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片付けられない女魂     Amazon
(扶桑社 / 全503頁 / 書き下ろしアリ)



お盆前のこと、夏目父が「仕事部屋にあるキャビネットを買い替えることにしたんだ」と言った。
それは、親子の会話としては自然かもしれないが、我が家の会話としてはとても不自然で、というのも我が家では何を買ってもブツが手元に来てからの事後報告が普通だからだ。

「・・・・あたしに買えって言ってんじゃないよね?」
「違うよ」
「すげー高いのは経費で落とさないよ」
「ケチだなあ、俺の会社」
「え゛。すげー高いの?」
「いや、そんなんでもない」
「じゃあ、何が問題よ?」

問題は、新しいキャビネットがそれまでのものより少し幅があるということだった。
で、今までキャビネの横にあった物を、作り付けの収納庫に入れようとしたのだが、そこが満杯で入らない、と。

「改めて見てみたら要らないモンが結構入ってたから捨てようと思うんだけど」
「ほう」
「それをさ、次のゴミの日まで4畳半に置かせてもらっていい?」
「おお!いいよー。あ、捨てる物の中に粗大ゴミはある?」
「ない」
「じゃあ、4畳半に纏めて置いといてくれれば、あたしが次のゴミの日に捨てるよ」
「いいの?」
「うん。ジャンジャンどうぞー」



これまでも度々書いているが。
夏目父はいかなる場合でも、「ゴミ袋を持って1階のゴミ収集コンテナに入れに行く」ということをしない。
娘が捨て忘れた生ゴミ入りのゴミ袋を風呂場で熟成させてみたり、自分から「捨てに行ってやるよ」と言ったくせに「持ってみたら結構重かった」という理由でゴミを置き去りにしたりするヤツだ。
自分の部屋から出たゴミをゴミ袋に纏めたところで、それを1階まで捨てに行きはしないだろう。
ただ、せっかく捨てようとしているのだから、その意欲は削きたくない。
だから、



「ゴミ捨て場に持って行くまでがゴミ捨てです」



なんて無粋なことは言わないでおいた。



キャビネットの納品日。
仕事を終えてあたしが帰宅すると、玄関がやけにスッキリしていた。
どこがどう変わったのか、一瞬わからずにいたが、どうやら、あたしが出しっぱなしにしていたロングブーツを夏目父が仕舞ってくれたらしかった。

リビングへ行くと夏目父は「おかえり」と言った後で、「あ、玄関にあったブーツ、よけたからね」と言った。

「すまないねえ。真夏にブーツ出しっぱなしにして」
「履いてないんだよね?」
「履いてない。でも仕舞ってもいなかった」
「そう。最近の若い子みたいに、真夏にブーツ履いてるわけじゃないんだね」
「・・・・若くないからね、貴方の娘さん」
「うん」

その後、夏目父が新しく買ったキャビネットを見てから自分の部屋で着替えをし、ベランダでタバコを吸おうと4畳半の部屋に入った。
するとそこには、なんとも懐かしい光景が広がっていた。













(「ブーツよけた」って、ここにかよ)







おうおうおうおう。随分ナメた真似してくれてんじゃねーかよ、オッサン。







・・・・と、ガラが悪くなったのが、お盆あたりのことだった。

ガラが悪くなったとはいえ、ゴミ袋に詰めることを途中で放棄したであろう夏目父に、呆れはしたけれどさほど腹が立ったわけではない。
そもそも、片付けられるとか片付けられないとかいうのとは違う次元で生きている人だからコレもアリなわけで。
寧ろ、そんな人の娘を長年やっているのに、未だにしょっちゅう意表をつかれてるあたしは、いつになったら夏目父に慣れるのだろうと思ったりした。
で。
この状態のまま暫く放置していたのだが、昨夜うっすらやる気になったので、明らかに要らないだろうと思える物をゴミ袋に詰めてみたら、ものの5分で先が見えてきた。




(ブーツは靴箱へ)



捨てるのか捨てないのか?捨てないとして、でも自分は本当にそれを使いこなせるのか?使いこなせるとしてもそれはどこに仕舞うのか?ということを考えながら選別するのは大変だけれど(夏目基準)、今回みたいに、はなから「捨てる」と決まっている物たちをゴミ袋に詰めるだけならすげー簡単。
これが自分の物ならば、手に取ってまた考えてしまったり、真剣に考えてるうちに猛烈な睡魔に襲われることもあるけれど、今回は全部が全部人の物だから超簡単。
が。
45リットルのゴミ袋2つ目がいっぱいになりかけた時、






思わず二度見してしまうような不思議な物を目にして、あたしの思考は停止した。(註:虫ではありません)
それは、どう考えても夏目父の部屋には無さそうな物だった。
というか。
自分ちでそれを見たこと自体、20年ぶりくらいじゃないだろうか。




(あります)











た・・・・わし・・・・?











たわし・・・・だよなあ?











寄 り 過 ぎ ?
(うん、かなり)



結局夕べはここまでで終了。
今朝はゴミ2袋を捨ててから出社した。
つうわけで、今晩は、



夏 目 父 を 小 一 時 間 問 い 詰 め る と こ ろ か ら 作 業 再 開 。





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 蟲師の買い物記事は勢いがある。虫記事と同じくらいの勢いが。