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片付けられない女魂     Amazon
(扶桑社 / 全503頁 / 書き下ろしアリ)



近隣住民に挨拶を済ませたからといって、いつでもデカい音を出してもいいよという許可が得られたわけでは勿論ない。
でも、金属のバールを金槌で叩く音を聞き続けることや手にビリビリと振動が伝わり続けることにはあたし自身が耐えられそうになかったから、たとえば、休日の日中に集中してやろうという気にもなれなかった。
かといって平日にあたしが帰宅するのは良い子が寝ている時間だから、4畳半で作業するとなれば平日の朝くらいしか時間がないわけで。
だから、4畳半でGLボンドを取る作業は、「朝8時から出掛ける直前までの数十分間に、気が向いたらやりましょう」くらいのゆるさで始まった。
GLボンドを剥がす道具を見つけた日は試しに1つだけ取ってみて、その翌朝に2つ取り、そのまた翌朝は何もしないという、やる気があるんだかないんだか判らないくらいの超スローペースで。








それにしても。
柔かい断熱材にガッチリくっついた硬い塊を取るのは、思った以上にメンドくさい。
いや、最初はメンドウなのが普通だと思っていたから何とも思わなかったのだが、雨漏りした箇所の右側にブ厚い木製の板があるのを見つけ、






それにくっついているGLボンドが断熱材上のそれとは比較にならないくらいラクに剥がせてしまったから、急に断熱材が邪魔くさく思えてきた。




(6個取るのにかかった時間は10分弱)


(断熱材の上のを4つ取るのにかかった時間は多分30分以上)



い、いかん。
あたしがメンドクセと思い始めたら、マジでヤバイ。
早急に何かいい方法を見つけないと、このまま1年放置とか3年放置とか15年放置とかしてしまいそうだ。(あるあるー)

で、少し真剣に考えてみた結果、断熱材を傷つけないように恐る恐るやるこたぁねえんじゃないかと思うに至った。
つうか。
普通に考えれば、断熱材(発砲プラスチック)に傷をつけることなくGLボンド(雑なコンクリ並みの硬さ)を剥がすのは不可能なわけで、だったら、断熱材に入る亀裂が最小限に留まるよう、なんつうかこう、一発でバキっと取る方法を考えるべきじゃないのか。




(こんなにいっぱい亀裂を入れることなく剥がす方法を思案)



常日頃から上司に「シワが1本もない」と言われているあたしのちっちぇー脳みそで考えてみたところ・・・・って!
ちょっと今気づいちゃったんだけど!



おチビちゃん」ってもしかして脳みそのサイズか?
(いいから忘れろ)



兎も角、そのちっちぇー脳みそで考えてみた理想形は以下の通り。
まず。
バールの平らな部分をGLボンドの一ヶ所に、金槌で打ち込む。






それを抜いて、出来た隙間に、金槌の釘抜き部分を差し込む。








最初から金槌の釘抜き部分を差し込めば、平らなのを打ち込む手間が省けるが、それだと断熱材に深めに刺さってしまう可能性が高いから、この手間は惜しまずに。

で、だ。
金槌のアタマの下に薄くて硬い板状の何かを当てて、取っ手部分をぐっと下におろせば、テコの働きでGLボンドがバコッ!っと剥がれる、と。









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





巧くいかね、に66,209円。
(大金持ちです!)



んー。
でもこれが巧くいけば、1個のGLボンドを剥がすために断熱材につく亀裂は1つで済むんだよなあ。
まあ、とりあえずやってみましょう。そうしましょう。



ちなみに。
4畳半の壁紙を剥がしてすぐあたしの頭に浮かんだ数々の疑問のほとんどは、ネットで検索したりホームセンターで資材をじっくり見ているうちに次々と解決していったのだが、最後までぼんやり迷っていたのが石膏ボードの張り替え範囲である。
最初は、いくらかでも狭い範囲だけを張り替えるほうが作業的に楽な気がしていたのだが、石膏ボードを剥がしていくと、






この範囲だけじゃ済まないことが判り、でも、1面全部のGLボンドを剥がすのは難儀だろうから上のほうだけ張り替えようという、ひじょーにぼんやりとした結論に至っていた。






断熱材と石膏ボードとの隙間にボードやボンドの欠片が入っちゃったのは気にしないことにして(大雑把)、エアコンの穴の上くらいまで石膏ボードを剥がせば、カビったところはなくなるでしょ。
そう、エアコンの穴の上くらいね。






が。
これを見たあたしは瞬時に思いついてしまった。



このフタこそが、「薄くて硬くて板状の何か」じゃね?と。




(プラ製のもあるらしいが我が家のは金属製)



が。
実際にこのフタを使って理想形を実践してみるも意外と強度がなくて、 思いっきり力を入れたらフタがぐにゃりと曲がってしまいそう。
テコの原理で言うところの支点を補助する役目は務まりそうにない。
で。
これを使うのは早々に諦め、金槌を持つ手を緩めた途端、事件は起きた。
断熱材に押し付けていたフタを押さえていた手まで緩めてしまったのである。
そして。
滑り落ちたフタは、断熱材と石膏ボードの隙間へと消えた。




(おーい)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
フタがなくてもひとつも困らないし、穴が気になるのなら丸く切ったダンボールでも貼っとけばいんじゃね?とは思ったのだが、懐中電灯で照らして隙間を覗いてみると、意外にもフタは、かなり上のほうのGLボンドに引っかかっているっぽい。
で、石膏ボードを更に剥がしてみると、わりとすぐにフタの端が現れた。






上のほうに引っかかってくれて良かったー。
これが下までいっちゃってたら、石膏ボード全部剥がさなくちゃいけなかったもんねー。
・・・・と心底安堵してフタに手を伸ばした。
が。



指 で 突 付 い て し ま い 、 フ タ 、 再 度 落 下 。





つまり。





壁 一 面 、 総 張 り 替 え 決 定 。











・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





嘘 だ と 言 っ て よ ! ジ ョ ー 。
(どうなる、ラブシャ




(次回、 「 夏目、GLボンド剥がしのコツを掴む! 」 に続く)





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