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片付けられない女魂     Amazon
(扶桑社 / 全503頁 / 書き下ろしアリ)

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あ た し 、 も し か し て 道 に 迷 っ て る ! ?



あたしはどうしてもゴミ処理工場の入り口を探せなかった。
右手に見える煙突を目指して国道から脇道に入り、ゴミ処理工場の敷地に沿って続く道なりに車を走らせていたのだが、煙突のすぐ傍まで行っても、どうしても敷地に入る入り口が見つけられない。
ここにないならもっと先かと思い煙突を通り過ぎてみるも、すると、それまで敷地に沿って続いていた道は緩やかに右へカーブを描き始め、左手にあるゴミ処理工場からどんどん離れてしまう。
それでもまだ先に進むと、どういうことか、元いた場所に戻ってしまうのだった。

今改めて考えると、「入り口がねぇんだからそこの道から入るんじゃねえんだろーが」と思えるのだが、その時は何か、狐につままれたような、狸にバカされたような感覚しかなかった。


残された時間はあと10分。
同じ道を3回も通り、ようやく自分が道に迷ってることを自覚したあたしは、またもや脳内シミュレーションを開始した。


今日は自己搬入を諦めるとして(即断)、今度はいつ、平日の昼間に時間が取れるんだ?
今月はまず無理でしょ。
あたしが年末の休みに入った頃にはゴミ処理工場だってお休みだろうし。
となると1月か。
年始の挨拶回りが終わった頃に休みを取って・・・・って、ダメだ。
1月はアレとかアレとか、いっぱい仕事があんじゃん。
4週目までは無理だよなあ。
・・・・え゛。
1ヶ月半も先?



とりあえず国道に戻り、来たのとは反対方向に進みながら脳内シミュレーションを続ける。



いやいや待てよ。
自己搬入自体を諦めてみてはどうだろ?
費用は嵩むけど、普通に収集依頼をするってのはどうだ?
となると、だ。
問題は、ウチのあたりの次の収集日はいつなんだ?ってことだな。
2週に1回で金曜日だったハズだけど、今週か?それとも来週か?
今週だとすると、ひぃーふぅーみぃー・・・・って3晩かあ。
でもそれが来週だとすると、10日間、車にゴミ積んどかなきゃいけない??
んーーーーー。
まあ、ゴミにデカいシートか風呂敷でもかけて、外からゴミが見えないようにすれば何とかしのげるか・・・・・。



脳内シミュレーション、終了。
結論。
自己搬入は諦めて収集依頼をする、と。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
がんばったのになあ。
ここまでは順調だったのになあ。
でも。
よく考えたらあたし、あのゴミ処理工場の場所、はっきりとは知らないんだよなあ。
急に思い立ったから調べる暇もなかったし。
でも、こっちの方に来る時にしょっちゅうあの大きな煙突を見てたから、「来てみりゃ判るだろ」って高を括ってたんだよ。



と、脳内ボヤキが始まった時、車の流れが止まった。
渋滞なのかと思ったが、対向車線を走る車がいないということは、この先に信号があるのかもしれない。
でもあたしの位置からは、前に何台も大きな車が連なっているせいで、信号があるのかどうか、確認できなかった。



脳内ボヤキは続く。



っていうか、ゴミ処理工場って広いんだろうなあ。
きっと東京ドーム50個分くらいあるんだよ。
いや、100個分くらいかも。
そんなんじゃ、なるほど、入り口が判んないのもしょうがないか。
きっとあたし、入り口と反対側にいるんだ。
東京ドーム1,000個分あるゴミ処理工場の敷地を挟んで、入り口の反対側にいるんだ。
遠いよなあ。
東京ドーム10,000個分だもん。
反対側じゃ遠いよ。



車が流れ出した。
家に戻ることを決めたあたしは、脳内でボヤいていたせいで車線変更をしていなかったことに気づいた。
ウィンカーを右へ出し、サイドミラーで後方の車を確認する。
・・・・と、後方にも大きな車が何台も連なっているのが見えた。
しかもその大きな車たちは、二車線あるうちの左側、あたしがいる車線にだけ連なっている。
反対側のサイドミラーを見てみると、それらの車が一斉に、左にウィンカーを出しているのが見てとれた。



みんな、この信号を左に曲がるんだねー。



そんなことを呑気に考え、



つうかこの車たち、みんなでどこかに行くのかな?



まで考えた時、よーーーーーーーーやく気がついた。






あたしの周りにいる「大きい車」がゴミ収集車だということに、この時よぉーーーーやく気がついたのだった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おせーよ。




その後はゴミ収集車を尾行して、受付時間締め切り2分前、無事、ゴミ処理工場に滑り込むことが出来た。






間に合ったことに安堵して順番待ちをしている間、猛烈な睡魔が襲ってきたことは内緒だ。



車の重量を計ってもらい1,000円を払い、係の人に指示された通り順路を進み、いよいよゴミを捨てる場所に到着した。
係の人に誘導されて車を停め、車を降りトランクを開けた。



捨ーてーるーぞーーーーーーーーーー!



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
が、腕まくりをしたあたしの動きを、係の人が遮った。



「いいからいいから。おねえさん、そんな重いもん持てないでしょ」



・・・・はい?
今なんと?
なんとおっしゃったの?
あたし、部屋は片付けられないけど、重いもんは持てますよ?





22キロのプリンターもひとりで持てますよ?





と言う間もなく、あたしの車から埃をかぶった粗大ゴミがどんどん降ろされ、人の手によって丁寧に分別されていく。
唯一、分別などされず、ゴミの山に放り投げられたのはコレ。




(払って貰えなかったアルバイト代は16万円。一生忘れられねー)



ふっふっふっふ。
これがなくなればいよいよあたしの男運も・・・・。
ぐふぐふぐふ。




こうして、粗大ゴミの自己搬入はどーにかこーにか終了し、その後無事、仕事に戻ることができた。





帰宅後も、夕方の自分を思い出してニンマリしてしまう。

がんばったなあ。(にんまり)
でもやっぱり、仕事と仕事の合間だったから出来たんだろうなあ。(にんまり)
たとえ平日丸一日休みをとっても、やらなかっただろうなあ。(にんまり)
がんばったなあ・・・・。(しみじみ)



そして更にニンマリすべく、8割方片付いた気になっている4畳半を覗きにいってみた。
ちなみに。
この日、片付けに着手する前の様子はこれ。




(どう見てもゴミ屋敷です)



そして。
粗大ゴミを捨てた後の4畳半はこれ。















(絨毯出現)




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




い 、 い 、 1 割 に 訂 正 。



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 ゴールは遠く道のりは険しいですが、どうか長ぁーい目で見守ってやってください!