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片付けられない女魂     Amazon
(扶桑社 / 全503頁 / 書き下ろしアリ)



4畳半のベッド下が半分くらい片付いたことになるのだが、土埃にも埃にもヤニの臭いにも懐かしグッズの数々にも、すっかり飽きてしまった。(早いよ)
何かこう、一気にテンションが上がるブツでも出てくることを願っているのに、残しておきたい物といえば絵本くらいで、「おおおおお!これは!!!!」みたいなものが出てこない。
なので。



魔物にちょっかいを出してみた。






(こら)





(こらこらこら)



が、20冊ほど読んだところで、「この調子で文庫本まで手をつけたら年が明けちまう」と気付き、テンションが全く上がらないにも関わらず、片付けの続きをすることにした。
偉い!
偉いぞ、あたし!(そうでもないぞ)






あたしの予想では、ここの下には衣装ケースが2つと、荷造りご無用なダンボールが1つ入っているハズだった。
それは概ね合っていたが、




(ある意味収納上手)



それらの向こう側に、想定外のものを見つけた。




(今は鍵盤ハーモニカって言うらしいけど、世代的には断固「ピアニカ」)




・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



雑なあたしが、中をすっかりキレイにして取っておいたとは思えないから、開けてみる気にもならない。
とりあえず、ピアニカは見なかったことにして、手前のダンボールから着手することにした。
で。
衣装ケースをよけてみると、またもや萎えるものを発見。




(「その他」とか「いろいろ」なら、書く意味ねえだろ)





大雑把過ぎて開ける気しねえ。





まだヤル気が起きないので、このダンボールも後回し。(おい)
その奥にある、埃だらけのゴチャっとした一角に着手した。




(青春の危険な香り)



へー!昔のセブンイレブンの袋ってこんなんだったんだー!
・・・・と無理やりテンションを上げてみるも、袋に透けて見えた中身が、大昔しょっちゅう一緒に海に行っていた男のサンダルだと判った途端、テンションダダ下がり。
っていうか、1980年代後半から1990年代半ばのものは、マジで飽きた。



その次に目に入ったものは、サラダオイルが入ってたと思われる箱。






この箱に手をかけて、持ち上げた途端、




(昭和産業の商品なので、平成ギフトセットと改名はしていないらしい)



箱から鈴の音が聞こえてきた。
が、中身は何だ?とワクワクしたのは一瞬で、箱を開けてすぐ萎えた。






大雑把に言えば、「旅行」に関する物が入っていた。
まだ家族4人で旅行をしていた頃の思い出の品と、誰かがくれたお土産の数々。




(カワイイところをひとつも見つけられない)



今でこそ、この手のものを貰う機会は無くなったが、




(あたしでも描ける)



たとえば親の仕事仲間が「娘さんに」なんつってくれたお土産が、当時は結構嬉しくて、




(お手玉って、虫が湧いたりしないのかしら)



それらを「捨てる」なんて選択肢は全く無かった。
ましてや、家族4人で旅行した時の思い出は写真だけじゃ足りなくて、でもパンフレットまでは取っておく気がなくて、手頃な大きさだからか、あたしはよくホテルのマッチを持ち帰っていた。




(現在の市外局番は4桁)



あー、そういえばみんなで那須に行ったことあったなー。
そうかそうかー、那須ビューホテルなんつうところに泊まったのかー。






ほうほう、那須ロイヤルホテルってとこにも泊まったんだねー。
・・・・って!



食 え る モ ン は 取 っ て お く な よ 、あ た し 。






(推定25年前のグラニュー糖)



結局、旅の思い出が詰まっていたハズの箱の中で「これは!」と思えたのは、家族で北海道に行った時、父親に買ってもらった小さいクマのキーホルダーのみ。
他は全部捨てた。




(お姉ちゃんとお揃いだったけど、あたしのクマのほうが断然可愛くなかった)



なんてことを書くとまるであたしが、「旅の思い出を取っておいても結局は捨てるハメになるんだぞ。取っておく意味ないんだぞ」みたいな結論を出してる風に読めるかもしれないが、そんな話では全然ない。
旅の思い出をこれだけ簡単に斬り捨てられるようになったのは、単純にあたしが歳をとったからだ。
あたしの目に映るそれらが宝石みたいに輝いていた時期はちゃんとあり、輝かなくなった今見つけたからすんなり捨てる気になれたというだけの話。
もちろん、もっと前に整理してていい物だし、たとえば10年前にそれを見つけていてもアッサリ処分してだろうが、だからといって、「ハナからとっておかなくて良かった物」だとは思わない。
だって、こんなガラクタに輝きを見い出せるのは、子どもの特権なのだから。

さて次は、旅関係の箱の下。






昔、服を買うといれて貰えた厚手のビニール袋に一体何が入っているのかは、皆目見当がつかなかった。
あ・・・・あ・・・・開けてみるか・・・・。






ゲーセンで取ったぬいぐるみのように見えるが、よくよく考えてみれば、UFOキャッチャーが無かった時代だ。
100円で買えたものではなかったんだろう。






あったあった、モンチッチ。
当時から全っ然カワイイと思ってなかったけど、今見てもビミョーだなあ。
・・・・なんてことを考えながら袋の中に目をやって、ギョっとした。











超 怖 ぇ ん だ け ど 。





結局、この袋に入っていたぬいぐるみや置き物も全部捨てた。
さて、次はやっぱコレか。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
自分が大雑把過ぎる性格だということは十二分に判っているが、それにしてもこれは酷い。
以前同じ職場に、机の上も下も脇も引き出しの中も片付けられない女性がいたのだが、彼女はPC内部の整理もできなくて、そういえば彼女が付けるフォルダ名は「その他」とか「etc」とか「いろいろ」とか「temp」とかいうのが多かった。
それを誰かに指摘されると彼女は決まって、「私A型なんで、何でもキッチリしないと気が済まないんです。だからこれは全然曖昧じゃなくて、私の中ではちゃんと区分出来ているんです」とか言っていたが、そのわりに彼女は、ファイルを探すことに時間を使い過ぎてるのか、仕事が遅いので有名だった。
どんだけ頭が良くても、作業効率を上げるには一発で判るようなフォルダ名にすべきだし、頭が悪いなら尚更、ダンボールには、ちゃんと中身が想像できる説明を書くべきなのだよ、夏目くん。

つうわけで、何が入っているのか想像もできないダンボールをいよいよ開封してみることにした。





え い !















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。







確 か に 、 「 す ご く い ろ い ろ 」 。



ぱっと見ただけでも、ACアダプタにテーブルタップ、オルゴールにポーチに手ぬぐいと、一貫性がまるでない。
「しかもまた、つまんなそうなモンばっか入ってるなあ」と思いながら、それらをつまみあげてはどんどんゴミ袋に放り込む。
・・・・と、突然目の前に、あたしが待ち望んでいた物がひょっこり姿を現した。



もちろんココに入ってたなんて知らなかったけど、でもつい最近キミのことを思い出したばかりだったんだよ。
しかも、あたしのカリノさんのブログ記事を読んで。

















(カシャカシャカシャカシャ・・・・カシャカシャカシャカシャ・・・・)






(数少ない得意分野。記録:2分42秒→1分47秒→1分22秒→1分19秒→1分13秒→1分12秒→1分09秒→1分04秒→1分02秒→1分00秒→1分00秒→57秒.......)





マ ン ガ よ り 、 魔 物 度 高 し 。
(夏目基準)





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