BOOK INFOMATION
あとは4畳半にある物を捨てれば、あたしがぼんやりと思い描いていた、片付けの第一段階が終わる。
「長かったなぁ・・・・」と思ってふと過去ログを見てみると、4畳半の片付けに着手したのは、8畳間の片付けを始めて2ヶ月半ほど経った2006年12月5日の夜だったらしい。
「最初はぁー、まずぅー、8畳を片付けてぇー、それが終わったらぁー、4畳半に着手ぅ?」・・・・ってこんな口調の三十路女はイタイけど、片付け始める前はそんな風に思っていて、でも、8畳を片付け始めてみてすぐにそれじゃダメだということに気がついた。
というのも。
8畳を片付けながら、捨てると決めた物をゴミ袋に詰めても、そのゴミ袋を置く場所がなかったからだ。
「とりあえず・・・・」と、まだ整理できていない物をよけてゴミ袋の置き場所を作ったところで、あたしの住んでいる地域では、家庭ゴミの収集日は週に2回で月曜と木曜。
土日で出たゴミを月曜に捨てそびれると、木曜日まで部屋に置いておかなくてはいけなくなる。
ということはつまり、せっかく土日に片付けても、月曜日にゴミを捨てそびれてしまうと、木曜日までは部屋にある物の量は減らないままなわけで、物が減らないと動きづらくて仕方ない。
加えて、最初の頃は、「せっかく片付けたのにゴミを出し忘れた」ということに軽ぅーく凹んだりもしていたから、自分で自分のやる気を萎えさせないためにも、ゴミ袋の一時置き場を作らなければと思ったのだった。
結果的には、8畳と同時進行で4畳半も片付けたのは正解だったんじゃねえの?と思う。
ゴミ袋置き場を確保できたことで確実に効率が上がったし、8畳の片付けに飽きたり片付ける気が起きない時でも、タバコを吸うために4畳半に入ったついでに、4畳半の学習机にある物を1つ手に取ってゴミ袋へ入れただけでなーんとなく、「今日も片付けた」という気になれたから。
ふぅー。
汚部屋がひとつじゃなくてふたつあって良かったわー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
なんてことはもちろん思ってねえけど。
ただ、「8畳は片付け終わったけどまだ4畳半が残ってる」なんつー状態を考えただけで思いっきり気が遠くなるから、二部屋が同じくらいの時期に一区切りついて良かったなぁ、と思っている。
さて。
4畳半に残る物もあともう少し。
とりあえず学習机を解体しようと思っていた矢先、キッチンの水まわりを修理をしようとその方法をネットで検索していたら、あるテレビ番組のサイトに辿り着き、そしてそこで、なんとも興味をそそるテーマを目にしてしまった。
7月6日(金)
念願の書斎机を自分の手で!
プロ風に仕上げるスプレー塗装の技をご紹介します。
団塊世代のDIY(2)
子ども机を書斎机にリメイク
講師:鈴木雅博
NHK教育テレビ 『 住まい自分流 ~ DIY入門 ~ 』 ホームページより
あたしはオッサンなだけで団塊世代じゃないけれど、でもなんだか楽しそうじゃないかー。
長年使えてなかった古い家具を捨てるのは爽快だけど、再利用できるならしたいし、自分の手で出来る範囲のことならやってみたい気がする。
上手に出来るかどうかは考えず、とりあえずチャレンジだけはしてみよう。そうしよう。
結局4畳半にある学習机は残すことに決め、他のゴミを集め始めた。
まずはこれ。

カセットテープが入っていた土埃まみれのラックの奥にあった。
箱ごと引っこ抜いてみる。

どう見てもポスターだよなあ。
何となく、どういう類のポスターなのかも判っちゃったし汚れもヒドイけど、中身を確認したい欲を抑えることができず、全部開いてみた。

うおーーーーーーーーーーーー!
なーつーかーすぃーーーーーー!
EPIC SONYの黄金時代だー!


好きだったもんなぁ、バービー。(遠い目)
このパネル、前の家で貼ったような気がするなあ。
でも。
小学生の時はコレ貼ってたんだよなあ。

(お母さんと一緒に、近所のタバコ屋に貰いに行った)
や っ ぱ 、 友 達 と 話 合 わ な か っ た ん じ ゃ ね ?
ポスターのほとんどを処分して振り返ると、カーテンレールの上にまたもや懐かしい物を発見した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ああ・・・・。
また、切ない思い出が甦るブツかよ・・・・。
すげー汚そうだし、昔のことを思い出すから触りたくない。見たくない。
でも、そういうモノこそ捨てなくちゃ。

アイタタタタタタ...........。
全然やる気のないあたしに、一生懸命にテニスを教えてくれた工藤クン、テニスが縁で知り合った女の子と結婚して、もう子供が2人いるんだよなあ・・・・。

基本の「き」の字も覚えなくてごめんよ。
あの頃あたしがしょっちゅう、風邪ひいたりお腹が痛くなったりしてたのは、テニスに行きたくなかったからなんだよ。
つうか。
仮病ばっか使っちゃってごめん。
それと。
せっかくくれたテニスの本を

こんなにしちゃってホントにごめ・・・・・って、別にいっか、謝んなくても。(サイテー女)
あたしが一回も結婚してねーのに、工藤、2回も結婚しやがったんだし。
うんうん、いいやいいや。
なんか謝んなくてもいい気するよ。
つうか、むしろ。
謝って貰いたい気ぃすらしてきたよ。(勘違い女)
最後に。
4畳半にある物の中で、一番その安否を確認するのが怖かった物を学習机の足元の一番奥から引っ張り出してきた。

これさえ無事であればいい。
これさえ無事だったら、あたしはこれからも片付けをがんばれる。
どうか無事でありますようにと、祈りながら蓋を開けた。

あたしは子供の頃、スーパーマーケットのレジ係りになりたかった。
当時はバーコードリーダーなんてものはなく、買い物カゴの商品を手に取り値札シールを見ながらレジスターに値段を打ち込むのが主流で、あたしはお母さんと買い物に行くと、お母さんとは離れてレジに行き、お母さんの買い物が終わるまでずっと、レジをうっとり眺めている子だった。
特に、電子レジスターではない古いタイプの物が好きで、誕生日やクリスマスが近くなるとあたしは決まって「レジスターが欲しい」と言っていたが、もちろん買ってもらえなかった。
中学を卒業したら高校へは行かず、スーパーのレジ係りになろうと思っていた。

ところが、中学生になったばかりのある日、家に帰るとあたしの部屋にコレが置かれていたのだった。
何の前触れもなく、だ。
驚いたあたしがお母さんに聞くと、お母さんはあっさりと言った。
「レジっぽいからあんたが好きかなあ、と思って」
お母さんの予想は当り、あたしは中学の3年間、家では英文タイプを打って過ごした。
勉強をした記憶はほとんどない。
英語の教科書や、洋楽のレコードの歌詞カードや、とにかく英語を見るとそれをそのまま英文タイプで打ってみた。
英文タイプを買ってもらったおかげで、中学1年の夏にはブラインドタッチが出来るようになり、英語が身近になった。
勉強には相変わらず興味がなかったが、英文タイプでキーを打つことに慣れたあたしは、レジ係りになりたいという夢をいつの間にか忘れ、語学にハマるわけでもなく、何故か、機械に興味を持っていく。
その後の人生に多大なる影響を及ぼした物だった。
これが無事だったのが嬉しくて、リビングにいる夏目父に見せにいった。
「とーちゃん、これ覚えてる?」
リビングにいる夏目父はいつものように、お腹の上に猫を乗せてソファーに寝転がっていた。
そして、あたしの方を見ずに訊いた。
「なに?」
「英文タイプ」
「ああ」
「無事だったよ」
「そう。なにそれ、取っておくの?」
「うん」
「捨てなよ」
「なんで」
「なんとなく」
「捨てないよ。だってお母さんが買ってく・・・・」
「お母さんじゃねーよ。俺だよ、俺」
「は?」
「オ・レ・が・買っ・た・の」
「はぁ?」
この日、夏目父の口から明かされた20数年目の真実は、なんとも気が抜ける話だったが、かいつまむと。
その昔、夏目父がまだサラリーマンだった頃、取引先の人と一緒にクラブに行った時のこと。
席についたホステスの中になーんか見覚えのある顔を見つけた。
それは夏目父の勘違いではなく、向こうも夏目父に見覚えがあったようで、そして向こうの方が夏目父より記憶力が良かったようで、「夏目さん・・・・?」と声をかけられた。
そして夏目父は思い出した。
そのホステスさんの名前は「ユウコちゃん」。
数年前、全く違う土地で暮らしていた時、夏目父の勤め先の近くにあった喫茶店で働いていた女性だった。
しかし、何故ホステスに?
結婚するからって喫茶店を辞めたハズじゃ・・・・?
そんな疑問を口にすると、ユウコちゃんは目を潤ませて、ここ数年自分の身の上に起きた出来事を語りだした。
詳しいことは夏目父も忘れてしまったらしいが、ユウコちゃんは子供が出来て結婚することになり喫茶店を辞めたのだが、入籍する前に、旦那になるハズだった人が行方をくらましてしまったらしく、実家のある土地に戻り子供を産み、親の世話になりながら子供を育て、生活のために日夜働いているらしい。
ユウコちゃんの昼間の仕事は、事務機器の販売。
そう。
夏目父はユウコちゃんの身の上バナシを聞いてホロっときて、ユウコちゃんのその月のノルマ達成に協力するために、英文タイプを買ったのだそうだ。
「・・・・・・・・・・・・捨てたくなってきたんスけど」
「だろー?俺だってそれ見ると、キョーちゃん(あたしの母親)に叱られた時のこと思い出しちゃって胸が痛くなるよ」
「叱られたんだ」
「そりゃーもう、離婚の危機だったよ」
「ふうん」
「酔った勢いだったんだけどね」
「ふうん」
「ああ・・・・胸が痛い」
ここであたしは、名案を思いついた。
「決めた!」
「捨てンだろ?」
「捨てない!とっておく!」
「はぁ?」
「とーちゃんの部屋に置いとく!」
「はぁぁぁぁぁぁ?」
「とーちゃんが無駄遣いしないよーに、戒めにね」
夏目父は思いっきり嫌がったし、戒めというのも夏目父の部屋に置くというのも嘘だけど、でも、真実が判ったところであたしの、お母さんへの感謝の気持ちが変わるわけじゃない。
とっておきましょう。そうしましょう。
こうして7ヶ月に渡る4畳半の片付けも一区切りついた。
ちなみに。
掃除はまだしない。
学習机をリメイクする時にまた汚れるだろうから、掃除はそれからやればいい。
というか、壁紙も絨毯も貼り直さないといけないし、ブラインドや照明も変えなくちゃいけないから、掃除というよりは全体的にリフォームする必要があるんだろうなあ。
さて、それではご覧頂きましょう。
ちなみに。
4畳半で一番酷かったのはベッドの上で、7ヶ月前はこんなでした。

ベッド、見えねーし。
で、7ヶ月かかってここまでになりました。

(結局行き場のないトトロ)
ちなみに。
4畳半で一番酷かったのはベッドの上で、7ヶ月前はこんなでした。

ベッド、見えねーし。
で、7ヶ月かかってここまでになりました。

(結局行き場のないトトロ)
トトロは洗いたいのだけれど、何せ図体がデカいので、真夏に洗おうと目論んでます。
で。
他の場所も、汚れはあるけどゴミはない。というところまで何とか辿り着きました。




(きたね)
ふぅ。
リフォームが大変そうだけど、真夏に大汗かきながらやりましょう。そうしましょう。
ところで。
8畳と4畳半合わせて一体どれだけのゴミを捨てたでしょうか。
そして。
ゴミを捨てるのにどれだけのお金がかかったでしょうか。
実はあたしはこれが一番気になってました。
というわけで、何の参考にもならないだろうけど数字発表。
ゴミを捨てるのにかかった費用は、
・家庭ゴミ
ゴミ袋代:45リットル30枚入り168円×2包+同198円×2包=732円
・粗大ゴミ
第1回収集依頼分:コタツ・布団・CDラジカセ 1,200円
第2回収集依頼分:ファンヒーター 400円
ゴミ処理工場持込分:ゴルフバッグ・釣竿・布団・プリンタ等 1,000円
計、3,332円。
捨てたゴミの量は、45リットルのゴミ袋でなんと!112袋!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
す げ え 溜 め て た の ね 、 あ た し ☆
捨てたゴミの量は、45リットルのゴミ袋でなんと!112袋!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
す げ え 溜 め て た の ね 、 あ た し ☆
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