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片付けられない女魂     Amazon
(扶桑社 / 全503頁 / 書き下ろしアリ)



7月初旬、単なる気まぐれで「今年はお盆、ガッツリ会社を休むから」と上司に言ってみたら、タメ口で言ったのが悪かったのか、例年通りあっさり却下された。
で、先週末、またまた気まぐれで、「来週ガッツリ休むからね」と上司に言ってみたのだが、これまたあっさり却下された。
却下理由も例年通りで、
「お前がガッツリ夏休み取ったところで、墓参りして野球観て呑んで雀荘行って散財するくらいしか用ねぇだろ。男がいるわけでもあるまいし」というもの。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



概ね合ってるが、最後の一言が余計だよ、部長。



11日、土曜日。7ヶ月ぶりに夏目叔父がやって来た。
で、リビングで夏目父とふたり、酒盛りを始めたのだが、それに付き合うと長くなりそうだったため、あたしはひとり部屋に篭り、汗だくで再校分のゲラとにらめっこすることにする。




(なんとか、広辞苑並みの厚さではなくなりました)



12日、日曜日。
夏目父と夏目叔父は午前中から酒盛り。
あたしは引き続き汗だくで再校分のゲラとにらめっこ。
そして夕方、部屋に篭ることにも飽きた頃、オッサンふたりに誘れるがまま野球観戦へ。






13日、月曜日。早起きしてお墓参りしてから出社。






静かなオフィスでの仕事はやたら捗り、気分良く定時で退社するも、「こんな日にまっすぐ帰るのはもったいない」と思い始め、家の近所の雀荘へ立ち寄り、その日に稼いだであろう額の倍くらいを、甚平姿の見知らぬオッサンに寄付して帰宅。

14日、火曜日。
暑さで早くに目が覚めたので、早くに出社。
相変わらずオフィスは静かで仕事が捗った。
が、昼過ぎに夏目父からきたメールを見て、顔面蒼白になる。
そのメールとは。



「小林くんが、帰省したついでに我が家にお土産をもってきてくれました。今はリビングで一緒に呑んでます」



小林は、あたしが10代後半の頃に付き合っていた男なのだが、不思議なことに、あたしと別れてからも小林は夏目父と仲良くしていて、小林が帰省するたび一緒に呑んでいるらしいのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ふたりが仲良くしてるのはいい。
別れてから10数年も知らん振りできてるから、これから先も文句言うつもりはない。
でもなあ、とーちゃん。
家にあげんなよ。外に呑みにいけよ。
とーちゃんは知らないだろうけど、別れたのにはそれなりの理由ってもんがあるんだぞ。あたしにとっては嫌な部類の思い出なんだぞ。
だからほんと、お願いだから外に呑みに行ってくれよ・・・・。

というわけで、仕事帰りは小林を避けるべくまた雀荘へ。
日給程度の額を、近所の金物屋店主に寄付して帰宅しようとするも、夏目父から「焼酎とソーダと氷買ってきて」とメールが入る。
すぐさま、「小林、まだ居るの?」と返信すると、「今日泊まるから」と、小林本人からメールがきた・・・・。
いろんなことを諦めて、言われたものを買って帰りリビングへ行き、5年ぶりくらいで会った小林と軽く挨拶を交わして自室に篭りゲラチェック。



15日、木曜日。
早朝に目が覚めた。静まり返ったリビングを覗いてみると、夏目叔父・小林のほかに、何故か二代目までが寝ていた。
うんざりして家を出たものの、通勤途中でゲラを発送し終えると気持ちも爽やかになりイイカンジの気分で出社。
すると、会社の後輩・須賀野から「彼女と別れた」という報告メールが届いた。
「・・・・あのね、須賀野。そういうことは報告しなくていいからね。第一お前の恋愛事情に興味ねーし」と思い返信せずにいると、須賀野から「呑みに行こう」メールが届く。
なのでソッコーで、



「 行 か ね 」



と返信。
この日もまた仕事がかなり捗ったことに満足して定時退社。
が、帰り道またもや夏目父から、「ビール買ってきて」とメールが届く。
近所のスーパーマーケットでビールを買い帰宅するも、何故か家で、あたしの家のリビングで須賀野が呑んでいて、しかも、小林がまだいて、あげく、オカマ店長までいたため、すごすごと自室に引き篭もった。



・・・・という話(長い)を、さっき上司に愚痴ったところ、上司は涙を流して笑い、そして言った。



「じゃあ今晩は、俺がお邪魔しよ・・・・」













「 来 る な 、 ボ ケ 」
(註:三十路女が上司に言った言葉です)



それにしても。
あたしは夏休みも取らず、一体何のために仕事をしているのだろうか。
もしかして、夏目父の酒代のため?
それとも、リビングのエアコンの電気代を払うため?
もしくは、見知らぬオッサンに施すため?


「ねえ。あたしは何のために働いてんの?部長」


猛暑でイカれたらしい三十路女のこの、実にアホらしい質問に、だけど上司は答えてくれた。


「何のためかは判んないけど」
「・・・・判んねーのかよ」
「うん。何のためかは判んないけど、でも」
「うん」
「ただひとつ判ってることは」



「お前が麻雀強くなればい・・・・」







「 そ れ 以 外 の 答 を く れ や 」
(註:三十路女が上司に言った言葉です)



そんな不機嫌な三十路女に、しかし上司は追い討ちをかけた。

「それにしてもお前んちってさ」
「あ゛?」



「独りモンばっかりが集ま・・・・」






「 黙 れ 」
(註:三十路女が上司に言った言葉です)



兎にも角にも。
今日こそは小林がいませんよーに。 ←ウチで二泊したらしい
二代目もオカマ店長も須賀野もいませんよーに。
つうか。



あたしのビールがありますよーに。






#単行本の作業が一段落したので、ボチボチ片付け再開しまーす。



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 ↑カナさんが新しく始めた「つぶやき」、なんだかすごく癒されます。