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片付けられない女魂     Amazon
(扶桑社 / 全503頁 / 書き下ろしアリ)



仕事が休みなんだからゆっくり寝てりゃあいいものを、ミニコンポのタイマーを切り忘れたせいで、昨日は7時に起床。
用もないのに7時に起床。
・・・・が、そういえば資源ごみの回収日だったことを思い出せたので、早速古新聞を縛った。




(自分でも呆れるくらいブレてる)



約2年前(!)、部屋を片付け始めたあたしが最初にやったことは、家のあちこちに大量にあった古新聞を捨てることだった。
まだまだ暑い9月の初めに、重い新聞紙を持って4階から1階までを8往復するなんて、何かの稽古?つうか、何のバツゲーム?くらい大変だったけど、今になって思えば、あの大変さを身をもって知ったから、あれからのあたしは大して新聞を溜めずに済んでいるのかもしれない。
今回は、マンションの下にある収集場所まで新聞を持って2往復、ダンボールを持ってもう1往復。






計3往復でも思いっきり汗だくになったけど、8往復の時とは比べ物にならない。
「あたしも随分成長したもんだなー」と、自分で自分に感心しながらリビングへ行くと、成長も学習もしない親がまた46型テレビでスーファミのテトリスをやっていた。



夏目父は、少なくとも13年、スーパーファミコンの 『 スーパーテトリス3 』 をやり続けていて、それはもう、「同世代で夏目父より上手い人はいないだろうなあ」と思えるくらいすげー腕前なのだが、一旦始めると、999,999点(が最高得点)になるまで決して止めないから始末が悪い。
約13年前、お姉ちゃんが結納について説明していた時も、夏目父はテトリスをしながら話半分に聞いていて、



「ゲームをやめて人の話を聞けっ!」



と思いっきり叱られても止めなかったため(アホ)、危うく、結婚直前の娘に縁を切られそうにもなった。
13年よくも飽きずに・・・・とはもちろん思うが、本人曰く、「とっくの昔に飽きてるけど、なんとなくやっちゃって、やり始めるとやめられない」、らしい。



お 前 は 小 さ い 子 か 。



そのテトリスを夏目父は昨日の朝もやっていて、あたしはこれまで一切それをどうこう言ったことはなかったが、昨日の朝ばかりは少し困った。
何故なら夏目父に用があったからだった。






つい最近、新しい電話帳が届いた。
で、それと一緒に、古い電話帳の回収日が書かれた紙が入っていた。






あたしが電話帳を使うことは皆無だが夏目父は仕事でたまに使ってて、でも、リビングで見かけたことはないから、古い電話帳は夏目父の寝室か仕事部屋にあるハズだった。
で、あたしは、その在り処が知りたかった。
テトリスをやりながらでも答えられそうな、簡単な話だ。
だから声をかけてみた。

「新しい電話帳きたよ。で、明日古い電話帳の回収日なんだけど、古いのどこにある?」
「んー」
「ゲーム終わってからでいいから出しといてね」
「んー」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
半分うわの空だとしても反応が鈍い。
全然大事な話じゃないからそれでもいいけど、確かにこれが自分の人生に関わるような大事な話だったら腹立たしいだろう。
しかも、話をするタイミングを見計ろうとも、一旦始めると何時間もやり続けているわけで。
やっぱ、あの時お姉ちゃんは相当頭にきただろうなあ・・・・。

なんてことを考えていたら、暫く無言でテトリスを続けていた夏目父が呟いた。

無いと思うけど
「ん?」
「古い電話帳なんかあったっけ?無いと思うけど
「・・・・ほう」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
よく考えてみれば、話し掛けるのは今じゃなくても良かったわけで。
こんなタイミングで話し掛けたあたしがアホだったわけで。
ゲーム終わったらまた訊いてみようと決めてあたしは部屋に戻った。
が。
昨日に限って夏目父は調子が悪かったようで、なかなか999,999点まで到達しない。
つまり。



朝から晩までずーーーっとテトリスをやっていやがるわけで。








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。








お 前 は 小 さ い 子 か 。





一緒に暮らしていようが離れていようが、自分と親とのフットワークの違いを感じることは確かに多い。
ただ。
だからといってあたしは、親を自分のペースに引き込むことはできないし、責めることなんて絶対に出来ない。
「物を捨てる」ということに関して言えば、あたしだってついこの間まではちっともさっぱり出来なかったわけで、ようやく自分にそれが身についてきたからといって親にそれを強いる気は微塵もない。
ましてや、「親が死んだ後で困るのはあたしなのに!」なんてことを、少しでも考えるようになったなら、あたしはあたしを嫌いになる。確実に。
生きてる間に親のケツを叩いて身の回りを片付けさせスッキリした気分で逝かすことを考えるより、その時が来たら、「後のことはあたしに任せて。全部あたしが片付けてやっから」と言いたい。
その時がどんなに大変でも、軽い調子でそう言いたい。
まあ。
娘のあたしより長生きしそうなヤツなんだが。(親戚一同、同じ意見)





結局、古い電話帳の在り処を聞けたのは、昨日の深夜。
具体的には、午前1時
15時間待ちだった。








(過去5回分溜まってても「無いと思うけど」と言えるのが夏目父)







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。







おうこら、オッサン。







今度テキトーなこと言ったら、スーパーファミコン捨てっからな。
(小さい子か)





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 二重が埋もれてもやっぱりすげー可愛いじゃねえか、バブ男くん。