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片付けられない女魂     Amazon
(扶桑社 / 全503頁 / 書き下ろしアリ)



「この間、テレビで「キター!」の人が言ってたんだけど」(アクション付きで)
「ああ、山本ナントカって人?」
「ううん。ホンモノのほう」
「織田裕二ね」
「そそそ。その人が生徒に言ってたんだけど」
「月9か」
「うん。「学校の先生は生徒より勉強ができない」って。ほんと?」
「キミの担任の先生はキミよりも勉強ができるよ」
「そうだよね。先生は何でも知ってるもん。丸つけもすごく早いんだよ」
「ほう」
「パっと見て、すぐ○か×かわかるんだよ」
「月9って、高校生の話なんだっけ?」
「うん」
「じゃあ、数学を教えてる先生は、生徒がやってる英語のテストで大して高得点は取れないとかいう話でしょ」
「そう!あのね、「キター!」の人がね」(アクション付きで)
「織田裕二」
「織田裕二って人がね」(アクション付きで
「・・・・・・・・・・」
「生徒と同じテストをやってみたら、生徒より点数が悪かったの」
「なるほど」
「それって、学校の先生は生徒より勉強ができないってことになるの?」
「先生自身がそれを「勉強ができない」ってことにしてたんならそうでしょうなあ」
「えー」
「でも、学校の先生が生徒だった頃は出来てたんだよ」
「え!そうなの!?」
「そうです」
「じゃあやっぱり、学校の先生は勉強ができる?」
「少なくとも、先生が教えてくれる科目は、生徒より、教えてくれる先生のほうが物凄くできる」
「そうだよね!」
「っていうか、キミ」
「はい」
「10時まで起きてられるようになったんだ」
「ううん。ビデオ」
「そうか」

夜9時15分になると睡眠スイッチが入るため、未だに9時台のドラマをオンタイムで見られない小学5年の姪は、録画していたドラマの中で織田裕二扮する先生が言った、「学校の先生は生徒より勉強ができない」という話がショックだったらしい。
憎たらしい世代になればドラマのセリフを使って先生の揚げ足を取るヤツもいそうだなあと思いつつ、でもあたしが高校生だった頃に先生を見て、「コイツはあたしより勉強が出来ない」なんて思ったことは無かった。と思う。
でも、高校時代って、感覚的には7~80年くらい前のことだから(戦前生まれか)、イマイチはっきり覚えてない。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



いやホントはつい最近、自分の高校時代を、これでもかっっっ!っつうくらいに思い出したばかりだ。






結論から言えば、このダンボール箱の中には高校3年生のあたしが詰まっていた。
今の家に越してきた時に使ったダンボールを取っておいて、ご丁寧に、ベッドの下に入るよう高さを縮めて。






狭い4畳半の部屋でそれなりに工夫して暮らしていた若かりし頃の自分を垣間見てなんとも複雑な気分になったが、その中からは、様々な想いがブっ飛ぶほどキョーレツな物が出てきた。






高校3年の頃の教科書と、試験の答案用紙だった。
こういうものがまだ実家に残っている人は案外多い気がするし(夏目感覚)、教科書が出てきたところで全く驚きはしないが、ブっ飛んだのはそのチョイスだ。



あたしの記憶が正しければ。
高校生のあたしは、数学だけは大得意、英語と理科系は中くらい、でも、国語と社会は周囲の誰からも呆れられるほど成績が悪かった。
現代文も古文も漢文も、地理も日本史も世界史も、何かが憑いてるんじゃと思うほどの出来なさっぷりで、先生だけじゃなくクラスメイトにまで心配される程。
数年前の同級会では、高校卒業以来会ったこともなかった、名前も覚えていないような、そもそもクラスメイトだったかどうかも判らないオッサン(つっても同級生)があたしの顔を見るやいなや、「青森県の特産物は?」と訊いてきた。

「・・・・り、りんご」
「ああ、判るようになったんだ」
「高校生のあたしは判らなかったんでしょうか?」
「あれは衝撃的だったなあ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ←面と向かっては言われたくない話だと気付いた
「3年の秋くらいだっけ。夏目さん、放課後にやってた地理の強化講習に出てたでしょう?」
「はあ」 ←覚えてない
「で、阪神工業地帯に関する問題の答えに、「みかん」って書いてたんだよね」
「はあ」 ←覚えてない
「俺が答案用紙集める係だったんだけど、工業の問いの答えで「みかん」はあり得ないだろうと思ってて」
「はあ」 ←「あり得ないのか」と思っている
「この人は大丈夫か?と思ってたら、入試直前模試ん時」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ←おなかいっぱい
「青森県に関する問題だったと思うけど、そこにも「みかん」って書いてて」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ←堪忍どすー堪忍どすー
判んないとこはとりあえず「みかん」って書く人なんだと思ってたら」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ←どんな人だ
「模試が終わった後で隣の席の男に夏目さんが」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ←最悪だー最悪だー



「「みかんの問題だらけだったよねっ」って嬉しそうに言ってたんだよ」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



おうこら、オッサン。

お前のその記憶、いくら払えば消してくれる?



・・・・という出来事があったくらい、高校生のあたしは頭が悪くて勘も鈍かった。(長い)
そして。
4畳半にあった一つ目のダンボールには、どうすればそんなド阿呆が出来上がるかが判るシロモノが入っていた。






好きだった数学や理科に関するものは、お姉ちゃんや先輩から教科書や問題集を貰ってまで問題を解いていた。
なのに。
大の苦手だった社会科に関するものは、





地 図 帳 の み 。






(市区町村名とか、全然違うんだろうなーと思いつつ、開く気は起きない)





勉 強 し た 痕 跡 が 全 く な い っ て ど う い う こ と だ 、 受 験 生 。





地図帳の下にあったノートのほとんどは数学のもので、苦手な社会科のノートもあるにはあるが、2ページくらいしか使ってないのに終わっている。






つまり、一番集中してやらないといけないハズの社会科の勉強を全くせずに入試に挑んだらしい。
それが証拠に、入試直前講習総合テストの世界史の点数はコレ。




(空欄多すぎ。どんだけチンプンカンプンだったんだか)



その補習後のテストの点数はコレ。




(3点上がった!)



こんな点数しか取れないのに、よくもまあ、社会科の試験を受けて大学に入ろうとしたモンだ・・・・。
チャレンジャー過ぎる。




(「おめでとう」より先に「何かの手違いかもしれん」と先生に言われたシロモノ)



あたしの高校の頃の記憶は、部活のことと、入試間際に先生達が必死で勉強を教えてくれたことで埋め尽くされている。
自分が勉強した記憶はほとんど無いのに、先生達の一生懸命な姿と困った顔はよく覚えている。
出来が悪く、打ってもさっぱり響かない生徒に最低限のことを教える大変さは、当時は全く判らなかった。
すげえなあ、先生って。(何を今更)



しかし、あたしがブっ飛んだチョイスはこういう物ではない。
それは、テストの回答用紙の間から、ポロっと出てきた。




(選択・・・・?)






(敢えて家庭科を選択・・・・?)





・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





一 体 何 を 学 ん だ ん だ 、 あ た し は ! ! ! !
(家庭科力<社会科力)



結局、10点台オンパレードな解答用紙を含み、教科書やノートは全部捨てた。












先はまだまだ長い。
たとえるなら。



長 良 川 く ら い 長 い 。





「川 日本最長」でググり中





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





し 、 し 、 信 濃 川 な ん だ ・ ・ ・ ・ 。
(未だにダメ)





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