BOOK INFOMATION
汚部屋を片付け始めた頃は、「片付けが一段落したらさぞかし散財するだろう」と思っていたのに、未だに物欲が湧いてこない。
たとえば本棚を買いたいと思ってネットショップや通販雑誌を見てみても、色や値段や機能に関係なく、どれもこれもがピンとこない。
というか、自分がどんな物を求めているのか?とか、どんな物なら気に入るのか?が、全くちっともさっぱり判らない。
10年以上、自分の部屋に目を向けず暮らしてきたせいで、そっち系の感性が鈍くなってるんだろうね。
って、誰に同意を求めてるんだろうね。(知らね)
でも、金子由紀子さんの新刊、『 モノに振りまわされない! 片づけのコツ 』
外へ出よう、と。

ネットで物を買うことに慣れたせいで、欲しい物があると、出かけるよりも先にネットで買えるかどうかを調べるのが癖になっている。
それ自体は悪いことじゃないと思う。
ネットで買ったほうが安いことも多いし、フットワークが重いあたしにとっては、思いついた時にすぐ買えるネットショッピングが最も便利だ。
ただ、悪い意味での「通販慣れ」もしてしまっている。
冊子なりWebなりで見たカタログと違うイメージのモノが届いても、「ま、ま、まあいっか・・・・」と諦める癖がついてしまっている。
別の商品が届くんでもない限り、違いの全てを自分で勝手に「誤差の範囲」にしてしまう。
これだけならまだいいが、あたしの場合、ネットでアレコレ見ているうちに思い描いていた物を探すことがメンドウになり、雰囲気で「買い物カゴに入れる」ボタンを押してしまったりする。
そうやって雰囲気で買ったモノは、9割9分、愛用品にはならない。


特にこだわりを持って買ったわけでは、もちろんない。
これを買った時に一緒だった、リラックマ好きな姪にそそのかされたわけでもない。
「じゃあ何でリラックマだったんだ?」と胸に手を当てて考えてみる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

壊れた。
というわけで先々週、スリッパを買うためだけに出かけてみた。
成り行きだったが今回も姪が一緒で、途中からは夏目父も合流した。
しかし、このコンビはいろんな意味で邪魔くさい。
今回も、真剣にスリッパを選んでいるあたしのすぐ脇で、こちょこちょクスクス喋っていた。
しかもこいつらはいつでもあたしに聞こえるように喋りやがるから始末に負えない。
姪 「どうしてリラックマのを買わないの?」
夏目父 「キャラクター物を買うような歳じゃないからだよ」
姪 「じゃあキティのも買わないの?」
夏目父 「買わないだろうね」
姪 「えーーーーー」
夏目父 「今度は大人っぽいのを選ぶんじゃないの?」
姪 「ベジータのとか?」 ←ドラゴンボールファン
夏目父 「・・・・それ、お前が欲しいだけだろ」
姪 「うん!欲しい!」
夏目父 「そういうんじゃないと思うよ。もっと違う意味で大人っぽいやつ」
姪 「『北斗の拳』のレイのかなあ」 ←大丈夫かぃ?
夏目父 「そうじゃない?」 ←コイツはもうダメだ
姪 「レイのスリッパ履いたら、○ちゃん(=あたし)、もっと強くなる?」
夏目父 「え。○ちゃん(=あたし)が今より強くなったら・・・・」
姪 「なった・・・・ら?」
夏目父 「怖い怖ーい!」
姪 「こわいこわーい!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
お 前 ら 、 帰 れ や 。
しかし、よくよく考えてみたら。
これから先も延々片付けは続くし、汚部屋の片付けにはスリッパが必須だし、4畳半を自力リフォームすることを考えると、履き心地だけで選んだほうが良さそうだ。
見た目なんてどうでもいいのかも。
リラックマだろうがリボン猫だろうが、ベジータだろうがレイだろうが、どんなんでもいいや。
自分の好みに合ったスリッパは、部屋がちゃんと片付いたら買えばいいんだ。
せっかく重い腰を上げて出かけたっつうのに、「どんなんでもいい」という結論に辿り着くとは自分でも思ってもみなかったが、そうとなれば選ぶのは簡単!
・・・・と思った直後、あたしに急用が出来てしまった。
結局あたしは何を買うこともなく、夏目父と姪と別れた。
用足しを終えて携帯を見ると、夏目父からメールが届いてきた。
メールは簡潔だった。
「ふたりで選んでスリッパ買ったから」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
す げ え イ ヤ な 予 感 が す る ん で す け ど 。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
す げ え イ ヤ な 予 感 が す る ん で す け ど 。
家に帰るとあたしの部屋に、見慣れたロゴの袋が置いてあった。

ん?
ユニクロは見てみてなかったから、中身が想像できない。
で、恐る恐る袋を開けてみた。
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