BOOK INFOMATION
たとえば、1枚の紙を2つ折りにする時、角をピッタリ揃えないと気が済まない人もいれば、揃える気はあるのに揃えられない人もいれば、揃える気なんかさらさら無い人もいる。
そのほかに、仕事中なら無意識に角を揃えているけれど、家に帰ってきた途端、角に意識が行かなくなる人・・・・は、あたしだけじゃないはずだ。

(角に意識が行かないどころか、ファイリングすらしないまま放置して3ヶ月)
時々は「あらまあ」くらい思うし、せめて書類をトントンと揃えればちょっとは見栄えが良くなることも判ってはいるけれど、でもあたしは、「この書類をファイリングするのはきっと、夏目父の会社の決算の時だろうなあ」と、まるで他人事のように思っていた。
ところが最近になって、「この書類、決算月にも整理しない可能性が高いような、いやそれどころか、もしかするとまた10年くらい放置するんじゃね?」という気がしている。
なぜならあたしは、ワゴンの向こうにある押し入れのカビを取・・・・おや?

(書類の隙間に何かがいます)

(ぴか?)

(ぴか!)

(ジグソーパズルのようなシルエットのぴか。出所は不明)
おうこら、とーちゃん。
これ、あたしのじゃないって、何べん言ったら判るんだ。
(註:今我が家では、これの所有権で揉めに揉めている。その話はまた)
話を元に戻すと。
あたしがこの書類をまた10年も放置すんじゃね?と思うワケは、押し入れ内部のカビを取る時にワゴンを動かさなかったから、というだけでなく、あろうことか、大工な友人がくれた断熱材を押し入れに貼る段になってもまだ、作業するのに最も邪魔なワゴンを動かす気になっていないからだ。

(押し入れの扉とワゴンの間は10センチ弱)
ワゴンの上の書類が雪崩っちまわないように気をつけながら押し入れ内部の採寸に挑むも、押し入れの前にしゃがみこむスペースがないため、メジャーの目盛りを読むことができない。
手を伸ばし、押し入れの奥までメジャーを入れることは出来ても、果たしてそのメジャーが真っ直ぐ伸びているのかどうかが判らない。
なので。
想 像 だ け で 図 面 を 描 く こ と に し た 。

(押し入れ下段左側の想像図。凸型かどうかも判らない。全て想像)

(押し入れ下段左側の想像図。凸型かどうかも判らない。全て想像)
・・・・と描いてはみたものの、形もサイズも想像上のものということは、この図面通りに断熱材を切る意味が無いことに気づき、
サ イ ズ は 測 ら ず 、 直 感 で 切る こ と に し た 。


一発で切ろうとしたら、

ガッタガタになっちゃったけど、いいのいいの。
だって、どーせサイズ合ってねぇんだもん。
角も、一発で切り落とそうとしたら、

ボッサボサになっちゃったけど、いいのいいの。
だって、こんな形かどうかも判んねぇんだもん。
「どうしてワゴンをよけて押し入れの戸を外して、ちゃんとサイズを計らないんだ?」とは、他の誰よりも一番強く、全世界で一番強く、あたしが思っている。
でも。
「まずワゴンをよけて、いや、今のまま動かすと書類がバラバラバラーって落ちそうだから、最初に書類をよけて、いや、よけるくらいならファイリングすべきだよな。よし、じゃあまずは書類をファイリングして、ワゴンを動かして、戸を外してどこかに立てかけて・・・・ってどこにだ?とりあえず4畳半に持っていくか。いや、でもそうなると、今晩中にコレをやり終えなかったら、また4畳半から8畳に戸を持ってくるのか?で、後日また戸を外して4畳半に運んで?そんで、えーっとえーっと・・・・」という脳内シミュレーションをしているうちに、断熱材を切り刻んでプラゴミで捨ててしまいたい衝動に駆られたのだ。
やばいやばい。
大工な友人の厚意を無駄にしちゃいかん。
そこまで落ちぶれちゃいかん。
だから。
かなり荒っぽいやり方ではあったが、イチかバチか、自分の想像力に賭けてみることにしたのだ。

(想像には限りなく近いが、想像と現物の距離に問題あり)
さて。
1枚切り抜いただけだけど、まずはめてみるか。
ところで、これがパコっとハマればいいけど、もしブカブカだったら壁にピタっと貼り付けなくちゃいけないよなあ。
何で貼ればいいんだろう。
糊かな。両面テープかな。ご飯粒かな。(最後のは絶対違うぞー)
しかし、あたしのこの悩みは、意外にもすぐに解決した。
だって。

(サイズがどうなのかは不明だが戸を外さなければ入らないことだけは確か)
おう、大工。
マジで鮨食いに行くぞぉー。
(初戦敗退)
た だ し 、 軍 資 金 は 1 , 9 2 2 円 だ か ら な 。
(自分の想像力に賭けて負けたから、
リベンジだー!と鼻息を荒くして雀荘に行き・・・・以下略。悲しいから、略。)
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