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片付けられない女魂     Amazon
(扶桑社 / 全503頁 / 書き下ろしアリ)



だいぶ前にも書いたけど、かつてあたしは、バカでかいタンスとバカでかいコタツを自力で解体して家庭ゴミで捨てたことがある。
粗大ゴミの収集手数料をケチったわけではなく、デカい図体の家具を部屋から収集場所までひとりで運べなかったから解体したのだが、全部を捨て終えるまでに半年もかかった。
タンスもコタツも古い物だったせいか作りがやけに頑丈な上にあたしがノコギリを使い慣れていないこともあってかなり苦労したのだが、難儀した最大の理由は「音」だった。



集合住宅で夜中にギコギコやるわけにはいかず、解体作業は休日の日中に限られた。
が。
解体を始めて3分くらいで後悔した。
ノコギリってヤツは、たった数ミリの切り込みを入れるだけでも、腹立たしいくらいデカイ音を立てやがる。
しかも。
ヘタクソな人がひくノコギリの音というのは騒音以外のナニモノでもない。
自分が立ててる音でそう思うくらいだから、当然、夏目父からすぐにクレームが出た。



「「ギィーコ、ギィーコ、ギ・・・・・コ?ギ・・・・・コ・・・・・」じゃなくてさ、もっとリズミカルに出来ないの?「ギィーコ、ギィーコ、ギィーコ」って出来ないの?」






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。






で き ね 。




つうか。




お 前 が や れ ば い ん じ ゃ ね ?






そう、心の中で毒づいてみたものの、夏目父に言われるまでもなく、音を出しているあたし自身、どーしてもその音が我慢できなかった。

生活音の許容範囲は人によってだいぶ幅があって、だから巷では生活音のことで隣人と揉めたりするんだろうけど、夏目父とあたしはその境目が似てる。
二人とも、やたら「うるさがり」だ。
そもそも、いい歳した大人ふたりがゆるく暮らしていれば大きな物音などするハズもなく、だから自分の家から発せられているノコギリの音がうるさくてしょうがない。
ギコギコ切っては「・・・・・・・うるせぇなぁ」と手を止めることを繰り返しているうちにノコギリを見ることすらイヤになったりして、それでもなるべく音が出ないようにと工夫したりして、半年がかりで捨てたのだった。



タンスとコタツを解体して捨てたこと自体は覚えていた。
なんだかものすごく大変だったことも覚えていた。
でも。
音が障害になったことは、つい最近まですっかり忘れていた。



さて。
随分綺麗になった(夏目基準)8畳の部屋にある学習机の解体を始めようとしたのは、GW最終日のことだった。
お虎さんが、

>学習机は電動ノコギリよりも、
>トンカチでぶっ壊した方が早いですよ!(経験済)

と教えてくれたので、そのままではゴミ袋に入らなそうだった学習机の引き出しを解体すべく、トンカチでゴン!と叩いてみた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・う、う、う、



う る せ ぇ ・ ・ ・ ・ 。



というわけで。
たった1発叩いただけでトンカチを使うのを断念。
諦めるのはやたら早い。
つうか、早すぎる。
次に用意したのは弓ノコギリ。






タンス解体の時にも使ったもので、効率は悪いけれど音は小さい。
つまりこの時点であたしは、作業効率なんてどうでもよくなっていた。
とにかく、うるさくない方法であれば何でも良くなっていたのだった。

絨毯に木屑が散らばらないようにシートを敷き、






「ちょっとの間、我慢してくれよ」と心の中でリボン猫に呟いて作業開始。









ギーコギーコギーコギーコ。



(うるさいので手を止める)



ギーコギーコギーコギーコ。



(同。以下繰り返し)








ううーん。
真ん中までは切れてないけど、手でバキっとやったら折れそうだよなあ。
でもなあ。
この要領で机全部を解体するのは無理じゃねえか?
ううーん。
せめて車に積めるまで小さくしたいのになあ。
車に積めるくらいになったら、夏目父の会社の倉庫に持っていってー、電動ノコギリで細かくしてー、ゴミ袋に詰めてー、車に積んで持ち帰って捨てられるのになー。
そもそも引き出しひとつひとつがデカいっつうの。
こんな、ゴミ袋に入らないような大きさじゃな・・・・・









入 る の か よ 。











リ ボ ン 猫 、 汚 れ 損 。



引き出しはそのままの状態でゴミ袋に入ったけど、本体はそういうわけにはいかない。
GW最終日はここまでで終了した。
つーか。
途方に暮れてやめた。



そして夕べのこと。
やっぱり、学習机が気になって仕方ない。
ううーん。
接合部分さえバラせればいいんだけどなあ。
箱型の物体じゃなくて板の束にさえなれば車に積めるんだけどなあ。
やっぱこれはトンカチだよなあ。
素手じゃ無理だもんなぁ。




(この女、今からとんでもないことをします)



ここが外れたらなあ・・・・。
外れねえかなあ・・・・。
外れねえよなあ・・・・。




(足のサイズは23センチです)







ん゛ぐぐぐぐぐぐ..................................。















バ キ ッ !
















て へ 。 外 れ ち ゃ っ た ☆



手のひらや足の裏や、肩や股関節を痛めそうだけど、でも、こんなに静かで簡単な方法は他にはない!
というわけで。
道具を一切使わず、手と足だけで解体始めたのだが、これが面白いくらい上手くいったのである。




(片側の板が外れたら、後はこっちのモン)



(フタを外して)


(引き出し部分横の板を外して)


(下の棚板を外す)



どこもかしこも、「どこかの血管が切れるんじゃないか?」と不安になるくらい力まないと外れない。
全身の筋肉があっという間に疲れてくる。
でも、ここでやめてしまったら、またしばーーーらくの間放置してしまいそうだった。
だから。




(足、最強)






うりゃああああああああ!





作業開始から30分後。














全 部 解 体 で き ち ゃ っ た ☆



30年モノの机だから弱くなってたのかもしれないけど、それにしても道具を一切使わないでここまでできるとは思わなかった。
後はこれを車に積み込んで、週末に夏目父の会社の倉庫で、電ノコで切り刻めばOK。






ふふふふ。
気分スッキリー。
4畳半の部屋にもうひとつ学習机があるけど、近いうちにそっちもやってみよーっと。
でもその前に。



そ、そ、掃除しなくちゃ・・・・。













(ものすごく汚い画像が載ってます)













(机の後ろ側。なんか、真っ黒)





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





なんか。





す げ ー い っ ぱ い 虫 が い そ う ・ ・ ・ ・ 。





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