BOOK INFOMATION
水曜日あたりになると週末が待ち遠しくなってきて、「土曜日は朝早く起きて釣りに行ってぇー、昼過ぎに家に帰ってきてぇー、ちょっと寝てぇー、夕方起きて風呂入って、夜は呑み。で、日曜日は買い物に行こうかな」と、計画を立ててみる。
そうして待ちに待った週末を迎えるも、結局「酒を呑む」くらいしか実行しないまま月曜日を迎える。
で、また水曜日あたりに、「先週末はなーんにもしないで終わっちゃったから今週末は行動的に!」と思うのだが、やっぱり週末はたいしたこともせずに終わる。
男がいれば違うんだろうかと一瞬考えたけど、過去を振り返ってみると、あたしは週末に付き合ってる男と会うことすらメンドクセと思っていたから(サイテー女)、きっとこれからもそこは変わらないだろう。
この週末は、自分の部屋で延々DVDを観ながらふと、そんなことを考えていた。


でも。
昨日の朝までは、「どうして毎週こうなっちゃうんだろ」と思っているだけだったけど、ようやく判った。
あたしは明らかに、休日の時間の使い方がヘタクソで、平日の時間の使い方はオカシイんだ。
この土日、一歩たりとも家から出ないのなら8畳間で唯一残された箇所を片付けりゃいいものを、何しろDVDを観てるもんだからテレビ脇のスペースに着手するハズもなく、でもなーんかどこかを片付けたいよーな気はしていて、気休めに4畳半の部屋にタバコを吸いに行くたび、ゴミ袋にゴミを入れることにした。
一見、だいぶ片付いたように見える4畳半には、まだまだ沢山のゴミがある。
何しろ広さが4畳半しかないもんだから、この部屋で暮らしていた当時あたしは、隙間という隙間に収納スペースを設けていたようだ。

(一応、ベッドの色に合わせて買ったと思われる)
ベッドの下には、ありがちな収納ケースが4つある。
そうかそうか。
チェストとクローゼットに入りきらない分はここに入れてたのか。
でも服はこれにも入りきらないからダンボールに詰めてみたものの、今度はダンボールだらけで身動きが取れなくなって、あげく、台風に遭ったことで何もかもがイヤになりゴミ屋敷になった、と。
これぞ、片付けられない女の収納スキル。
部屋の広さを考えりゃ収納できるおおよその量が判るだろーに、収納場所に合わせて物を減らす努力をするんじゃなく、今ある物をどこに突っ込むか?しか考えてないもんから、どんどんどんどん収納場所を増やし続け、いよいよ収納する場所がなくなったら、途方に暮れて収納放棄した、と。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、
バカか、あたしは。
きっとあたしの脳みそには皺が一本もないんだ。
親指大でツルッツルなんだ。
パチンコ玉みたいな脳みそなんだ。
だから博打が好きなんだ。
そうだそうだ、そうなんだ。
・・・・と自暴自棄になってるだけじゃ片付かないわけで、土曜日から日曜日にかけて、タバコを吸うついでに4畳半にある物を捨て始めたのだが、まずはその汚さにうんざりした。

部屋の入り口に近いほうはまだマシだけど、窓に寄れば寄るほど土埃が酷くて、その汚さっつったら、ほぼ屋外。
タバコを吸うたびに窓を開けてるくせに、15年くらい掃除をしたことがないもんだから、それはそれは汚い。
全て自分がしでかした事だけど、汚れやカビって、なーんかテンションが下がる。
それと。

4畳半からポロポロ出てくるこういうノートでもテンションがドーンと下がる。
ここにノートを置いたことはすっかり忘れてたけど、実はこれまでも、4畳半を片付けている最中、頻繁にノートを見つけていて、それを開くたびにテンションが下がりまくっていた。
なぜなら、それらは全部

日 記 だ か ら 。
あたしは、10代半ばから20代半ばまで、ノートに日記をつける習慣があった。
夜寝る前にベッドで、その日あったことや思ったことをノートに書いていた。
・・・・こ、この時点で既にイタい子ちゃん臭がプンプンするが、それ以上に、書いてることがとにかくイタイ。
若気の至りと言えばそれまでのよーな気もするが、でも、それだけでは片付けられないイタさがあって、チラっとでも見たが最後、吸ってるタバコで火をつけて燃やしてしまいたい衝動に駆られた。
が、そんな気持ちをぐっと堪え、ノートを細かく破って捨てた。
で。
8畳間に戻った。
どうして一気に引き出しの中まで片付けちゃわないのかなあ?ってのは自分でも思うけど、やる気が起きないんだから仕方ない。
それから暫くしてまたタバコを吸うついでにベッドの下の引き出しを開けてみるとそこにはやはり、

また服が入ってたわけで。
『 COMME des GARCONS 』 はもちろん、


『 VIVA YOU 』 や 『 Vert Dance』 もまだまだあるようで。
これだけあるともはや、何枚あったんだ?とか何枚捨てたんだ?とか、
つーか、どんだけ金遣ったんだ?
なんてことは考えられなくなる。
恐ろし過ぎて。
次の引き出しももちろん服。
『 SHIPS 』 のシャツがわんさか出てきた。

が。
その中にやたらバブリーな服を発見した時だけ、少ぉーしテンションが上がった。

(ジャケットはすごく短いかすごく長いか、両極端な時代)
くぅーーーーー!
バブルって、堅気のねえちゃんがこんなドギツイ色の服を着るのもアリだったなあ。

(直径約3センチ)
そうそう!
VERSACE の影響なのか、ゴールドのやたらデカくてデコラティブなボタンが必須だったの!

(膝上丈もデフォ)
バブル期に流行った服だけは、どれだけ時代が回っても二度と再び流行ることがなさそうに思えるなあ。
こんなモンばっかりだったため引き出しの中の服は全部捨て、次は更に汚いスポットへ着手した。

(ベッドと壁の隙間にあったラック)
いやあ、汚い。
写真を撮る気が失せるほど土埃にまみれてる。
でも、多分ここが4畳半の中で一番汚い場所だろうから、ここさえ済めばちょーっとは気がラクになりそうな気がした。
ちなみにここには大量のカセットテープが入っていた。
しかも、大量のボタンと同じように、かなりマメなことをしている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
汚 す ぎ て 何 だ か 判 ん ね 。

(当時の字はギリギリ読める) ←夏目基準
全く記憶にないのだが、ラベルから推察するに。
『 KOIZUMI IN MOTION 』 っていう、小泉今日子のラジオ番組を、初回からテープに録っておいたらしい。
で、この番組は毎回ゲストがいたようで、初回はフリッパーズ・ギターだったらしい。
こんな風に、「ラジオ番組をテープに録る」ってことを昔のあたしはよくやっていたようだ。
ラジオ番組を録ったテープのラベルは手書きだけど、アルバムを録ったテープは全部ワープロ(!)や英文タイプ(!)でラベルが作られてた。
たったこれっぽっちのことを土日いっぱいかけてした。
チビチビと、4畳半にある最後の服と、最後・・・・かどうか定かではない約400本のカセットテープをゴミ袋に入れただけで、ベッドの下にあった収納ボックスやカセットテープが入っていたラックを洗うこともしなかった。
あまりに中途半端なので達成感なんてない。
でも、中途半端な片付けの積み重ねで今に至っているので、続きは気が向いたらやればいいだけだ。
慌ててスッキリさせなくても、気持ちが乗った時にスッキリさせればいい。
こうして日曜が終わった。

で、昨日の朝のことだ。
いつものようにタバコを吸うため4畳半の部屋に入ったのだが、どーも、ゴミを捨てる気になれない。
DVDを見ながらワインを呑み過ぎたのがいけなかったのか、頭が重いよーな気がした。
まあ、纏めたゴミをすぐに捨てないのも今日に限ったことじゃないので、「次のゴミの日に捨てりゃあいいか」と考え、ほんとーにゴミを捨てずに会社に行った。
ところが、だ。
お昼時、出先で思いがけずポッカリ時間が空いてしまった。
それを上司に電話で報告すると、「マンガ喫茶にでも行ってれば?」と言う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
こんなこと、前にもあったよな・・・・。
上司の言葉を聞きながらあたしは時計を眺め、脳内シミュレーションを開始した。
次の約束まで1時間半か。
一旦家に戻り、ゴミを持って家を出て、またここまで戻って来るのなら余裕。
往復1時間かかるかかからないかだ。
・・・・いや、ダメだ!
それじゃメシが食えない!
あ、じゃあ、家で食えばいんじゃね?
家に帰ってメシ食って、ゴミ袋を持って家を出て、ゴミを捨ててまたココに戻ってくる、と。
約束の15分前には戻ってきていたいから、メシを15分で食べれば何とかなりそうだ。
よし・・・・。
帰るぞ!
家に着き、バッグを玄関に置いてキッチンへ向かった。
で。
気づいた。
調理の時間を計算に入れてなかった。
あたしが短時間で作れるものと言えば、チャーハンくらい。
でも短時間つったって、料理の出来ない女のそれは、普通の人の3倍くらいだ。
汗だくになってチャーハンを作り終えたのは、家に到着してから25分後。
食う時間はない。
しかも。

す げ ー 不 味 そ う だ っ た 。
昼メシを抜く覚悟を決め、まだ寝ていた夏目父に置き手紙を書き、ゴミ袋を持って家を出た。
いつもありがとう。
お父様のために心を込めて作りました。
少し早いですが、父の日のプレゼントです。
娘より
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
只 今 夏 目 家 冷 戦 中 。
どれほど不味かったのか知りたいのに、口きいて貰えね。
お父様のために心を込めて作りました。
少し早いですが、父の日のプレゼントです。
娘より
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
只 今 夏 目 家 冷 戦 中 。
どれほど不味かったのか知りたいのに、口きいて貰えね。



最近よくブロガーの方から「このブログについて記事にしていいですか?」というメールを貰うんですが、いじられてナンボのブログなので許可は要りません。
どーぞどーぞ、お好きなようにいじってやってください。
ちなみに、あたしと同じく、いじられてナンボなブログをやっているこの方とセットでいじるのもアリです。
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