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片付けられない女魂     Amazon
(扶桑社 / 全503頁 / 書き下ろしアリ)

あ!
ゴミ、捨て忘れちゃった!
あたしの部屋から出たゴミは捨てたのに、生ゴミを入れたゴミ袋を玄関に置きっぱなしにしてきちゃった!
写真だけ撮ってそのままにしてきちゃった!(本末転倒)




次の燃えるゴミは木曜日だから生ゴミだけは捨てておきたかった。
しかも、置いてきたのは玄関。
家に入った途端、生ゴミの臭いがぷぅ~んとしちゃうだろうなあ。
しかも、その臭いの向こう側にあるのがあたしの汚部屋だなんて・・・・・・想像しただけで家に帰る気が失せる。
いやいや、待てよ。
これはあたしだけの問題じゃないぞ?

夏目父の仕事関係の人が来るじゃないかー!
こ、こ、これはマズい・・・・。
ひじょーにマズい。

あ!でも!
ウチのマンションにゴミ収集車が来るのは、午後1時以降だ!
よし!まだ間に合う!



というわけで、本日午前10時。
まだ寝ている可能性大の夏目父に電話した。




娘 「もしもし?」
父 「どうした?」
娘 「あのね、今朝、ゴミを捨て忘れちゃったの」
父 「へー
娘 「でね、悪いんだけど玄関にあるから捨てといてくれないかなあ?」
父 「まだ間に合うの?」
娘 「うん。1時までにコンテナに入れれば平気」
父 「ふうん・・・・
娘 「・・・・・・・・コンテナの場所、わかるよね?」
父 「わかるけど」
娘 「・・・・・・・・け、けど?」




ここまであたしは何一つ、無茶言ってないと思うの。
なのに、ウチのオッサンときたら案の定言いやがった。




「 メ ン ド ク サ イ よ 」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
そのメンドクサイことを、週に4回あたしがやってるんですがね?」なんて言っちゃダメだ。
ここはひとまず冷静に。
あくまで冷静に。




娘 「でも人が来るよね?」
父 「あぁ」
娘 「だから捨てないといけなかったのに忘れちゃった。ごめんね」
父 「いいよいいよ」




え?
「いいよいいよ」・・・・・・・・・・?
ぉ?
やってくれるのか!とーちゃん?







「 いいよいいよ。どこかによけておくからいいよ 」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
それがイヤだからわざわざ電話して頼んでんだろーが」なんてコトも言っちゃいけないいけない。
れ、れ、冷静に。




娘 「よけないで捨ててちょーだいよ」
父 「だって」
娘 「う、うん」







「 雨 降 っ て る ん だ も ん 」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
だから何だ」と言ってやりたいが、ぐっと我慢。




娘 「コンテナまでは、濡れないで行けるよ」
父 「うーん」
娘 「傘ナシでだいじょうぶだよ」
父 「ちゃんとどこかによけておくから」
娘 「どこかってどこ?」
父 「んとね」
娘 「う、うん」




「 キ ミ の 部 屋 と か 」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
いくらゴミ箱みたいな部屋だからってそれはねーだろ、オッサン」とか、「あたしの部屋に入れたら、この先一生おとーさんと一緒に寝るからね☆」とか、言ってやりたい言葉がどんどん浮かんでくる。
でも、ぐっと、ぐっっっと我慢。


ただ、これ以上がんばるのはやめた。
捨ててもらえなくていいや。
ベランダにでも出してて貰えばいいや。




娘 「あはは。あたしの部屋に入れないでよー。第一、置くとこないからね」
父 「ないの?」
娘 「うん。ないよ」
父 「ふうん。じゃあテキトーに場所探して置いとくー」
娘 「ベランダにしてよね」
父 「ベランダ?寒いよ
娘 「だいじょうぶ!キミならできる!キミはやれば出来る子です!」
父 「ははは。まあテキトーにどこかによけておくから安心して
娘 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃあね」





・・・・・ほっ、これで一安心♪
って。












安 心 で き る か ー ー ー ー ー ー っ !











捨てて貰えなかったことに対する失望感は大いにあるものの、でもそれは「ふっ・・・・。やっぱりダメだったか・・・・」という程度のもので、「どうして捨ててくれないの!」とは思わないし、書いてる文字の強さ程は腹も立っていない。
長年夏目父の娘をやっているんだもの、この程度の事態を予測するのは容易い。





仕方ないや。
忘れたあたしが悪いんだもの。
それよりも。
とーちゃん、ちゃんとベランダに出してくれるかなあ。
玄関に置いたままにしてないといいなあ。
まさか、いくらなんでもあたしの部屋には入れないよね。




ふふふっ。




とーちゃん、あたしの部屋が片付いてたら入れそう。ふふふっ。
部屋のドアを開けてすぐのところに置いたりしそう。ふふふふっ。
とーちゃんならやる。
ウチのとーちゃんはそういう人だもん。ふふふふふっ。


良かったー。
あたしの部屋が、ゴミ袋を置くスペースもない汚部屋で良かったー。









(あれ?なんか丁度よくね?)

























(想像図。Winのペイントを使ってマウスで描いてみました)












家 に 帰 る の 、 超 こ え ー ー ー ー 。


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