BOOK INFOMATION

単行本 『 片付けられない女魂 』 は、Amazonマーケットプレイスで購入できます。
片付けられない女魂     Amazon
(扶桑社 / 全503頁 / 書き下ろしアリ)





この間大量に捨てたにも関わらず、4畳半の部屋にはまだまだ、バブル期の服がある。




(前回の記事に載せた画像に写り込んでいる2個のダンボール)



このダンボールの横には、今より確実に上手い字で(夏目基準)、ダンボールの中に入っている服が書かれていた。




(かろうじて読める)



書いた時はきっと、「次のシーズンに服が探しやすいように」くらいのことを考えてたんだろうなあ・・・・。
まさか、その後十数年も封印されたままになるだなんて、微塵も思ってなかったろうなあ・・・・。

しみじみとそんなことを考えながらデカいダンボール2箱を開けてみるとそこには、ウンザリするほど大量の洋服がギューギューに詰まっていた。




(Y's bis のスーツが計7着)



(JUST BIGI はデニムの超ミニのワンピースが2着)



(今となってはもはや、何がツボだったのか判らないINGEBORGは大量)



(まだあるか!COMME des GARCONS!)



ちなみにこのGARCONSのセーターは状態が良くて、一瞬、「取っておこうかな?」と思ったけど、よく見てみると。






得体の知れない汚れがついていたのですぐに諦めた。



ダンボールの中には洋服以外の物も入っていた。
たとえば。






こんなスリッパとか、






オッサンが履きそうな薄手の靴下とか。
ちなみにこの靴下も COMME des GARCONS の物で、「欲しい!」と思ったことも買った時のことも鮮明に覚えてるけど、















履 い て ね ー し 。



他には、バブルなデザインの超ハイレグ水着が多数出てきた。




(前は隠すけど)

(後ろは隠さない)





(前は隠すけど)

(後ろは隠さない)







・・・・・・・・・・・・・・・って。







隠 す の か 隠 さ な い の か ハ ッ キ リ し ろ 、 ご る ぁ !






三十路のあたしがこんな水着を着て海辺に居ようものなら、ソッコーで通報されてしょっぴかれそうなので。








ポ イ !



2箱あったデカイダンボールは、ゴミ袋3つに変わった。






そしてようやく、ベッドが見えてきた。




(残るは未だ手付かずの巨大トトロ&使い方の判らない音響機材類のみ)



何とかGW中にベッドを解体して掃除するところまでやりたいなあ。
あと、8畳の部屋にある学習机も解体して捨てたいし。
ノコギリあったかなあ。
あー、とーちゃんの会社の倉庫に電動ノコギリあったんじゃなかったかなあ。



そんなことを考えつつ部屋に戻り、ゴロゴロしながら、布団の脇に長いこと転がっていた小さな枕を何気なく掴み上げた。
そして。
あたしは初めて彼女に逢った。







(以下に虫画像が載っています。苦手な方は見ないで下さい)







是非ともお逢いしたいと思ってたんですよー。







娘さんはよく見かけるんですけどね。







お母様にも是非ご挨拶したいと思ってたんですぅー。







どーもー。はじめましてー。夏目と申しますー。







本当にお逢いしたかったんですよぉ。














貴女がカツオ姫のお母様でいらっしゃいますね☆










(体長約7ミリ。お亡くなりになってます)







つーか。






親 子 、 似 て な さ 過 ぎ 。





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 久しぶりに虫博士と並んでますっ!嬉しいー。安心するー。




GWに、男友達の結婚式に出席する予定があることを思い出し、まずはネイルサロンへ行き、その後は9ヶ月ぶりに美容室へ行って髪を切り、念入りにトリートメントをして貰い、パーマをかけ、傷んでリカちゃんみたいな色になった髪を黒く染めてもらった。
しかし、スッキリしたのはいいが、5時間も美容室にいたため、ケツが痛いわ、腹が減るわで、フラフラ。
20年もあたしの髪を切り続けてくれる美容師の「だからマメに来いって言ってるだろ」という小言を背に美容室を後にして、とりあえず食事を摂った。






大食いなあたしはパンだけじゃ何個食べてもお腹がいっぱいにならない仕様なので。










カ ル ボ ナ ー ラ も 食 べ ま し た が 何 か 。



その後、結婚式用に、ラメ入りの薄手のストッキングを買うべく百貨店に行き、気づいたら。











5 足 も 買 っ て ま し た が 何 か 。



いいのいいの。
食い過ぎても買い過ぎてもいいのいいの。
だってあたしは昨日の朝、出かける前に、今の自分の部屋を初めて掃除したんだもの。






「これを見てやる気が萎えた」と前回記事に書いたけど、萎えたのは、「カビって身体に悪いじゃん!」とかいうことではなくて、単純に、メンドクセーから。

10年以上掃除していない汚部屋だからカビくらい生えててもおかしくないし、あたしは幸か不幸か風邪もひかないくらい丈夫な身体だしアレルギーもないので、カビの中で生活するのも平気っちゃあ平気。
・・・・と書くと、「カビを侮っちゃいけませんよ」「健康を過信しちゃいけませんよ」的なコメントを貰ってしまいそうだけれど、あたしみたいに不衛生な環境で何十年も暮らせている大人は、カビ程度じゃ体調を崩したりしないものだとあたしは思っている。
というか。
埃や虫やカビの中で生活するのが「良くない」のはいくらあたしでも重々承知しているし、もしもあたしが、それらが原因で肌があれたり吹出物が出たり咳き込んだりするような身体の持ち主だったなら、とっくの昔に何とかしてる。
汚部屋で暮らしていても何ら問題ない鈍感な身体だからこそ、片付けも掃除もしねーのだと思う。



でもまあ、見つけてしまったからやるか・・・・。



さて。
黒カビと言えば、浴室。
浴室のカビ取りと言えば。






ちなみにこの洗剤は浴室用。






裏の注意書きを読むと、「使えないもの」の中に「クロス壁」と書いてありますので、部屋の壁紙に使ってはいけません。
この洗剤はお風呂でよく使っていて、「黒カビ」=「カビとりハイターストロング」という図式が脳内で出来ていることと、これ以外、黒カビに効きそうな洗剤が手元になかったから使ったまでなので。



絶 対 に 真 似 し な い で ね 。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
真似する人なんていねーですか。そうですか。

ちなみにこの洗剤の正しい使い方と正しい装備については、汚部屋界の虫博士こと青ポットさんが以前記事にしていらっしゃいますので、そっちは真似していいと思います。
むしろ、面白いので日本国民全員が真似すべきだと思います。



お風呂の黒カビと戦ったことがある方なら経験あると思うけど、黒カビっつーのは擦って落とそうとして万が一落ちなかった場合、残った汚れを取るのはひじょーに困難。
なので、まずは窓と部屋のドアを開け、






絨毯に洗剤がかからないように新聞で何重にも養生して。
・・・・って。
新聞じゃフツーに洗剤が染みるけど、そのあたりは気にせずに、カビを拭き取りもせず一気に。







プシューっ。










この一連の行動に、迷いは一切ナシ。
「パンがなかったらお菓子を食べればいいじゃない。壁紙がダメになったら張り替えりゃあいいじゃない」くらい軽い気持ちで。
ここが酸性の埃にまみれていたり酸性の糊で張りつけた酸性の壁紙だったら?なんてことももちろん全く考えず、放置すること十数分。






隅の、一番黒ずみが濃かったところがうっすらと黒ずんでるけどまあいいや。
壁に残っている洗剤を濡れ雑巾でシツコイくらい拭き取り、壁紙が剥がれていないことを確認して、









はい、終了。





かすかに黒ずみが残ってるけど気にせず終了。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
というわけで、汚部屋の初めての掃除は、危険な香りがプンプンする、しかも超手抜きなものだった。
くれぐれも、絶対真似しないよーに。
というか。



洗剤は使用上の注意をよく読んでから使いましょう。



ええ。
コレが壁紙に使っちゃいけない洗剤だと気づいたのは、コトが全て終わってからでした。





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 虫博士が面目躍如の記事をアップしてます!必見です!
仕事が早く終われば呑みに行き、仕事が遅くなっても呑みに行き、休肝日でも映画を観に行ったり雀荘に行ったりしていたから、今まであたしは、会社を出てそのまま家に向かうことがなかった。
家に帰ってきたところで、食事はもちろん、テレビを見るのも化粧もネットも全てリビングでしていたから、自分の部屋に長くいることは滅多になくて、だからあたしにとって自分の部屋は、「自分の物置き場」兼「寝室」でしかなかった。



長年そんな生活をしていたのに、片付け始めてからは部屋に居る時間が長くなった。



そういえば、今年の冬はどれだけ灯油を買ったんだろう。
リビングの暖房器具はエアコンだけどあたしの部屋は石油ファンヒーターで、



厚着するとフットワークが重くなるからって、部屋をガンガン暖めて、長T一枚で、時には半袖のTシャツ一枚で片付けてたんだった。




(昨夜。片付け前。何ヶ月経っても汚部屋は汚部屋)



なるほどー。
だからかー。
そっかそっか、換気もしないでガンガン暖めてたからかー。
あたしの部屋、日当たり悪いもんなー。




(昨夜片付け途中。ビデオテープ入りダンボールをよけたらある物が出現)



日当たりの悪い埃まみれの汚部屋の隅の埃だらけの壁に、埃だらけのダンボールをくっつけて置いておいたんだもんなー。
そりゃそうだよなー。









(すげー汚い画像が載っています)










(汚れではありません。カビっス。カビ)









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。











夕べは俄然やる気を出してたのに、埃と結露によって壁紙に発生していたカビを見て一気にモチベーションダウン。
で。
胞子が飛び交う汚部屋で、










2 1 時 半 に 就 寝 。
(小学生か。ううん、三十路)







コ イ ツ ら と 就 寝 。








(幼児か。ううん、三十路)



家に帰ることを考えると、久しぶりにかなり憂鬱だわー。
ココに虫がタンマリいた方がずっとマシだったわー。(オカシイ)



というわけで。
小人を召還したい気分の金曜日、みなさんいかがお過ごしですか。
あたしはちょっと泣きたい気分です。
というか。
呑みに行きたい気分です。




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映画 『 東京タワー 』 がいよいよ公開された。



  映画 『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』公式サイト
  扶桑社:東京タワー通信


ともすれば、「週末は片付けなければならない」という義務感に囚われてしまいそうになるけれど、あたしに限って言えばこの、「~しなければならない」という「決め」はいつでも自分のやる気を台無しにしてしまう。
息抜きも必要だ!と自分に言い訳をしながら、公開初日に観にいった。
うちのオトンと。



ところが、出掛けに一悶着。
・・・・というか。
大親子喧嘩勃発。(夏目家基準)

二人で暮らすようになってから初めてにして最大の親子喧嘩(夏目家基準)だったので、記念に書いておこう。



原因はこのバッジだった。




(前売券を買うと貰えるらしい。オカン・ボク・オトンの全三種)








オトンのくせに「ボク」のバッジを欲しがる夏目父

VS

どっちもあげねー」と頑張る、強欲な娘



普段は何があろうとも、「まあいいか。言ってもしょーがねーし」と、言葉にする前にいろんなことを諦めて、揉めずに暮らせているというのに、何で今、これから 『 東京タワー 』 を観に行くぞ!っていうこのタイミングで揉めるかなあ・・・・と思いながらも、バッジを巡って言い争う親子。



「「ボク」は男で「オカン」は女で、俺は男でお前は女じゃん」
「いやいやいや。あたしオカンじゃねーもの」
「そうだけど、お前、男じゃねーじゃん」
「性別の問題?」
「性別以外に何で分けんだよっ!」
「「ボク」は子どもで「オカン」は母親で、あたしは子どもでお前は父親だろーが」
違ーーーーう!」 ←ウルサイ



言うに事欠いて、自分があたしの父親であることを否定する夏目父。



じ ゃ あ あ た し の 父 親 は 誰 だ ?



「ち、違う?」
「お前は子どもだけど、俺だって子どもだ!」
「あ゛?」
俺だってばーちゃんの息子だもん!



四捨五入すると60だっつーのに、バッジ欲しさに「息子だもん!」と力説するオッサンが一人。



「つーか、どっちもあげねーから」
「何で!」
「だって2つともあたしが貰ったんだもん」
「はぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ー?」
「2つともあたしの物。2個あるからって何でも1個ずつだと思うなよ」
あっ!ばーかばーか、ばーか!
「バカって言うヤツがバカなんだよ」
じゃあ、でーぶでーぶ、でーぶ!
「デブって言うヤツはハゲるんだって」
「いいよもうハゲたって。つーかさ」
「何」
「俺の物は俺の物。お前の物も俺の物。2個あったら2個とも寄越せ」



お前はいつからジャイアンになったんだ?



ケンカを続けながらもお互い密かに、予定していた回の上映時間がどんどん近づいていることが気になっていたため、とりあえず続きは車の中で、ということにして家を出た。
が。
車の中では終始無言。
たまに夏目父が、「タバコある?」などと口を開くも、あたしが「あるよ、剛田くん」と言えば、それを受けて夏目父が、「メンソールしかねえのかよ。使えねーな、のび太」と悪態をつくので、会話が刺々しいったらありゃしない。



しかも、普段は人とケンカすることはもちろん言い争うことすら全くない者同士は、お互いに引き際が判らない。
だからそんな空気のまま映画館に到着し、大して言葉も交わさずに、仲直りもしないまま、映画 『 東京タワー 』 を観始めた。



夏目父が小さい声で「・・・・ティッシュ」と言ってきたのは、映画が始まって10分も経っていなかったように思う。
明らかにフライング泣きだけど、夏目父の涙腺のユルさは十二分に知っている。
ちなみに。
「はんかぢ、がじで(ハンカチ貸して)」と言ってきたのは約20分後で、「はんかぢ、もういぢばいだい?(ハンカチもう一枚ない?)」と言ってきたのは約40分後。
つまり。
全体的にフライングだった。





『 東京タワー 』 を読んだ後や観た後には、俄かに、猛烈に人に優しくしたくなる。
この気持ちがずっと続けばいいのだろうけど、毎日親と一緒にいるとそういう感覚はすぐに薄れてしまうし、生活していれば、内心イラっとすることが日にふたつやみっつやよっつやいつつは普通にあって(多い)、いつでも誰にでも優しく、というわけにはいかない。
夏目父にしたって、『 東京タワー 』 を観て心を揺さぶられた娘に気まぐれに優しくされても迷惑だろう。
でも、今日くらいは娘の我儘に付き合って貰いたい。
そういえばケンカしてたんだったし。






映画館を出るともうだいぶ日が暮れていて、そろそろ酒の時間だった。
車に乗り込みながら、まだ鼻をすすっている夏目父に声をかける。



二代目でも誘って呑みに行こうか。奢るよ」



夏目父は返事もせず、車の中にあったボックスティッシュからティッシュペーパーを引き抜き、チーン!とやっていた。
鼻水を出し終えるのを待って夏目父を見ると、まるで殴られたみたいに瞼が赤くなっていた。



「とーちゃん、目ぇ擦りすぎ」
「やっぱすごいことになってる?」
「うん。瞼がガッツ」



「パッチリおめめが台無し?」
「元々パッチリおめめじゃないから大丈夫☆」
と暫し話し合った結果、呑む相手が二代目なのでどんな顔でも問題ナシということになり、一旦家に車を置きに戻り、二代目を誘って呑みに出かけた。






しゃぶしゃぶを食べた後に行ったのは、夏目父好きのオカマが店長をしている店。
夏目父・二代目オカマ店長。
あたしにとってはだいぶキッツイ面子だけれど、最初のうちはまだなんとか普通に話が出来ていた。
でも、酒が進んでくるにつれ、オッサン3人(内1人はオカマ)がタッグを組んであたしを攻撃し始めた。



二代目 「この間、コイツのこと麻雀に誘ってやったのに断りやがったんスよ」
夏目父 「どんな理由で断りやがったわけ?」
二代目 「理由も何も。ただ「行かね」だけ」
夏目父 「それいつの話?」
二代目 「いつだったかなあ・・・・?」


おいおい、二代目。
発信履歴を確認するほどのことじゃねーぞ。


二代目 「あっ。先週の日曜日だ」
オカマ  「日曜日ー?どぉーせ暇なくせに男の誘いを断るなんて何様よ!」
夏目父 「先週の日曜日?ねえ、お前、何やってたんだっけ?」
あたし  「部屋片付けてた


正直に、他意はなく言ったこの言葉が、何故だかオッサン3人(内1人はオカマ)の逆鱗に触れたようで、攻撃は激しくなった。



二代目 「片付けより麻雀だろー!誘われてるうちが華なんだぞ」



32半荘連続ノー和了のくせにデカイ口叩くな、このヘタクソ。



オカマ  「あたしが片付けてあげるから!」



そのままウチに居座りそうだから謹んでお断りいたします。



夏目父 「そんなことより犬飼おうよ」



我が家は、猫とお前で手ぇいっぱいなんじゃ、ボケ!



・・・・と、あたしがブチ切れる隙もないほど次々と、オッサン3人(内1人はオカマ)の攻撃は続く。



二代目 「部屋が片付いたってお前が片付くわけじゃねえんだからな」
オカマ  「部屋を片付けるより料理習った方がいいわよ」
夏目父 「俺、雑種がいいんだけど」

二代目 「ウチの2軒先の建具屋の爺さん、紹介するか?69歳だけど」
オカマ  「男は料理で捕まえるのよ!」
夏目父 「黒柴とか」

二代目 「つーか雀荘のオヤジでいいじゃん。すげー借金あるけど」
オカマ  「裸エプロンよ、裸エプロン☆」
夏目父 「やっぱり雑種」

二代目 「酒屋のオヤジは?あ。奥さんいたっけ?」
オカマ  「裸エプロンでダメなら、裸エプロンでアクロバティッククッキングね☆」
夏目父 「でね、ポチって名前にするの」

二代目 「向いの床屋の爺さんって手もあるからな。84だけど」
オカマ  「それでもダメなら女体盛りよ!盛り付けはアタシに任せて」
夏目父 「それか、ジョン」








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。








おうこら、そこのオッサン。



三 人 と も 、歯 ぁ 食 い し ば れ 。







・・・・と、かなり言われっぱなしの呑み会だったけれど、夏目父は楽しそうだったしあたしもリフレッシュできたし、なんとなくホンワカした気分で帰宅して、翌日曜日は朝から、未開の地である学習机の整理に着手した。
そして。
今までより軽やかな気持ちで片付けられている自分に少し驚いた。





(着手前。面白い物が続々出てきたが、その時の模様はまた後日)




煮詰まるほど真剣に片付けているわけじゃないけれど、片付け中はいつでも集中力が持続しない。
仕事で煮詰まった時の気分転換は歳を重ねる毎に上手くなってきてるというのに、プライベートでのリフレッシュ方法が今までさっぱり判らなかった。




好きな人と一緒に好きなことをして過ごす。




煮詰まったのが仕事だろうが片付けだろうが、リフレッシュの仕方は同じなんだと、ようやく気づいた。
三十路もだいぶいってから、ようやく気づいた。
そして。
今あたしが一番リラックスできるのは、自分の父親と一緒にいる時だということにも、気づいた。
少し虚しくて、やけに悔しいけれど。




ただし。




「 犬 飼 っ て い い ? あ と バ ッ ジ 頂 戴 」




こういうメールを日に4回も送ってきやがるから、夏目父との生活は時々気が抜けない。
つーか、とーちゃん。




デ コ メ ー ル 送 っ て き た っ て ダ メ な も ん は ダ メ 。





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 青ポットさん&カナさんの寄り添いっぷりに軽くジェラシーを覚えてます。




気持ち良さそうっスね。

























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 虫博士が姉妹サイトで罰ゲームを募集してますわよ、奥様。(誰?)
小さい頃あたしは、頻繁に親戚の家に預けられていた。
1週間だったこともあるし1ヶ月だったことも、半年だったこともあるらしく、初めて立ったのも初めて歩いたのもおむつがとれたのも、初めて言葉らしきものを発したのも、親戚の家でだったらしい。
最も頻繁に預けられたのは母方の叔母夫婦のところで、その叔母は未だにあたしを見ると、当時の思い出を延々語り、最後には必ず泣く。
「いじらしかった」「不憫だった」と言って、泣く。
叔母だけならまだいいのだが、母方の親戚は揃いも揃って皆この話が好きなようで、気がつくと、その場にいるあたし以外の人がみんな泣いていたりするから少し困る。
三十路になった自分を当時の叔母に置き換えて考えるとつくづく、「叔母ちゃん、すげーな」とは思うし感謝してもしきれないくらいなのだが、でも、同じ話を20年以上聞かされ続けているあたしは、その話が始まると別な意味で泣きたくなる。



ところで、その話の途中、決まってあたしは親戚に訊かれる。





「あのぬいぐるみはどうした?」





そのぬいぐるみは、3歳になったあたしに母親が買ってくれたものだ。
ぬいぐるみを背中に紐で結わえつけて貰うことがいたく気に入っていたようで、叔母の家に行く時にもあたしの背中にはそれがくっついていた。

当時叔母の家では犬を飼っていた。
あたしは、おっとりして優しいその犬が大好きで、しょっちゅう犬小屋に入り込んでは犬と一緒に昼寝をしていたのだが、そのぬいぐるみと一緒にいるようになってからは、犬小屋にぬいぐるみを持ち込むようになった。
叔母や親戚がそーっと犬小屋を覗き込むと、いつもあたしと犬は顔を寄せ合って、ぬいぐるみを枕にして寝ていたらしい。



ということは。
つまりそのぬいぐるみには。





30年前のあたしと犬のヨダレが染み込んでいるわけだ。







(左のがそれ。右のは5歳の誕生日に母親がくれたもの。どちらもキタナイ)






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。






洗 っ て み る か ・ ・ ・ ・ 。






早速ぬいぐるみの洗い方をネットで調べてみると、方法は、大きく分けて4通りあるようだ。


 1.ぬいぐるみ専用クリーナーで汚れを拭き取る。
 2.ウール用洗剤で優しく押し洗い。
 3.洗濯用ネットに入れ、洗濯機の手洗いモードで洗う。
 4.解体し、中身を取り出して部品別に洗い、乾いてから元に戻す。





さーて、ここでクエスチョン。
ここに、亡き母がくれた、30年モノのぬいぐるみがある。
縫い目はほつれているし、繊維疲労を起こしている可能性は大。
汚いけれど、でも、親戚一同が覚えているくらい、幼少期のあたしは大切にしていて、実際これに纏わる思い出は書ききれないほどたくさんある。
そんなぬいぐるみを洗う方法としてあたしは、1~4のどれを選択するでしょーかっ?



・・・・・・って。
クイズ形式にするほどじゃねーな。
だってあたし、モノグサだもん。



どんなに大切な物でも寿命というものはあるし、このぬいぐるみにまつわる思い出は、あたしは勿論、叔母を始めとする親戚たちの胸にも深く深く刻まれている。
それでいいじゃないか。充分じゃないか。
それにそもそも、このぬいぐるみは10年以上もの間、4畳半の部屋で土埃にまみれ、タバコの煙で燻され続けていた。
つまり、10年以上もの間、あたしはこのぬいぐるみの存在を忘れていた。
いや、忘れてたわけじゃないや。
10年以上もの間あたしは、劣悪環境に置かれたこのぬいぐるみのことを忘れたフリをし続けていたのだ。
今更感傷的になって慌てて愛でようとも10年の歳月は戻らないし、どんなに綺麗ごとを並べたところで、「取り返しのつかない事」というのはある。
つまりあたしはなんとなく、このぬいぐるみ達は10年以上に渡って放置されたせいで、「朽ちる一歩手前」のところまできてしまったと思っている。
手で洗おうが洗濯機で洗おうがダメなもんはダメだろう、と。




(この、長ーい洗濯用ネット、本来はどんな物を洗うのに使うんだろ)



がんばれよ、ぬいぐるみ。




(もっとアレコレ入れたくなったけど我慢した)



耐えろよ、ぬいぐるみ。




(あんまり使ったことなかったなぁ)



気ぃ抜くな!
20年モノの洗濯機だから、「手洗いモード」にしたつもりが「手荒いモード」になる可能性もあるからな!(ナイス、オヤジギャグ)




ウール用洗剤ではなく、いつも使っているフツーの洗剤を入れ、柔軟剤を入れて蓋を閉め、明日の朝7時に仕上がるようタイマーをセットして準備完了。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




や、やっぱ7時半にしようかな・・・・。
(おーい。どっちでもいいぞー)




明日の朝起きて、洗濯機の蓋を開けた時。

もしもぬいぐるみがダメになっていたならば。
あたしは叔母さんに、「もちろんずっと大切に持ってるよ」と、これから先もずっと嘘を吐き続けよう。

そして。
もしもぬいぐるみが無事だったなら。
今度会う時、叔母さんに見せてあげよう。
正直に、「長いこと放っておいたんだけど、でもコイツら無事だったよ」って、笑いながら話そう。




ぬ い ぐ る み 達 の 運 命 や い か に !





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 本日、『 お部屋をキレイにするブログ 』 のバナーを勝手に作りました。
長いこと汚部屋に住んでいると、「使いたい物が使いたい時にさっと出せない」のは日常茶飯事で、たとえば出勤前、「アレを持つの忘れた」と気づいた傍から「途中で買えばいっか」と思ってしまい、必要な物すら探さない悪癖が身についてしまっている。
『週刊SPA!』の座談会であたしとみかこさんが話した、「片付けられない女はお金を大事にしない。モノを大事にしない」っていうのはこのあたりからきていて、「欲しいから買う」でも「探してみたけど見つからないから買う」でもなく、「探すのがメンドウだから買う」なんつーことを、実に頻繁にやってしまう。
あげくあたしは、新たに買い足したモノの整理もしないので、自分が何をどのくらい持っているのか全く判らない。
というわけで。
日曜日はまず、マニキュアの時と同じ要領で、アレを一ヶ所に集めてみることから始めた。




(三十路女のパンツではありません。ご安心を)



で、広げて並べてみた。




(布団の端から部屋の入り口まで並べても並べきらなかった)



4畳半の部屋を片付けている最中に見つけたハンカチ、88枚
「やったー!ゾロ目!ゾロ目ー!しかも末広がり!こんな日は競馬か?パチンコか?スロットか?それともチンチロかっ!?」と、博打欲が昂ぶったのもつかの間、ここ最近使ってるものが8畳の部屋にあることを思い出し、それらを全部合わせて数え直し、呆れた。
だって119枚もあったんだもん。

「買ったものだけじゃないからね!貰ったものもあるからだよねっ!」と自分自身を誤魔化してみたものの、どう考えてもこの枚数は必要ない。
というわけで。
ホツレの有無・柄の好き嫌い・サイズなどを考えながら枚数を減らす・・・・つもりが、鼻歌のリズムに合わせて作業したのが悪かったのか、状態も柄もサイズも見ず、重ねたハンカチを1枚おきに捨てていくという、わけのわからない捨て方をしてしまった。
ちなみに。
この時歌っていたのは。







♪ し て ん ! り き て ん ! さ よ ー てぇー ん ♪
この歌の「耳について離れない」っぷりは尋常じゃないと思う)







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
念のために書いておきますが、この時あたしはシラフでした。



そんな妙ちくりんな方法ではあったけれど、119枚あったハンカチが60枚に減ったので、その中で、4畳半の部屋にあったものを全部を洗濯した。




(室内物干し場=夏目父の仕事部屋)



お!いいねいいねー。(何が)
乾いて取り込んだ後が問題だけど、でもいいねー。(だから何が)

部屋のアチコチに散らばっていたものを一纏めにしただけで俄然テンションが上がったあたしは、先週に引き続き4畳半の片付けに着手した。




(着手時の状態)



手前にあるキティのミニ冷蔵庫を脇に退けて、その横にあったアライグマくんのぬいぐるみや何やらも退け、その下にあったクロームメッキのダンベルは退けないで、ベッド中央にあるダンボールを覗いてみると。

← 「いぢめる?」「いぢめないよう」

むかーしむかし大昔に、カラオケパブをやっていた男から預かった、カラオケのカセットテープがたんまり出てきた。










な つ か す ぃ ー ! ! !



そうそう。
昔はさー、カラオケボックスなんかなくてさー、飲み屋に行かないとカラオケが歌えなくてさー、通信カラオケなんつーのもなくてさー、レーザーディスクカラオケに切り替わる前はカセットテープだったんだよなー。






うおーーーーー!
百恵ちゃん、美すぃーーーー!






キャンディーズ、若かったろうに紗、かかりまくってんなあ。






キミ達はもっと紗かけて貰ったほ・・・・・(以下自主規制)。
もしくはもっと引きで撮って貰・・・・(同)。






わっ、わっ!
工藤静香も満里奈ちゃんもいない頃だ!
ひぃーふぅーみぃーよぉー........って、まだ17人しかいねー。



・・・・と、パッケージを見ながら盛り上がっていると日が暮れるので、ダンボール2箱分のカセットテープを無理やり1箱にし、ダンボールごと捨ててしまうことにしたのだが。






このダンボールをゴミ袋に入れようと、手前に引き寄せた時に事件は起きた。










い て 。




















ベッドの上に置いていた4キロのダンベル×2が足に落下。




怪我したワケじゃないしすげー痛いって程でもなかったけれど、何故だかこれで一気にやる気が萎えたので、ダンボールをゴミ箱に入れただけで4畳半の片付けをやめた。




(さして変化ナシ)



「こんなことでやる気が失せるくらいなら、ちゃんとダンベルを退けてからやれば良かったんだよなあ」などとぼんやり考えながら自分の部屋に戻って布団に寝そべった。
・・・・と、ここまでは今までのあたしとなんら変わりないのだが、その先がちょっとだけ違っていた。
というのも。
寝そべった目線の先にあったモノを見て、一度萎んだやる気がまたムクムクと膨れてきたのだ。
それは。
ハンカチよりもずっとずっと、あたしのやる気を刺激する光景だった。








(床から矢印のところまで積まれた、約50本のビデオテープ)







震度1弱の地震でも崩れそうな危うさで積み重なっていたビデオテープは全て、部屋を片付ける気力がない日に早送りしながら見たものだ。
「片付けないとなあ。でもやる気出ねえなあ」っていう気分の時、あたしは古いビデオテープを見るのが習慣になりつつあったのだけど、でも、そんな時に見るビデオは見事なまでにどれもこれもつまらなく、「なんでこんなモンを録画したんだろ・・・・?」と思うようなモノばかりで、だからそのほとんどを早送りしながら見た。
そんなビデオテープを何とはなしに積み重ねていたのだけれど、この日それを改めて見て思ったのだった。








や る 気 が 出 な か っ た 日 、 多 す ぎ ね ?









つ ー か マ ジ で 崩 れ そ う じ ゃ ね ?



というわけで。
まずは50本のビデオテープを全てゴミ袋に詰め込んだ。
そして。
やる気が復活したところで今度は、この冬に着ていた服の中から捨てる服を選んで捨て、いつの間にか溜まったDMや紙袋や書類を捨てまくった。




(一時ゴミ置き場の4畳半には、新たに7袋分のゴミが出現)





ふぅー。
またいっぱいゴミが出たなー。
8畳はまだまだモノが溢れているけれど、でもこのゴミ袋を捨てるのだって大仕事だもの、今日はこのくらいにしておこう。



翌月曜日の朝にこれをマンションのゴミ置き場まで運ぶ余力を残してリビングへ行くと、夏目父はソファーに座って猫を抱きしめながら、もう何度も観たであろう映画を観ながらまた泣いていた。


あたしも大好きな映画だけど、夏目父はサンドラ・ブロックが笑えば笑い、泣けば泣く、ただのサンドラ好きなオッサンなので、これが「すげー泣ける映画」というわけではない。念のため。



泣いてる夏目父はほっといてあたしがキッチンへ行き冷蔵庫を開けると、黙って泣いてりゃいいものを、夏目父が鼻声で話し掛けてきた。



「冷蔵庫に入ってた小さい瓶の日本酒、呑んじゃったよ」
「いいよ。あたし、デカイ瓶のほう呑んだから」




10年前に賞味期限が切れた日本酒は、
ピンと来ない味だったけどフツーに呑めた。
でも、良い子は真似しちゃダメよ☆)



夏目父は続ける。


「この映画観てると色々考えちゃって、なんか胸が苦しくなるんだよねえ・・・・」



夏目父が観ていたのは、アルコール依存症の主人公(サンドラ)が、治療センターで過ごした28日間を描いた映画だ。
それを観て「胸が苦しくなる」ということは、夏目父ってば、自分が依存症だと思ってるのかな・・・・?

「とーちゃんはただの酒好きだから安心しろ」

あたしがそう言おうとするのを制するように夏目父の話は続く。



お前が治療施設に行くことになったら、俺、家政婦さん雇わなくちゃいけないよね」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へ?



「あーあ。知らない人が家でウロウロするなんて俺、耐えられないだろうなー。『家政婦は見た!』の人にパンツ洗われるくらいなら、パンツ穿かないで我慢するよー」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「紙パンツでもいいけど買いに行くのメンドウだし。つうか、俺くらいの歳のヤツが大人用の紙パンツ買うのって微妙だよねえ」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





オ、オッサン、まさか。





パ ン ツ の 心 配 し 過 ぎ て 泣 い て た ん じ ゃ ね ー よ な ?
(夏目父ならあり得る)





さっきまでのやる気はどこへやら、夏目父の話を聞いて全身の力が抜けたあたしは缶ビールを持って部屋に戻ろうとしたのだが、それを夏目父が引きとめた。


「部屋で何してたの?」
「捨てるもん、纏めてた」
「また?」
「うん」
「最近すごい勢いで捨ててるねー」
「うん」


この一見フツーの会話の後、夏目父は頬擦りするほど顔を近づけた猫に向かって、とんでもない勘違い発言をしやがった。



「お前も捨てられないように気をつけるんだよぉー」
(猫撫で声で)



いやいやいやいや。
猫は捨てねーから、とーちゃん。
でも。
猫を捨てることは絶対ないけどさ。




間違えて、とーちゃん捨てちゃったらごめんごめーん。
(野太い声で。棒読みで)





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 あっ!虫博士が!
「一気にぐわーっと片付けたら、3日と経たないうちに息切れしそう」と思いつつも、4畳半の部屋(別名:バブル部屋。命名:あきゅーぴーさん)にある服の山を捨てる作業が面白くて止められない。
古めかしい服をじっくり見ているうちに、「捨てる基準」は全くなくなり、パイプベッドの上に山と積まれていた衣類を躊躇することなくゴミ袋へ入れられるようになっていた。



一番多かったのは、やっぱり『 COMME des GARCONS 』の服で、レディース・メンズ問わず、いつまで経ってもわんさか出てくる。
初日に捨てたのは41着、2日目に捨てたのは43着。
合計84着。

欲しくて欲しくて、留年してまで買った服だけどサヨウナラ。
おいくら万円分なのか考えたくもないから、考えないでサヨウナラ。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・。







3 0 0 万 は 裕 に 超 え て る な ・ ・ ・ ・ 。






最後のギャルソンは、ザックリしたVネックセーター。






あんまり着なかったのに色褪せたなあ。
これ、背中にドカーンとロゴが入ってるのが気に入ってたんだよなぁ。

・・・・と、その、当時気に入っていたロゴを見てみた。
で。
今更ながら驚いた。












1989年って何年だ?
(答え:1989年)



たとえ数えるほどしか着てなくても、それが何万円したものであろうとも、「充分に元は取った」と思うべき年数が経っていることに、あたしはようやく気づいた。

となれば!
後は捨てまくるのみ!

鼻歌を歌いながらパイプベッドの上にある服をドンドン捨てまくっていると、やがて服の下から大量のバッグが現れ始めた。
しかし、どれもこれも劣化が激しいので、これまた何の未練もなくジャンジャンゴミ袋へ突っ込んでいく。




(今見ると、黒×金って成金チック)


(ハゲハゲ)




(TOKIO KUMAGAI のバッグは全部で8個あった)


(ロゴ、元は真っ白だったはず)



・・・・と、ここまでは脳内麻薬が出ているかのような捨てっぷりだったのだが、バッグ類を捨て終わった頃から、調子が狂い始めた。






ブラのパットくらいなら驚かない。
ゴミ袋に投げいれりゃ終わりだ。






これだって買った記憶もなけりゃ使った記憶もないけれど、せっかくだからこれから鍛えて、22キロのプリンタにも負けない強靭な肉体を作ればいい。
で。
いっそのこと、『 PRIDE 男祭り 』にでも出てしまえばいい。
だいじょうぶ。
あたしオッサンだから出られる出られるー。(ヤケ)

しかし、だ。
これはどうやって捨てりゃあいいんだ?




(未使用のカセットコンロ用ガス×2本)



つーか。
我が家にはカセットコンロがないのに、どーしてガスがあるんだよ。
とりあえずこれは、しかるべき場所に問い合わせて捨て方を訊くことにして先へ進む。
が、すぐに手が止まった。






うーーーん、うーーーーん、ううーーーーん。
いくらあたしがモノグサだからって、まさか部屋で用・・・・(自主規制)・・・・はないし、かと言ってトイレットペーパーをティッシュ代わりに使う習慣はなかったハズ。
でもこれ、明らかに使ってるよなあ・・・・。
とりあえず、10年以上も埃にまみれていたトイレットペーパーは、トイレに置いて床掃除に使うことにした。

・・・・・ぉ。
今度は日本酒発見!






「高いお酒ではなさそうだなっ。でもいくら位のお酒かなっ?」と、アルコールを見た途端テンションが上がり、急いで8畳の部屋に行き、ネットで検索する。






「こんなもんかー。でもなんかラベルが違うなぁ・・・・」と思いながら4畳半に戻り、何とはなしに日本酒の瓶をクルっと回すと。






「なるほどなるほどー。2009年3月製造なのねー」とは、いくらあたしがアホでも思わなかった。
平成9年3月製造かよ・・・・。
丸10年前じゃん・・・・。








あ と で チ ビ っ と 呑 ん で み る か ・ ・ ・ ・ 。
(まて)








・・・・と、ここでまた、1枚のポロシャツを発見した。
「なんだよう。まだあったのかよう」と思いながらあたしはそれを持ち上げた。
そして。
少しだけ驚いた。
なぜなら。












(これから先には虫画像が載っています。自己責任でご覧ください。)
































カ ナ ブ ン の 亡 骸 付 き だ っ た か ら 。









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。










ポ イ っ 。















日曜日に出た4袋の他に、この日だけで新たに5袋分のゴミが出た。






つまり、4畳半からはここ数日で合計、45リットル×9袋のゴミが出たことになるのだが。











まだまだ汚ベッドなのはどーしてだろー。
(答え:元が酷すぎたから)






でも。
勢いさえつけば捨てられることが判ったし、何よりスッキリした。
そして、ほんの少しだけど、先が見えてきたような気もする。
しかしそれと同時に、新たな悩み事もできた。
それは。












コ イ ツ の 処 遇 。









(45リットルのゴミ袋には入らないくらいバカデカい)










ただいま、「夏目父の部屋にそぉーっと置いてみたい欲」と葛藤中。





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土曜日は小雨がパラついて寒かったせいか、片付けの神が降臨することもなく、しかし片付けをせずに1日過ごしたところで焦りや罪悪感のようなものもなかったのだが、翌日曜日は晴れていて、しかもとても暖かかった。
暑いくらいだった。
こんな日は!




















野 球 観 戦 だ ぜ 、 と ー ち ゃ ん !



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
相変わらず片付けの優先順位は上がっていないけれど、部屋でゴロゴロしている時より外にいる時の方が少ぉーしだけ頭が回るようになるらしく、夏目父とビールを呑みながら野球を見ていたあたしは急に、「家に帰ったら服を捨てよう」と思い立った。
まあ。
外に居る時にそう思っても、家に帰った途端やる気が失せるのが常なんだけど。



片付け始めてすぐの頃は、「整理や収納が上手に出来ないんだから、全部捨てりゃあいいだろ」と思っていた。
愛着のある物なんてないに等しいし、服がどれだけ大量にあろうとも着るものは限られている。
ところがブログを続けていくうちに、正確に言えば、不要品を有効活用している人達のブログを読んでいるうちにあたしは、とある妄想を抱くようになった。



要らない物は売ればいいんだな。



売ることだって片付けるのと同じくらいメンドウで億劫だとわかってるくせに、何故だかそう思うようになっていた。
片付け中に発掘したものを見て、「要らないけどまだ1回も着てないや」と思い横によける。
次にまた同じような状態のものを見つけて、先に見つけた物の上に積む。
で、それをいつ売るのか?というと、売るまでの手順がメンドウでいつまで経っても売りやしない。
一応、「いつか時間ができたらまとめて」と考えてはいるのだけれど、時間ができたところでやりゃあしない。
そもそも、「売ろう」と思えるものが多すぎて手に負えないのだ。

でも・・・・その程度ならまだいい。
「売ろう」と思った服はここ数年の間に買ったもので、高価なものでは全然ないから、売ることを諦めればすぐに捨てられる。
ところが、あたしの妄想はもっと膨らんでいて、「売る」よりもっと非現実的なことを考えるようになってしまっていた。



高い服はリフォームすればいんじゃね?



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
えーっと。
あたしと同じよーに考えたことのある人はいませんか。そうですか。



具体的にどの服をどう、というわけではなく、ただぼんやりと思っていただけだけど、「要る」「要らない」ではなく、「リフォームできそう」「できなさそう」という基準で選別する気になっていた。
というのも。
あたしがしょっちゅう行っているクリーニング屋さんが洋服直しもやっていて、クリーニングを出しに行った時にたまたま、昔懐かしいブランドの服をリフォームに出していた人を見かけたことがあったからだった。



・・・・・・・・・・・って。
どぉーーーー考えても現実的じゃねーよなあ。
っていうか。
確かに昔は高い服ばっかり買ってたし、服やバッグを買うためにアルバイトをしてたと言ってもいいくらいだったけど、でも、安くもないリフォーム代をかけてまで着たいくらいの思い入れはねーだろ。
家に帰ったら昔の服、ぜーんぶ捨てよーっと。



外でそう思っていても家に帰るとやる気が消滅することがほとんどだから、野球観戦を終えて家に帰ると、自分の部屋には入らずすぐに、4畳半の部屋に入った。


さて。
やるか・・・・。





(パイプベッドの上に乗っているダンボールの山の9割は、15年以上前の服)





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。











や 、 や っ ぱ 、 や め る か ・ ・ ・ ・ 。





いやいやいや。
せっかく思い切れたのに、ここで挫けちゃダメだ。
要らないんだもの。
リフォームしないんだもの。
捨てるしかないんだもの。
・・・・と、着手するまではかなり時間がかかったのだが、いざ始めてみたらこれが案外楽しい作業になった。
と同時に、自分のアホさ加減をつくづく思い知る結果となった。



まずは、ドアの陰にぶら下がっていた、薄汚れたヌバックのコートから。








5年くらい前の物だったろうか。
気に入って一時期ものすっごく着ていたのに、に、に、二の腕がキツくなって着られなくなったもの。
それを数年吊るしっぱなしにしていたから。






色褪せちゃってた・・・・。
「もったいないことしてるなー。安くなかっただろうになー」と思いながらゴミ袋へ。
1つ捨ててしまうと勢いがついた。


そして次からは、バブルへGO!
バブル期にせっせと買っていた、DCブランドの服がわっさわっさ出てきた。






まずは、HIROMICHI NAKANO・VIVA YOU・VertDanceの服。





(スカートもあるハズなのに見当たらず)




(麻のスーツ。10代の学生がこんなスーツを着る機会はまずない)




(カシミヤ80%のロングタイトスカート。どーでもいいがこれ、太って見える)



国内DCブランドの中ではお手頃価格だったせいか学生時代にはVIVA YOU の服をせっせと買っていた。
でも、今考えてみても決して「安い」とは言えない額だった気がする。
特にオレンジ色の麻のスーツは、欲しくて欲しくて、悩みに悩んで買ったもの。
すごく高かった記憶があるのに、2、3回しか着ていない。
うーん。
物を大切にしないのは、昔からだったんだなあ・・・・。

ちなみに、VIVA YOU の服は、全部で22着(スーツは上下で1着計算。なんてことはどうでもいい)あったのだが、どんなに安く見積っても40万円分にはなりそうだ。
若かったなあー。
服を買うためにアルバイトしてたようなもんだったもんなあ。



他にも、コムサ・デ・モード、Y's、メルローズ、インゲボルグ、キャサリン・ハムネット等々、バブル期に爆発的に売れたブランドの服が統一感もなくわんさか出てきたのだが、中でも一番多かったのが、このブランド。





(これを着てデートに行って3人にフラれた)



これはもう100%夏目父の影響で、『 COMME des GARCONS 』にハマってからというものあたしは、学業そっちのけで、昼も夜もアルバイトに明け暮れるハメになった。
ちなみに。
今は一切興味がないのだが、当時すごく気に入っていたのは、濃紺のロングスカート。






そう!そうそう!
これをクリーニングに出した時に!
クリーニング屋さんに、タグに文字を書き込まれちゃって、腹たったんだったー!




(こら!高橋! ←クリーニング屋の新人パートのおばちゃんの苗字です)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?




















今 じ ゃ 全 然 入 ん ね 。



こんな調子で4畳半にある服を捨てながら、服を買うために毎日がんばっていた若かりし頃を思い出し、思わず苦笑した。
当時の物欲の凄さは今の比じゃなく、欲しいと思ったら買わずにはいられなくて、服やバッグを買うために、その服を着て遊びに行くために、毎日バイトに明け暮れていた。
で。



留 年 し た ん だ っ た 。



くぅ・・・・。
お母さんにもとーちゃんにも随分迷惑をかけたんだろうなあ・・・・。
と、なーんかしんみりしてしまった。
若気の至りとは言え、学業はそっちのけで、遊びや買い物にハマっている娘を見て、親はさぞかし辛かったんじゃないかと思う。
歯痒かったんじゃないかなあと思う。



『 COMME des GARCONS 』 の服の40着目をゴミ袋に入れた後に見つけた、やたらデカくてヨレヨレのシャツの、ある1点をじーっと見つめ、それを持って夏目父のいるリビングへ行った。








夏目父はいつものように、リビングのソファーに横になり、お腹の上に猫を乗せてテレビを見ていた。



今でこそ何事に大しても意欲のなさそうな人だけど、あたしが学生の頃は夏目父だってこんなに風じゃなかったように思う。
親に整えて貰った環境を放り投げて遊び呆ける末娘に、さぞかし胸を痛め、さぞかし腹を立てたことだろう。



ほんの数秒、あたしが声をかけるのを躊躇っていると、夏目父が声を出した。



「何やってたの?」
「4畳半のゴミ集め」
「ふうん。また片付けてんだ」
「うん」
「楽しい?」
「まあね」


大して興味もなさそうに話す夏目父にあたしは、なんとなく当時の想いを訊いてみたくなり、話を切り出した。


「あたし、ダブったでしょう」
「え?」
「大学、ダブったでしょう」
そうだっけ?
「大学1年ダブると、親って大変だよねえ」
そうなの?


・・・・どうも話が噛み合わない。
忘れてるのかしらばっくれているのか、多分前者だと思われたが、あたしは続けた。


「当時買い漁った服を捨ててたんだけど。いろいろ思い出しちゃって」
「ふうん」
「学費出して貰って、仕送りもして貰ってたのに」
「あーーー!思い出した!そうだそうだ!そういえばダブったねー」



マジで忘れてたんスか。



しかしこの、すっ呆けたリアクションの後。
あたしは夏目父から衝撃的な話を聞くことになった。



「そうそう。ダブった、ダブったよねー」
「う、うん」
「あの頃は楽しかったなぁ・・・・」
「え?」
「だってほら。おねえちゃんも向こうで就職してたし、お前も大学あっちだったでしょう」
「うん」
「家には、キョーちゃん(あたしの母親)と俺、2人きりだったじゃない?」
「う、うん」
だから毎日楽しくて楽しくてー
「・・・・へ?」
「お前がダブった時もキョーちゃんとさ、「1年長く2人きりでいられるねー」って」
「え゛!」
「「お金も1年余分にかかるけど、俺、がんばって稼ぐからねー」ってキョーちゃんに言ってさ」
「・・・・・・・・・・・・・」
「卒業したらそのままあっちで就職して結婚でもしてくれりゃあいいのにって話してたんだけど、戻ってきちゃったでしょう、お前。でもそれも仕方ないかなーって、キョーちゃんと話したんだよね。諦めようって。でもさー」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
自分の言葉が娘の胸にグサグサと突き刺さっていることも知らず、デレデレと延々惚気まくる夏目父をリビングに残し、あたしは黙って4畳半に戻った。



部屋には、洋服だけが詰め込まれたゴミ袋が4つ。




(久しぶりに一気にこれだけのゴミが出た)



そのひとつに、手に持っていた水玉のシャツを投げ入れて、ゴミ袋の口を縛った。



もういいや。
あたしがダブったことすら忘れてたくらいだもの、夏目父はこのシャツのことなんか覚えてないだろう。



とーちゃん。
とーちゃんから随分前に借りたシャツが4畳半から見つかりました。
長いこと借りててごめんね。
これね。
ずーっと長いこと、絨毯の上に落ちたままになってたの。
だからね。










ヒメカツオブシムシのエサになってました☆








(レーヨンも食うんスね、姫)




ごめんなさーいごめんなさーいごめんなさーい。(棒読みで)




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 4畳半の洋服はまだまだありますっ。
 さーて!今から続きをやるぞー。