想の不織布ケースを見つけたのだから。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



えーっと、誰からも理解されなさそうだが気にせず話を進めよう。



テレビ番組を闇雲に、ほんとうに闇雲に録画している。
国内ドラマとドキュメンタリーとトーク番組は必ずといっていいほど録っていて、ざっと見たらハードディスクから消せ・・・・ればいいのだけれど、 ちょっとでも興味を惹く何かがあると繰り返して見る習慣があるためなかなか消せない。
なので当然600GBのハードディスクでも全然足りず、すぐに残量がヤバくなるため、 それはもう日常的に録画した番組を編集してはDVD-Rに焼いている。

(東芝機以外は受け付けない身体になっちまいました)

問題は、日々増え続けるDVD-Rの整理方法なのだが、増える速度と自分の性格を鑑みて行き着いたのは、「極力手間を省く」ということだった。

まず。
「後で」「時間が出来たら印刷しよ」と思っているうちに、中に何が入っているかわからないディスクが溜まることが目に見えていたから、ディスクにタイトルを印刷するのは早々に諦め、上司から「象形文字」と呼ばれているヘタ字でタイトルを手書きしている。
ディスクは、最も嵩張らないであろう不織布のケースに入れる。
しかも、世間的に便利とされている両面収納のケースを使ってしまうと、裏面にディスクを入れたかどうかを何度も確かめてしまい、そんな自分が鬱陶しくなるから、



ハナから片面収納のを買っている。



その不織布ケースにインデックスカードがついていたところで、マメには書かないだろうし、



専用ファイルに綴じることだってメンドウになるのだろうから、ファイリング用の穴も不要。



自分の性格そっちのけでDVD-R収納の理想系を語ってみると、
「レーベルは勿論印刷したいし、インデックス付きのディスクケースに入れて好きなフォントで見出しもつけたい。それらを綴じたファイルの背表紙には中身が容易に判るタイトルを美しく印字したいし、ファイル選びにもとことん時間をかけたい」
・・・・ということになるのだが、3日に1枚とか、5日で30枚とか増えるディスクをその都度丁寧に整理するなんつうステキなことが、あたしに出来るわけがない。
が、「頓挫する可能性が高いからトライしない」という、一見後ろ向きな選択を、前向きな気持ちで決断できるようになった今、理想系を実現できないことに全く後悔はない。
つうわけで、今はひじょーに手を抜いた形で収納している。






が、この不織布ケースがどーも頂けない。
使い始めた瞬間は問題ないのだが、ほんの少しでもいじるとすぐに角がヨレてきて、扱いづらいったらない。






こういう物なのだと思ってしまえば諦めもつくのだが、だいぶ前、CDやDVDをプレスする会社の仕事をしたことがあり、そこでもっとシャキっとした不織布ケースを見てしまったものだから、どうしても、自分が使っているののショボさが気になってしまうのだ。
だから、DVDを焼くようになってずっとあたしは、「シャキっとした不織布ケース」を探し続ける不織布難民だった。
「厚手(当社比)」という言葉に惹かれて買っては、「これが厚手なら御社の一般品はどんだけ薄いのさ!」と心の中で毒づいたことは数知れず。
シャキっとした不織布ケースを諦めようと、100均あたりで買ったものを使っていたこともあるのだが、






開封してみると想像していたより更に薄く、結局1枚も使えなかった。




(お久しぶりです)



・・・・という具合に、不織布への恨みつらみを語り始めると尽きないあたしが、このたびようやく、本当にようやく、具体的には5年半ほど求め続けた理想の不織布を入手した。






商品説明に偽りなく「非常にしっかりした作り」で、ディスクを入れるとすぐに角が反り始める汎用品とは全くの別物。




(裏面。左が汎用品。早くもうっすら反りが始まっている)


(表面。左が汎用品。フィルムも厚い)



100均で買えば1枚1円、普通に買っても2〜4円だろうから、今回買ったケースは少し高め。
でもいいの。
値段なんか関係ないの。
金の問題ではないのだよ、夏目父。
だって見てくれ、このスッキリ感。(夏目基準)










見る人から見れば、というか、大半の人は「何を大げさな」と思うのかもしれないけれど、でも、DVDを焼き終わるたびに気にかかっていたことが解消され、今あたしはかなり幸せだ。



「まあでも、ほんとに欲しいモンなら値段は関係ないってのは判るよ」
「うん」
「高いモンを安く買えるのは嬉しいけど、だからって安けりゃ何でもいいってわけじゃないしね」
「そそそ」
「俺の場合、納豆がそれかなあ」
「・・・・その話、よく自分から振れるね」
「もっと安いの売ってんの知ってるけど、いつものじゃないと満足しないし」
「あるだけ食わないと満足しないのは何でだろうね」
「高いのを美味いと思うとは限らないし」
「・・・・娘の素朴な疑問はスルーかよ」
「金の問題じゃないかもなあ」
「あたしにとって納豆は金の問題だがな」
「で、キミは今、理想の不織布を手に入れて幸せだと」
「うん」
「他に何か、今むしょー欲しいモンはないの?」
「・・・・?思いつかないけど」
「ふうん」
「なに?」
「いやいや。じゃあ、物欲のない娘に代わって」
「ん?」
「日本の景気回復のために俺が」
「あ?」





「2人分の定額給付金を使ってあげることにしましょう」








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
世帯分まとめてひとつの口座に振り込まれるって知った時点で、諦めてるっつうの。
どーぞどーぞ、あたしの分もお使い下さいな。
なんでも好きなモン買ったらいいじゃないの。



すっかり脱力したあたしが、「いつも買ってる納豆なら153個買えるよ」と言うと、夏目父は意外そうな表情であたしを見て、仰天発言をした。





「納豆?なんで俺が買わないといけないの」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





て め え が 食 う た め で す 。




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 あざーす!!!!!