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片付けられない女魂     Amazon
(扶桑社 / 全503頁 / 書き下ろしアリ)

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昨日のことだ。
15時ジャスト。
15時半から始めるハズの打合せが18時開始にずれたため、外出中にぽこっと暇な時間ができてしまった。
朝から「最悪の場合」として予想はしていたものの、いざそれが現実になってしまうとやっぱりテンションが下がる。
「やっぱズレちゃいました」と上司に連絡を入れると、あたしの心情を察した上司が優しい言葉をかけてくれた。


「まあまあ気を落とさずに。映画でも観て、時間潰しときなよ」


不本意ながら出来てしまった空き時間を「私用でつかっていいよ」ということらしい。
嬉しいけど、映画は無理。
ケータイが鳴ったら困るもの。



・・・・・・・・・・・・・・あ。



時計を見ながら脳内シミュレーションを開始する。
あと3時間か。
30分前には戻ってきていたいから、空いてる時間は2時間半。
現在地から家を経由して目的地まで行くには片道40分・・・・いや、師走の道は混んでいるから、渋滞の時間も考慮して50分とみておこう。
往復100分とすると、作業できる時間は50分。
スーツ姿でするわけにはいかないから、着替えと化粧直しの時間も入れると、作業できる時間は40分程度か・・・・。
あそこは確か16時半までやってるハズ。
家に戻って作業して車を飛ばし、16時半までに着けばいいってことだから・・・・。



「いけるかも」と思った。



私的な用事でこんなキツキツのスケジュールを立てたところで、普段なら絶対こなせない。
でも、仕事と仕事の合間に出来た時間でならできそうじゃね?
なんかこの、仕事モードがONの状態ならできそうじゃね?

上司と、連絡が取れる場所にいることを約束し電話を切った。



よし・・・・。
やるぞ!






あたしがしたかったのは、粗大ゴミの自己搬入。
4畳半の部屋にある粗大ゴミはまとめて一気に捨てようと思っていたのだが、如何せん、部屋が狭すぎてよけておくスペースがないため、デカくて邪魔な複数のゴミが、元々重いあたしのフットワークを更に重くしていたのだった。



脳内シミュレーションが済んだら後は行動あるのみ。
こういうキツキツスケジュールはスタートダッシュが大事だ。
というわけで。
ソッコーで家に戻り、作業を開始した。



粗大ゴミはこれからもたくさん出る予定だけど、とりあえず今回捨てるのは、あたしの車に積めるものに限られた。

まずは。




ゴルフバック。
中にはゴルフクラブがぎっしり詰まっている。
詰め切れなかったクラブ6本と合わせて、収集を依頼をした場合の処理手数料は400円。

それと、




ヘラブナ用の釣り竿。
多分10本くらい。
収集を依頼をした場合の処理手数料は400円。

次は





coors 』 の、なんか、デカい室内装飾品。
バーなどで見かける、

 

こーゆーののゴツイ版で、電源を入れるとロゴとその両脇の山が光る。
収集を依頼をした場合の処理手数料は800円。



収集を依頼した場合、これら3つを捨てるだけで1,600円かかるわけだ。


ちなみに。
これらはあたしの物ではない。
夏目父の物でもない。
大昔、やんごとなき事情で人から預かった物なのだが、預かって1年程経った頃にあっさり「捨ててくれ」と言われ、なのに、捨てずに10年も置いておいちゃったシロモノ。
その頃ならまだ粗大ゴミの処分は無料だったから、処分料1,600円は発生しなかった。
・・・・ということに気づいてしまうと、1,600円がとてつもなく高く思える。
でも、自己搬入なら1,000円で済むのだ。(我が街の場合)
これらを処分する時に一緒に自分のモノを捨ててしまえば、心の奥にうっすらある自己嫌悪も消えそうな気がした。


そうとなれば、次は自分の物。




まずは、カエルがかけていた布団。
敷布団と掛布団、各1枚。
他に、使わなくなったスキー板とストック、スノーボードも捨てることに。


それからそれから、布団と同じくらい邪魔だったコレも捨てよう。




あまりに汚いので撮影はしなかったが、コレは折り畳んだビーチベッド2台。

 ←こういうの

アホみたいに肌を焼いていた頃、あたしは週末になると必ず、コレとサンオイルを持って海へ出かけていた。
そんな青春の1ページが、海の砂と、当時付き合っていた優柔不断男との思い出と一緒にビニール袋に入れられている。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



今 す ぐ 燃 や し た い 。




火柱が上がるくらい勢いよく燃やしたい。



よし。
砂付きのビーチベッドは思い出と一緒にポイだ、ポイ。
これを捨てればあたしの男運もきっと・・・・。
ぐふぐふぐふー。



4畳半にあるものは今日のところはこのくらいにしておこう。
さあさあ、次は8畳間だ。
・・・・・といっても、この時すでに作業開始から30分経過していた。
何せ我が家は、エレベーターのないマンションの4階。
ゴミを持ち、階段で1階まで降り、駐車場に停めてある車にそれを積んでまた4階まで階段を上がるという作業はかなり時間がかかる上に、体力を消耗する。

時間がない。
体力もなくなってきた。
車にはまだちょっと余裕があるけれど、今日のところはあとひとつでやめておこう。


最後のひとつはコレと決めていた。
パソコンデスクの下にあり、ながーいことあたしにつま先で蹴られ続けていた役立たずクン。






IBMのドットプリンター。
学生時代、帰省中にアルバイトしていた会社の社長が、「お給料の代わりです」という手紙と共に我が家の玄関先に置いていったという、曰く因縁のある代物で、ガタイはデカくてやたら重いくせにはなから壊れていたという、思い出しただけで鼻の奥がツーンとしちゃうようなエピソード付きのプリンターである。
こういう、厄がついていそうな物を捨てずにいるから、部屋で精気がなくなるのかもしれないなあ、なんてことを考えながら、腰に注意しつつプリンターを引っ張り出した。



・・・・・・・・・・お?






この部屋で2匹目となる、彼女発見!



警告!

この下に虫画像があります。

今回はモザイク処理を施しましたが、
虫が苦手な方は読まないが吉です。















ペ タ っ ☆
















(クリックすると、虫アップ画像になります)













あたしね、キミに構っていられないくらい、すげー忙しいの。














プ チ っ ☆

















さて!
この重ぉーーーーいプリンターを車まで運ぶぞ!
リビングでまた猫を追いかけてるっぽい夏目父など当てせずっ、一人で運ぶぞぉー!

気合いを入れ、持ち上げ易いようにプリンターの向きを変えた。
すると。
何やら注意書きが目に入った。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
こ、こ、こんな忌まわしいプリンターの言うことなんか、きいてやるもんかっ。
腰に注意を払い持ち上げてみる。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・う゛っ・・・・ぐっ・・・・。



体感重量、40キロ。



全身の筋肉という筋肉がプルプルしまくったけど、それでもなんとかコケずに1階まで辿り着き、無事、車に積み込み完了!






この時点で作業開始からジャスト40分!
よし。ここまでは順調だ!
あとはごみ処理工場まで車を飛ばすだけだ!



師走の市街地は案の定、どこもかしこも渋滞していたのだが、なんとか、予測していた時間内に工場の煙突が見えるところまで辿り着いた。
受付終了時間まであと10分。
ギリギリセーフだな。



・・・・・・・・と思ったのもつかの間だった。





・・・・・・・・・・・・・・あ、あれ?
ここ、さっきも通らなかったっけ・・・・?
っていうかあたし。




も し か し て 道 に 迷 っ て る ! ?



(つづく)

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