BOOK INFOMATION
近頃しばしば、「歳を重ねれば重ねるほど、苦手なことをせずに済むようになるのだなあ」と思わざるを得ない場面に出くわす。
「せずに済む」といってもいろいろある。
頑張って苦手を克服したり、長年嫌々やるうちに慣れて苦手意識がなくなったり、苦手だからと避けているうちに他の人がやってくれるようになったりするならいいのだろうけど、あたしのように、避けたところで誰もやってくれないけどまあいいかと思うようになるのは、全然良いことではない。
しかも、片付けや掃除というのは、「やらなくてもいいこと」では決してないわけで、そういうことに意欲が湧かないのは考えものだ。
さて、話は5月に遡る。
遡り過ぎというか書かなさ過ぎだけども、それは気にせず遡る。
4畳半のリフォームをする前に掃除をすることに決めてからは、雑巾とバケツを持って4畳半に籠もる毎日が始まった。
連日帰宅が遅かったこともあり、タバコを吸うために4畳半に行くついでに掃除をすることに。
つまり。
ヤニ吸うついでにヤニ掃除。
タバコはベランダに出て吸っているから室内のヤニが増えることはないのだけれど、なんだか物凄くアホなことをやっている気がしてならない。
それと。
目の前に拭きやすそうな汚いものがあるのに、それが拭かなくていいところだっていうのが何とも歯がゆい。

(壁紙は剥がすので拭くだけ無駄)
かといって、やがて剥がす壁紙を拭く気はサラサラないので、まずはヤニ被害の少ないドア側から、壁紙以外を拭くことにした。

(被害が少ないとはいえ、真っ白に見える箇所を撫でると)

(やっぱりヤニ)
ドア付近で最も汚かったのが、蝶番側。

(画像右側に注目)
隙間を通り抜けようとした土埃と埃とヤニが混じり、不気味ワールドを創造している。

が、ここみたいに、洗剤をつけた雑巾で拭いて真っ白になる箇所はまだいい。


(あらひどい)
どれだけゴシゴシ拭こうとも、どうしても真っ白にはならないのである。

(ぼんやりヤニカラー。ぼんやりカーテンレール痕)
長年燻しまくり長年放置していたんだもの、多少なりとも汚れが残るのは当たり前っちゃあ当たり前なのだが、ドア側を拭いてスッキリ感を味わってしまったせいで、この中途半端な汚れの落ち方が、どうにもこうにも面白くない。
つうか。
やる気が萎える。
(早い)
(早い)
加えて、暑くなりつつある季節、音の鳴るものが何もない部屋で常に窓を開けて、集中力なく掃除してるもんだから、

外から聞こえる音が気になって仕方ない。
具体的には、
どこからか聞こえてくる子猫の鳴き声が気になって仕方ない。
小さく聞こえる「みゃー」という声に耳を澄まして拭く手を止め、ベランダに出て暗闇に目を凝らし、声の主を見つけられずに部屋に戻って拭き掃除を再開するも、今度は親猫らしき「にゃー」という声に反応し、足音を忍ばせてベランダに出てじっと下を見る。
どれだけ目を凝らしたところで、マンションの4階から、真っ暗な地面のどこかにいるであろう猫の姿を見つけられるハズもないのに、だ。
あげく、拭き掃除をしている時間より、暗闇を見てアレコレ考えをめぐらす時間の方が長くなる。
あ。
このあいだ、マンションの駐車場で見かけたキジトラが親か?
それとも、我が家の自堕落番長が一目ぼれしそうなあの茶トラ?
いや、そういえばこのあいだ、向かいの家の庭を横切る、真っ白いのも見たな。
あれ、メスっぽかったよな。
あの真っ白いのなら、暗闇にいても見えそうじゃね?
子猫、何匹いるんだろ。
つうか野良?それとも、どこかの家の飼い猫?
・・・・という具合に。
つまり。
猫の一声であっさり切れる程、掃除に対する集中力がない。
窓を閉めてやることも考えたが、徐々に気温が高くなっている時期でもあった。
あたしには、閉め切った部屋で、夜中に汗だくでヤニ掃除するほどの情熱もなけりゃ、部屋に充満するヤニ臭+洗剤臭を我慢できるほどの根性もない。
なのに、面白くもなんともない掃除をとっとと終わらせて次の工程に取り掛かりたい気持ちだけは強いもんだから、自ずと、集中力のない自分に苛々してくる。
そんな、無駄にイラつく夜が、冗談ではなく本当に10日以上続いた。
が、いよいよ4畳半に入る用事のメインが「暗闇見物」になった頃、あたしは、面白くないこと(=掃除)に比較的集中できるあたしなりの方法を思いついた。
で、早速。
それを実践するのに必要な、でも、掃除には全く関係のないブツを購入。

(1万円ちょいの何か)
結論から言えば、このブツによって4畳半の掃除が格段に捗ることになったのである。
(まだまだ続きます)
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