BOOK INFOMATION

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片付けられない女魂     Amazon
(扶桑社 / 全503頁 / 書き下ろしアリ)







(タバコの空き箱は3分別、と)






(外のフィルムはプラゴミで、ヘナヘナな紙は燃やせるゴミ、箱は雑紙ね)

「箱は潰さないで広げるんだよ」

(まーじーでぇー!
それ、超メンドくせぇんだけど!
つうかなんで開くの。
広げたって潰したって紙は紙だろーが)

「開いてくださいって(ゴミ出しマニュアルに)書いてあるの」

(そうかー。まあ、やるからにはちゃんとしたいけどさー)






(・・・・って、やっぱ超メンドクセ。
この箱、複雑過ぎて、そのうち、イラっとしてビリっとやってイラっとしてグシャってやっちゃって、燃やせるゴミで捨てちまいそう。
つうか、箱に残ってた葉っぱ、すげー散らかるじゃねえの)

「ねえねえ!いいこと思いついたんだけど!その葉っぱを瓶に溜めたらいいんじゃない?瓶がいっぱいになったら自分でタバコを作ればいいんじゃない?」

(・・・・箱を開くだけでメンドウだっつうの。
やりたかったらお前がやれよ。
でも吸うのはもちろんあたしだから、「巻きが甘い!」とか「スカスカだ!」「今度のは詰まり過ぎ!」とかいうクレームも言いまくるぞ?
お前の叔母ちゃんはそういうヤツだぞ?
情け容赦ないヤツだぞ?)

「・・・・やらないね」

(おうよ)



(トイレットペーパーの芯も雑紙だってさ)






(芯の無いヤツもあるけど、あれ、最後のあたりイラっとするんだよなー)

「それも潰さないで広げるんだって」

(なぁーにぃー?
これこそ意味わかんねーよ。
このままピタっと潰したほうが小さく纏まってイイカンジだろーが)

「開いてくださいって(ゴミ出しマニュアルに)書いてあるの」






(あー、やってらんねー。
正しい分別、出来る気がしねー)

「ねえねえ、夏目ちゃん」
「ん?」 ←初発声
「もしかして夏目ちゃん、これまでちゃんと分別してなかったの?」







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。







「 や 、 や っ て た よ 」
(大嘘。しかもバレてる)



ゴミを前に黙り込み、心の中が「メンドクセ」でいっぱいになっている叔母に根気強く分別の手ほどきをする小学5年の姪を見ていたら、大人のあたしがブーたれてばかりじゃいけないような気にもなるが、とにかくメンドクサイ。
つうわけで。
そんな分別の手間を極力減らすべく、とうとうあたしも、巷で流行りのブツを購入した。




(住所っぽい文字を並べることを思いついた人は、天才だ)


(ローラー式なので、びょーっと一気に消せるところが購入の決め手)



こうして、あたしがまともな分別をし始めたのが2008年9月30日。
すると案の定、我が家から出るリサイクル出来ない有料ゴミが激減した。(夏目家基準)




(日常的に出たゴミ、23日分。
卵の殻から異臭が漂ってきそうなので、スカスカだけど捨てた)





(一番小さい指定ゴミ袋をフルにするには、多分2ヶ月かかる)



分別してない頃は、週に2回、スーパーマーケットで貰う中くらいの袋1つ分のゴミを捨てていたから、まさに激減。
是非我が街には、2リットルくらいのゴミ袋を作ってもらいたい。



さて。
あたしが分別に精を出している間も夏目父は、分別とかリサイクルとかエコとか節約とか、気を遣うとか手伝うとか気前がいいとか、納豆が2パックしかなかったら娘に1パック残しておくとかいうこととは違う世界で生きていた。
ただ、ゴミを手に、頻繁に分別の仕方を調べているあたしの姿を見て、状況を把握はした様子。
で。
分別しなくちゃいけなさそうな怪しいゴミはゴミ箱に入れず、リビングのテーブルの上に放置し、娘が分別するのを待つことに決めたらしい。



お う こ ら 。 中 途 半 端 な こ と す る ん じ ゃ ね え よ 。



・・・・とはもちろん思うが、それを言ったからといって夏目父が良い方向に変わることはない。
それに。
もし夏目父が分別をし始めたら、あたしは朝から晩まで、「ねえ、これは何ゴミ?」と訊かれまくることになるだろう。
それを思えば、分別してくれないほうがずっとずっとありがたい。

で、昨夜のこと。
リビングへ行くと、テーブルの上に、宛名が書かれた郵便物が複数置かれていたので、部屋からコロコロスタンプを持ってきて宛名を消した。




(びょーっと何往復もしたくなるのをぐっと我慢)



それを見ていた夏目父が口を開く。

「楽しそうだね、それ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ほんとは物凄く楽しいのだが、それを言ってしまったら、結露取りの時みたいになってしまう。
だから。



「そうでもないよ」と答えておいた。
(ケチな娘)



「ふうん」

頼む!言葉通りに受け取ってくれ!
と祈りながらコロコロをし続けていると、夏目父は、少し声のトーンを上げて続けた。

「分別は無理だけど(何故!)、ゴミを少なくする努力はしてるんだ」

嘘つけ!とぐぅで殴り飛ばすのと、甲高い声で笑い飛ばすの、どちらにしようかを考えていると、そんな娘の気持ちに気付かない夏目父は、更に続けた。



「TV見て泣いて鼻水が出た時にさ」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
イラっとしますぅーイラっとしますぅー。



しょーもない話の香りがプンプンして
全部聞く前からイラっとしますー。



コロコロを動かす手を止めた。
が、夏目父は喋るのを止めてくれない。



「トイレに行くことにしたんだ」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



あたしは夏目父のプロなので、この言葉を聞いた時点で先が判ってしまった。
が。
夏目父はあたしのプロではないので、娘の腹の奥のマグマが沸々と湧いてきていることに気付かない。
だから先を言いやがった。





「ティッシュじゃなくてトイレットペーパーで鼻かんでジャーっと流せば、
ティッシュのゴミが減るもんね」









(ティッシュのゴミが減る=ティッシュが減らねえ)







テ ィ ッ シ ュ を 使 え 、 こ の う す ら と ん か ち 。





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