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片付けられない女魂     Amazon
(扶桑社 / 全503頁 / 書き下ろしアリ)



注文していた壁紙の到着が後ろにズレたのでなんとなくホっとして、かねてから読みたかったブ厚い本を読み耽っていたら、「独言」という言葉が出てきた。
それをきっかけに、古い古い記憶が蘇り、やがてある疑問が湧き、それを割と真剣に考えているうちに、4畳半でまだ片付けていない箇所があることに気付いてしまった。



説明するまでもないだろうが、「独言」は字の通り「ひとりごとを言う」という意味で、「どくげん」と読む。
あたしがこの言葉を知ったのは、忘れもしない、小学6年の夏だった。
担任の先生が読んでいた本の題名にそれはあり、「どくごん?」と訊くと先生は、「惜しい。どくげん」と言った後でその本がいかに面白いのかを語ってくれた。
でも、「お前の歳で読んだってちーっとも面白くないけどな」とも言った。

「どうして?」
「旧仮名遣いだから読みづらいし、大人の本だから」
「へえ」
「お父さんが呑んでるビールの匂いを嗅いで、美味しそうって思うか?」
「ううん」
「その美味しくなさそうなビールを呑んでるお父さんの気持ち、わかんないだろう?」
「うん」
「そういうことなんだよ」
「ふうん」

何が「そういうこと」なのか、小学6年のあたしには判らなかったが、今になって思えばその本には、お酒以外の大人な話も書いてあったのだろう。
でも、先生が持っていたその本は文庫本より少し大きくて、自分がいつも読んでいる本とも親が読む本とも違い、なんだかとても魅力的だった。
ところが、本の題名と著者を頭に刻んで町の本屋さんに行ってみたが置いてない。
学校の図書室にも町の図書館にもない。
どうしたらあの本が読めるのだろうと思い母親に訊いてみると、「本の題名と書いた人の名前と出版社を言えば、本屋さんで取り寄せてくれるよ」と言う。
そこで、「本の題名と書いた人は判るけど、出版社は判らない」と言うと、「じゃあ、本屋さんにそう言って調べて貰えば?」と言う。
・・・・って、今書いてて思ったけど。



母よ、小学6年生の娘がエゲツナイ本を買ったらどうする気だったんだ?



ブ厚い本に出てきた「独言」という言葉で思い出したのは、そんな風にして小学6年のあたしが手にした1冊の本のことだった。
で、あの本、どこにやったっけ?
先生が言うには、大人になって読んだら面白い、でも、



大人になっても、8行読んだら猛烈な睡魔が襲ってきたあの本はどこだっけ。
(本当)



8畳を片付けてる時、部屋にある本は全部確認したし、4畳半のいたるところに積みあがっていた本も全部確認した。
売ったり譲ったりした本はあるけれどゴミとして捨てた本はないから、もしかしてずっと前に夏目父の部屋の本棚に入れたままになってるんだろうか?
が、それを確認しに行くも見つからない。
いよいよ不思議だ。



・・・・・・・・・・・・・・・・あ。








(まだヤニだらけな4畳半のドア上)



そういえば4畳半には、キッチンにあるような形の収納があったんだった。
8畳の天袋ばかりが気になってて、ここの存在をすっかり忘れてたよ・・・・。
学生時代のアルバムと本がちょっと入ってるのは覚えてるけど、あとは何が入ってるんだっけ。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





べ、別にいっか、開けなくてもっ。
(何で)



なんてことを言ったらここの家から出る時までこのままだろうから、気合いを入れて開けてみることにした。
えい。 ←気合い(夏目基準)






でも入ってそうな木箱が気になるけどそれはまた後で開梱するとして(いつ!)、今確認したいのは「独言」な本だ。
ここはひとまずほっといて、右に続く扉を開けた。
えい。






ああ、やっぱあった!




(「 夢酔独言―勝小吉自伝 」。勝海舟のお父さんが書いた「俺の生きざま記」)



久しぶりにパラパラと捲ってみたが、どう考えても小学6年が理解できる内容じゃあない。
かといって、言葉が乱れまくってしまった今のあたしでは読める気もしない。
まあ、これから先、睡眠障害にでもなった時は、迷わずこれのお世話になることにしましょう。そうしましょう。
つうか。
ここも整理しないとなあ・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?












(またお前か)



つうわけで。
8月中にたった1日だけある夏休みは、ここを片付けることに決めた。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





(たった1日の夏休み・・・・?)



(墓参り以外に何か予定があった気が・・・・)



(あ)



(まーじゃ・・・・)





見知らぬオヤジに貢ぎに行かず、片付けましょう。そうしましょう。





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