BOOK INFOMATION
「片付け始めてからは、お金を遣わなくなりました。
家でやることができたからか、家の居心地が良くなってきたからか、どこにも寄らずまっすぐ家に帰る日が増えたってのも影響してるんでしょうが、それ以上に、余計なものを買わなくなったってことが大きいと思うんです。
前は、欲しいと思ったらなんでもすぐ買ってましたし、たとえば電池が切れたら、部屋にそれがあるかないかなんて考えもせず、「買う」っていうことしか頭になかったんです。
でも、片付けていて、過去に気まぐれというか思いつきで買ったのに開封もせずに放置したものがたくさんあることが判っちゃったんで、たとえば今、「ビーズアクセサリでも作ってみようかしら」って思ったところで、買うまでには至らなくなりました。
「買ったところでやんねえヤツなんだ、あたしは」ってことを、イヤというほど思い知ったんで。
消耗品にしても、片付けてみたら、「どんだけ在庫抱えてんだよ!」ってツッコまずにはいられないほどだったんです。
乾電池とかライターとかストッキングとかタイツとか。
自分の部屋に何があって何がないのかも判らなかったし、買った記憶があったとしてもどこにあるのか見当もつかないっていうのが常だったんで。
片付けて、どこに何があるのか判るようになってやっと、電池が切れたらそこから取って、無かったら補充するという、普通の買い方ができるようになりました」
などという、片付けられる人にとっては当たり前のことを自信満々で語ったばかりだというのに、あたしはここ3日ほど、家で探し物をしている。
捨て方が判らなくて手が止まった記憶は鮮明にあるから、捨ててはいない。
なのに、ブツもなけりゃ、それをどこかに仕舞ったのか記憶も全然ないときた。
んー、捨てたのかなー。
でもなー。
過去ログ見てみたら、「こういう、捨て方が難しい物はほんとに困る」っつうキャプションつけてんだよなあ、あたし。
天井近くまで物が詰まれたコテコテの汚部屋住人ではなくなったものの、未だに自分は片付けらない女なんだなあと実感するのは、あるはずの物を探せずにいる、今みたいな時だ。
ただ。
3日探しても見つからないし、いつになったら見つかるのか見当もつかないけれど、でも、今あたしが「見つからないから買おう」と微塵も思っていないのは確実に、部屋を片付けたことによる変化だろうとも思う。
というような、片付けている最中に感じたことや片付け後に思っていることについて、先日取材を受けました。
相変わらず、何を訊かれても答えをひとつに絞れず、ダラダラと語ってしまいましたが、そこのところは、編集部の方がまとめてくださっていることでしょう。
というわけで。
今日、2月10日(火)の毎日新聞夕刊2面 『 特集ワイド 』
は、「片付けられない人たち」がテーマです。
で、その記事中に、あたしが先日話したことがちょろっと載っています。
夕刊がない地域も多いようですが、手にする機会のある方はどーぞ読んでみてください。

そして夜は雨漏り話の続き。
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