BOOK INFOMATION
今更敢えて書くようなことでは全然ないけれど、あたしは、片付けができないだけでなく掃除もできない。
これがたとえば、よその片付けブログで時々目にするように、「やり始めたらとことん綺麗にしないと気が済まないタチだから着手するのには気合いが要る」というのなら救いようがあるような気がするのだが、あたしは、5メートル四方の部屋を直径1メートルの円形に掃除しただけで満足する性格だというのに着手しないもんだから救いようがない。
というわけで、GL団子を取り終えて数日経っても4畳半はこの状態だった。

(変化ナシ)
が。
既に大工な友人には、石膏ボードとGL団子の処分をお願いしたい旨を話してあったので、頼むのが遅くなればそれだけチンタラやっていたことばバレてしまい、「何ヶ月かかってんだよ」とスゴまれちまう。
いや、それよりも。
大工な友人が「今日か?明日か?来週か?」と待っているかもしれないと思ったら、やる気はないのに気が急いて、結局GL団子を剥がすのと同じように、平日の朝に少しずつ、ゴミを分別して袋に詰めることにした。

(壁紙・石膏ボード・GL団子で分けてみたが根拠はない)
ある程度デカいブツを袋に投げ入れるだけで3日。
その後、「細かい破片を集めるのには掃除機を持ってくればいいのか?でも、掃除機の紙パックにたまった破片を袋に移し替えんのメンドくさくね?つうか、掃除機本体がすげー汚れそう」と、ぼんやり迷うこと数日。
ようやく、南側のベランダにホウキとチリ取りがあったことを思い出した。
ところで。
以前どこかで書いたか話したかしたような記憶もあるのだが、汚部屋を片付け始めてからのあたしは、それまでより少しだけ起床時間が早くなった。
早く起きるよう意識したわけではないし、アラームは昔から意味不明な時間にセットしっぱなしだし、だから、早く起きるようになった理由は、
歳のせい?
くらいしか思い当たらないのだが、とにかく片付け始める前よりも1時間近く早く起きるようになった。
ただ、朝が1時間増えたからといって何をするわけでもなく、変わったことといえば、それまで1面とスポーツ面と三面記事しか読めていなかった朝刊を隅々まで読めるようになったくらい。
それが無駄な時間だと思っていたわけでは決してないのだが、たとえばオシャレな朝食をとってみるとか、
その1時間でなんかこう、「よぉーぅし!今日も頑張るぞー」っつう気になれることが出来ないものか?とも思っていた。
が、4畳半の壁を壊し始めて気が付いた。
どうやらあたしは、さえずる小鳥に餌をやったりバラの花びらを浮かべたお風呂で身体を撫でたりしているよりも、4畳半で粉塵まみれになりながら着実に前に進んでいることを実感したあとに荒々しくシャワーを浴びることで、その日の鋭気が満たせる仕様らしい。
実際、4畳半の壁を壊し始めてからというもの、朝の作業が少し楽しみになっているせいか寝起きがすこぶる良く、会社に行って柳沢に勢いよく話しかけられてもスルーできる余裕ができた。
つまり。
柳沢の話し相手になる余裕はまだない。
(その気も皆無)
(その気も皆無)
南側のベランダで使っているホウキで細かい破片を掃き集めてはそれらをじっと見つめ、15年前に使っていた・・・・かどうかも定かではない錆びたピンや、

(こんな小せぇモンはいちいち覚えちゃいねえ)
20年前、電気工事の人が石膏ボードと断熱材の隙間に切り落としていったらしいコードや、

(ハナから落とすもの、と決めてかかっていたと思われ)
多分、今回あたしが馬鹿力を出している最中にうっかりどこからか抜いてしまった太い釘などを見つけ、それらを取り除くという作業を続けた。

(抜いた自覚は皆無。が、抜いて間もない風味)
壁を壊す時に取り外したコンセントプレートのベースは捨てずにおいたほうがいいかと少し迷ったが、

ネジの錆を見たら取っておく気が薄れ、

最寄りのホームセンターで代替品が買えることが確認できたので、サイズをメモって捨てることにした。
つうわけで、1ヶ月半近く4畳半に散らばっていた建設系廃棄物の掃除が完了した。

(この先絨毯も剥がす予定なので細かな破片は気にしない)
勿論、先はまだまだ長いのだが、ゆっくりでも着実に前に進んでいる実感を得られているうちは飽きずに続けていけそうな気がしている。
今は。(危険)
さて、休日。
剥がした石膏ボードとGL団子を入れた、推定重量25キロの袋を持って4階から1階まで降り、車に積んで大工な友人の職場へ向かった。
友人が不在でも引き受けて貰えることになっていたのだが、残念ながら大工な友人は事務所にいやがった。
「よろしくお願いします」と言いながらあたしが2つの袋を差し出すと、大工な友人はそれを受け取り、唸った。
「あ?」
「お前、これ重くねえの?」
「お、重かったよ」
「にしては、すげー軽そうに持ってたぞ、今」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
というやり取りを聞いていた、56歳だという職人さんが「どれどれ」とやってきて、大工な友人が持っていた袋を持ち上げた。
「おお」
「そんな、騒ぐほど重くはないですよね?」
「まあ、俺らは重いモン持つのは慣れてるけどね」
「ねえ」
「でもまあ」
「ええ」
「 お 嬢 さ ん が 持 っ た ら 重 か っ た で し ょ う ? 」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
イ ヤ な モ ン 思 い 出 す か ら 、 そ の 呼 び 方 は 勘 弁 。
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イ ヤ な モ ン 思 い 出 す か ら 、 そ の 呼 び 方 は 勘 弁 。
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