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単行本 『 片付けられない女魂 』 は、Amazonマーケットプレイスで購入できます。
片付けられない女魂     Amazon
(扶桑社 / 全503頁 / 書き下ろしアリ)

携帯の方はこちらからどうぞ。でも長文です。




両親が本を読んでいる姿を見て育った。
母親は、アルバイトをして貯めたお金を握り締め走って買いに行ったという、新潮社の『世界文学全集』(全50巻)を何度も何度も繰り返し読んでいた。
その中でも特に『 レ・ミゼラブル 』が好きで、読み終わるたびに決まって、「何回読んでも飽きないんだよね」と言っていた。









(定価は1冊290円)



夏目父は雑読で、山岡荘八の『 徳川家康 』を大人買いしてきたかと思えば、次は本棚の奥にあるサリンジャーやエンデを引っ張り出して読み耽り、



次は何だ?と見ていると、



ガクやチロを見て号泣していたりする。

動物モノに特別弱いというわけではない。
何しろ夏目父は、映画 『 ハンニバル 』のクライマックスシーンでも号泣するのだ。
つまり、弱いのは「動物モノ」ではなく、「涙腺」もしくは「オツム」ということになる。




(映画館で涙する夏目父が、ある意味レクター博士より怖かった)



そんな両親を見て育ったあたしは、夏目父に輪をかけた超雑読で、しかも、収納を全く気にしていないもんだから、ピンとくればポンと本を買ってしまうし、ピンとこなくても買ってしまうし、時には表紙に一目惚れしてコミックを大人買いしたりもする。
人から本を貰うことも多い。
でも、片付けも捨ても収納もしないもんだから、本は部屋中のいたるところに溜まる一方で、「これじゃ本棚を買っても収まりきらないよなあ。なんとかしないとなあ」と、片付け始めた当初からぼんやり思っていた。
で。
これまたぼんやりと、「売りたいなあ」とも思っていた。
状態の悪い本は捨てるのも惜しくないが、状態がいいにも関わらずこれから先もずっと読まないであろう本は、「売りたいなあ」と思っていた。
「ヤフオクかな。でもヤフオクじゃ出品するのがメンドウだからアマゾンかな。売れたらー、ひつじ屋さんみたいに、『売れました。アマゾン編』っていうタイトルで記事を書きたいなあ」と、ぼんやり思っていた。



自 分 の 性 格 そ っ ち の け で 。



モノグサで大雑把で腰の重いあたしが1冊ずつ本を売るなんて無理だ、と気づいたのは、片付け始めて半年も経ってからだった。
具体的には、先週の木曜日あたりだった。
・・・・遅いっつーの。遅すぎるっつーの。

さて。
ヤフオクもアマゾンも無理だ!と見切りをつけることができたので、 イーブックオフの 『 らくらく買い取り 』を利用してみることにした。
コミックや文庫や単行本30冊以上をダンボールにまとめ、ネットで買い取り申し込みをすれば、家までクロネコヤマトのお兄ちゃんが引き取りに来てくれるというところがイイ。
自分で宅急便取扱店に持ち込む、「コンビニコース」もあるらしいが、何せ我が家はエレベーターのないマンションの4階。
粗大ゴミの時みたいにのように、4階から1階の駐車場まで、全身の筋肉をプルプルさせながら、本が入ったダンボール箱を運ぶだなんて、考えただけで気が遠くなる。
そりゃあ引き取りに来てもらったほうがいいだろう。
それに。
ウチに来る、クロネコヤマトのお兄ちゃん。



ち ょ っ と か っ ち ょ イ イ し 。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
こ、この不埒な動機が良くなかったのか、あたしの決断の先には意外な落とし穴が待っていたのだが、それに気付くのは随分後になる。




さて。
決断したらあとは行動あるのみ!






魔境付近に積み上げていた、片付けている最中に発掘した「手放す本」をせっせとダンボールに詰めて行こう。

まずはコミック。






永遠の野原 』は今でも大好きだけど、人に貸した1巻~6巻までが返ってこなかったため、読み返すたびに、「あれ。この2人ってどうやって出会ったんだっけ?」と、軽くフラストレーションが溜まる代物。
1巻~6巻までを再び買ってしまう前に、7巻~14巻までを処分しよう。






これにいたっては、買った記憶もなけりゃ読んだ記憶もない。
ということは、嫁にいった姉のモノである可能性が高いのだが、多分本人も存在を忘れていただろうから、そぉーっと処分処分。


次は語学モノ。




(ところで香取慎吾って、ベラベラになったんだろうか)



何事にも熱しやすい女友達が「英会話熱が冷めたから」という理由であたしに送りつけてきた物だけど、こっちは冷める以前に熱してもいないわけで、一度も見ないまま処分することに。
ちなみにこの女友達。
英会話熱が引いた直後、韓国語熱が上がったのだが。






(それにしても、どーしてあたしに寄越す)






これもすぐ冷めたらしい。





他にも、自分で買った文庫や単行本や、





(二度と再び読み返さない自信がある)



知人から、「近い将来、絶対役に立つから」と断言され、「よぉーぅし。その時になったらガッツリ読むぞー!」と息巻いて譲り受けたはいいが、






それから10年も経つのにその時が来ないどころか、この10年間で「その時」が来る気配すらもなかったので、結局一度も開くことのなかった法律本など、計30冊をダンボールに詰め、隙間に丸めた新聞紙を入れた。




ポケットティッシュを詰めてやろうかと思ったけど我慢した)



これでよし!と。



本を詰め終えた昨日の夕方、いよいよパソコンに向かい、イーブックオフで買取依頼の手続きを始める。


集荷方法は「ご自宅コース(ご自宅まで集荷)」を選んでー、集荷希望日は明日にしてー、集荷時間帯はー、えーっとぉー、うぅーんとぉー。

 ・時間指定なし
 ・午前中
 ・12:00~14:00
 ・14:00~16:00
 ・16:00~18:00
 ・18:00~21:00

ううーん。
平日はどの時間帯も無理そうだなぁ。
休みの日なら居るにはいるけど、でもなぁ。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
とっ、とっ、とっ、とーちゃんに頼んでみるか・・・・。




嫌な予感はあったものの、リビングへ行き、ソファーの肘掛に頭を乗せ、腹の上に猫を乗せ、あたしのCDを聴きながらあたしの本を読んでいる夏目父に声をかけた。



(合わない)



「お願いがあります」 ←こういう時だけ「ですます」調
きけるお願いときけないお願い、どちらのお願いでしょうか?」 ←同


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
なんかもう、この一言を聞いただけで疲労感が襲ってきたけれど、ミラクルを期待して話を続ける。


「・・・・カンタンなことです」
「それは俺にとってもカンタンなこと?」
「・・・・・・・・う、うん」
「はい。何でしょーか」


・・・・ぉ。
一応、話だけは聞いてくれるようだ。

宅急便の人が荷物を引き取りにきたら玄関のドアを開けて荷物を渡す。

日中ずっと家にいる夏目父にして欲しいことはこれだけだ。
「きけないお願い」ではないハズだ。
普通の人ならば。




しかし夏目父は、あたしの話を聞くと、案の定 ゴ ネ 始 め や が っ た 。




「で、その、重い荷物はどこに置いていくの?」
「玄関」
「ふうん」
「・・・・・・・・・・」
「重いんでしょ?」
「ま、まあね」
「それ、玄関の外に置いてちゃダメなのかな?
「じゃ、じゃあ、玄関の外に置いとくから。ピンポンが鳴ったら出てくれるだけでいいよ」
「出なくちゃいけないんだ?」
「送り状の控え、受け取らなくちゃいけないでしょ」
新聞受けに入れてくれればいいのにね
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



つまり夏目父は、重い荷物をほんの1メートル移動させるのがイヤなだけじゃなく、玄関先に出ることすらイヤなのだ。

「どーして?」と思う人もいるだろう。
あたしもそう思う。
でも。
夏目父に「どーして?」と訊いてはいけない。
何故なら、こんな答えが返ってくるから。







「 知らない人が来るとなると、緊張して昼寝できねーから 」
(いつ訊いても本当にこう言いやがります)







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。







コンポからCDを抜き、本を取り上げて、ついでに猫も取り上げてしまいたい衝動をぐっと抑えて部屋に戻ったあたしは、イーブックオフで買取手続きを済ませ、印刷した買取申込書をダンボールに入れて封をした。




(作業場所は今回も布団の上)



そして。












ダンボールを車に積んで、ファミマに持ち込んだ。




マンションの4階から駐車場まで行く間、荷物の重さは気にならなかったが、頭の中にはずっと、ある不等式が浮かんでいた。




昼 寝 > 娘




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
お彼岸にお墓参りにいった時、おかあさんに訊いてこよう。
とーちゃんが昼寝していると思われる時間にイタ電していいかどうか、訊いてこよう。
そうしよう。




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